コロナウイルス:株式市場の閉鎖は必要か? (RFI)
(Coronavirus: faut-il fermer les Bourses?: RFI)
http://www.rfi.fr/fr/podcasts/20200318-faut-il-fermer-les-bourses
今日の経済
コロナウイルス:株式市場の閉鎖は必要か?
発表 2020年3月18日08:47・更新 2020年3月18日12:49
株式市場は既にコロナウイルスの影響を受けている。REUTERS / Aly Song
文 ドミニク・バヤール
株式市場は昨日もまた調子の狂った一日を経験した。激しい下落から立会の終わりには明らかな反発に変わった。しかし、市場のパニックに決着は付いたのか?それを終わらせるためには株式市場の閉鎖が必要か?
ウォール街は既に何度も閉鎖された。2012年にハリケーン・サンディが通過した時。あるいは、2001年9月11日の攻撃のような更に悲惨な出来事の後。相場を一時的に止めること自体はタブーでない。確かに、この問題は特に市場が急激に下落したときに生じる。その時、高熱の余り体温計を壊したい誘惑に強く駆られると、閉鎖に反対する者たちは言う。一般的に米国人はどちらかと言えば閉鎖に反対で、下落の速すぎるときにウォール街の相場の一時停止を可能にする現在のブレーキ機構があればそれで十分だと考える。
更に、これらのサーキットブレーカーがこの数日で何度か繰り返し発動された。欧州ではユーロネクストを含む複数の証券取引所で、未保有株式についての投機を可能にする空売りが禁止されている。フランス証券取引所を閉鎖する権限を持つ金融市場庁のロベール・オフェール理事長は、レゼコー記者たちからのインタビューに応えて彼がそれを行わない理由を説明し、市場が正しく機能しているとの自身の考えを示した。
相場の下落の他に、何が株式市場の閉鎖を正当化するか?
金融市場の故障。最早それらが主要な機能を果たさなくなった時、つまり、経済への資金供給を止めた時だ。一部の人々は、エールフランスのように完全に停止して展望の何一つ見えない企業をどう評価すれば良いかを自問している。ピクテ・アンヴェスティスマンのフレデリック・ロラン氏によると、それは現在において機能不全の兆候が存在するからだ。いつもの時なら、株式が下落すると投資家たちは貴金属のような逃避資産へと殺到する。ところが、先週は金が下落した。これは、投資家たちが流動性不足を起こして証券を売る以外に選択肢がなかったことを意味する。この異常な状況において、再開前に情勢が変化するならば株式市場を閉鎖することはピクテにとって有益になるかも知れない。願わくば、当局が信頼回復を可能とする措置を取らんことを。
米国FRBの介入や、特に昨日ホワイトハウスが約束した大規模な計画は、ウォール街と他の証券取引所の株価を上げた。この状況で閉鎖の問題をまだ話題にするのか?
この大規模な計画が非常に肯定的なサインであることは確かだ。世界の主要な勢力が大砲を配備すると安心するのも無理はない。しかし、これらの発表が必ずしも市場に永続的な静けさをもたらす訳でない。米国先物市場において電子取引所が再び弱気なことは既に見えている。現在の危機については、経済が病んでいるのはなく人間がこれを駆り立てている。投資家たちの展望を開くには、パンデミックの展開についての信頼できる情報が開示される必要がありそうだ。
コロナウイルスのピークが見えない限り、投資家たちの強い苛立ちと市場の乱高下が続くのは明らかだ。この状況では、欧米の証券取引所の一時的な閉鎖の問題は終わらない。中国当局は春節明けの数日間市場を閉鎖した。コロナウイルスによる不況が始まった時に上海株は急上昇し、3月5日に歴史的な高水準に達した。
短信
日本証券取引所からの朗報。富士フイルム社の株式が急上昇した。中国科学技術部の報告によると、同社のインフルエンザ薬・アビガンの有効成分が臨床試験においてCOVID-19の治療に非常に良い結果を示した。今日の東京証券取引所で富士フイルムは15%値上がりした。同社は先ず写真とOAの事業で知られるが、製薬業界にも進出している。
IMFはベネズエラ支援を拒否している。同基金はコロナウイルスによる経済的緊急事態に対処するために1兆ドルの準備金を保有しているが、ニコラス・マドゥロ氏の要求に対して資格喪失を理由にこれを拒否することにした。同基金は国際社会の承認を受けない政府には協力しない。隔離状態に置かれるベネズエラは、国内に認められる深刻な人道危機を悪化させつつある。