視点;イラン大統領の訪日―協議名目の罠を警戒 (Pars Today)

視点;イラン大統領の訪日―協議名目の罠を警戒 (Pars Today)











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イラン大統領の日本訪問(日本語のナレーション付)





視点;イラン大統領の訪日―協議名目の罠を警戒 





2019年12月19日22時25分











イランのローハーニー大統領は、マレーシアを訪問した後、安倍首相の正式な招待により日本を訪問します。今回の訪日の最も重要な課題に、特に経済関係を初めとする日・イ関係の拡大が挙げられています。





日本とイランの外交関係の歴史は90年を数えます。



「我々は、日・イ外交関係樹立90周年に心から祝意を表明する」



日本とイランの相互貿易は制裁前には盛んで、イランは日本が使用する原油を高い割合で供給してきました。現在はかなりの落ち込みが見られますが、、両国間の要人の往来や協議はこれまでどおり盛んに継続されています。イランのローハーニー大統領と日本の安倍首相の会談がこの数年で9回に上ることに加え、同首相はちょうど半年前の今年6月、2日間に渡りテヘランを訪問しました。これは日本の現職の首相としては実に41年ぶりのイラン訪問であり、トランプ大統領がイラン政府に向けてメッセージを送った後の出来事でした。



トランプ米大統領;「彼らに協議の意向があるなら、我々も協議したい」



日本がアメリカとイランの間を仲介するのでは、との憶測がなされていました。



安倍首相はテヘランで;「日本として、緊張緩和のために全力を尽くし最大限の役割を果たしたい」



多数の人々の間で、安倍首相の表明とそれに対するイランの然るべき回答が期待された訪問でした。しかし、アメリカとメッセージを交換するとの期待はきっぱりと拒否されました。



イラン最高指導者;「トランプ米大統領の口から発せられる文言に対し、自分は一切メッセージを出さない。彼はメッセージを交換するに相応しい相手ではない」



これは極めて短い表明ながら、大きな反響を呼びました。



イラン最高指導者;「トランプ大統領には、どこの国が核兵器保有すべきか、その是非を云々する資格はない」



ここで、協議のオファーを出すに当たって完全に計算が狂ったアメリカがある行動を起こします。第一ステージが仕組まれたのは、物議をかもす疑惑の出来事でした。それは、オマーン海で発生した日本のタンカー1隻を含む複数のタンカーへの放火でした。



次に、第2ステージが展開されます。アメリカとヨーロッパ諸国は、イランに矛先を向けて責任転嫁し、心理作戦を開始します。



ポンペオ米国務長官; 「この攻撃は、ホルモズ海峡でのエネルギー輸送経路や船舶の自由な航行をかく乱するため、イランが引き起こしたものだ」



当時のハント英外相;「この攻撃を実行できたのは、イラン以外にはありえない」



イランに責任を転嫁する作戦は、緊張とひとつの戦争を開始する舞台を演出するためのものです。



しかし、このシナリオも最終的にはいつものように失敗に終わりました。安倍首相は完全に手ぶらとは言わないまでも、メッセージ1つを携えただけで帰国の途に着きます。



安倍首相;「テヘランで、イラン最高指導者と会談した。最高指導者は、イランが核兵器を製造せず、保有も、使用もしないことを強調しておられた」



さて、テヘラン訪問から6ヶ月が経過した現在、安倍首相は国連総会で再び仲介役を担いました。



安倍首相;「日本は、この地域での緊張緩和や安定の確立に向けて、恒常的な対話の実施により全面的な外交努力を行う所存だ」



日本は当初、トランプ大統領の要請やペルシャ湾への自衛隊の派遣に反対していたものの、現在独立した形で地域に自衛隊を派遣することを考えているものと見られます。



官房長官;「我々は、日本船舶の安全のために調査研究を目的とした自衛隊の中東派遣に加え、外交努力を増やすつもりだ」



しかし、イランのローハーニー大統領がまもなく日本を訪問します。この訪問は、安倍首相が事前にある記者会見で発表していたもので、その中で国際社会が期待するところにも触れていました。



安倍首相;「国際社会は、アメリカの同盟国であると同時にイランとも古くから良好な関係にある日本に対し、状況を制御するよう期待している」



イランから見て、今回の大統領の訪日は両国間の良好な関係や核合意関連の議題に基づくものだとされています。しかし、日本のメディアの報道によれば、これは別の事柄に対する一種のゴーサインだとされています。今回の訪日が両国関係に基づくものだとして、ならばなぜ、「日本が本当にイランとの堅実な関係を望むなら、なぜアメリカに同調し、最初の段階の制裁に従ってイランからの原油輸入を停止するのか」、あるいは、「なぜペルシャ湾への自衛隊派遣というアメリカの要求に当初は反対しながらも、後になってこれを行なうのか」という疑問が浮上します。首脳会談が日本側の言うとおり、イランとアメリカの対立解消に向けた努力であるなら、半年前の会談でイランが取ったはっきりした態度と、アメリカの制裁の全廃について何度も強調したイランの立場は、日本にとっての最後通牒だったと言えるのではないでしょうか。



ローハーニー大統領、;「米が違法かつ誤った圧政的な制裁というテロをやめるなら、即時6カ国レベルでの協議に応じる」



しかし、数時間にわたるこの訪問でのイランの回答は、やはりこれまでどおりの原則に基づく、アメリカの過剰な要求への抵抗ということになるでしょう。協議をちらつかせつつ罠を仕掛けるような、その手には乗らないという類のものになるのではないでしょうか。







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