「日本首相の歴史的な米国訪問」(RFIの記事):阿修羅♪

「日本首相の歴史的な米国訪問」(RFIの記事):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/656.html









(Etats-Unis: visite historique du Premier ministre japonais: RFI)

http://www.rfi.fr/ameriques/20150428-etats-unis-visite-historique-premier-ministre-japonais-shinzo-abe-obama-libre-echange-defense/





米国日本





発表 2015年4月28日・更新 2015年4月28日04:25





米国:日本首相による歴史的訪問





記者 RFI





2015年4月27日、バラク・オバマ米大統領安倍晋三・日本首相は、ワシントンの中心部に位置するリンカーン記念館に予定外の訪問を行った。
REUTERS/Kevin Lamarque






月曜日、米国と日本は防衛協力をさらに強化することに合意した。これは、中国の軍事力の台頭と軍事面での役割を拡大したい日本の意向を背景にしている。この合意が発表されたのは日本首相のワシントンでの公式日程の直前。今回は歴史的訪問と言って良い。





4月27日月曜日、バラク・オバマ米大統領安倍晋三日本首相は、ワシントンの中心部に位置するリンカーン記念館に予定外の訪問を行った。晴天の下、2人の指導者はこの米元大統領の巨大な像まで続く階段を登った。像はナショナルモールの一端にあり、緑の長方形が連邦議会の入る国会議事堂まで広がっている。



この訪問が事前発表がなく、日本の指導者の公式日程の直前に行われた。公式日程はオーヴァル・オフィスでの会談や共同記者会見、その後のホワイトハウスでの公式晩餐会だ。



水曜日、安倍晋三氏は日本首相として初めて、連邦議会で演説を行う予定だ。自由貿易協定など、数々の件が話し合われることになっている。



安倍晋三氏がワシントンで取りかかる日程はデリケートなものだ。確かに、日本は米国にとって特別な同盟国の1つであり、ホワイトハウスは豪華さや連邦議会での演説を強調しているが、今回の来訪は様々な論争を引き起こしている。



自由貿易協定については、バラク・オバマ氏の顧問たちは既に発表を控えることを決めている。米国政府は農産物の分野での日本の態度の軟化を期待しているが、日本政府の方は自動車での努力を求めている。民主党左派はこの計画に真っ向から反対している。



在米韓国人コミュニティの批判者たちは特にあからさまだ。このコミュニティは「慰安婦」(投稿者による和訳への謝罪を強く求めている。25人の米国国会議員が日本大使に書簡を送り、成功の可能性は僅かだが空気を陰鬱にするこの要望書への支持を求めた。





米国と日本は軍事協力を拡大する





月曜日、ジョン・ケリー国務長官岸田文雄・日本外相、そして、アシュトン・カーター米国防長官と中谷元・日本防衛相はニューヨークで、両国による軍事協力の「ガイドライン」の改訂版に調印した。



日本の自衛隊は今後、米国に向けて発射されたミサイルを撃墜したり、第3国まで支援に駆けつけることになるかも知れない。この新指針では、これまで日米間の協力を日本列島とその周辺に限定していた地理的な制約が撤廃された。この指針では、例えば対ミサイル防衛やサイバーセキュリティの分野で、連携の強化と情報共有の拡大が可能となる。













(Shinzo Abe aux Etats-Unis: Tokyo et Washington unis face à la Chine: RFI)

http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20150428-shinzo-abe-barack-obama-etats-unis-tokyo-washington-chine-alliance-strategie-defense/





日本米国中国防衛バラク・オバマ安倍晋三





発表 2015年4月28日・更新 2015年4月28日12:06





安倍晋三氏の訪米:日本と米国は中国に立ち向かう





記者 ステファン・ラガルト





バラク・オバマ米大統領安倍晋三・日本首相。2015年4月27日、ワシントンにて。
REUTERS/Kevin Lamarque






4月28日火曜日、日本首相が米国訪問の日程を始めた。これは歴史的な訪問だ。安倍晋三氏は「アメリカの親友」のために用意された儀礼によってホワイトハウスから盛大な歓迎を受けた。アジアにおける中国の台頭に対抗するための2国間の軍事・経済同盟関係の強化が予定されている。





安倍晋三氏は外国指導者のために用意されるレッドカーペット以上のものを受ける権利が十分にあるだろうと、米国のマスコミは指摘している。4月28日火曜日は、日本首相が専らの話題になるだろう。ホワイトハウスでの歓迎式典、オーヴァルオフィスでの差し向かいの会談、共同記者会見、その後の300人以上を招いた祝賀会。このように日本の指導者のために宴会を開くのは2006年以来だと、ウォールストリートジャーナルは指摘する。また、安倍晋三氏は連邦議会で演説する最初の日本の指導者になる。演説は英語で行われる。首相は自宅で何時間もテープレコーダーに自分の声を吹き込んで練習したそうだ。





軍事条約





ホワイトハウスは盛大にもてなすが、だからといって、日本首相はフォークで寿司を食べることになるのか?別の言い方をすれば、米国は日本に何を期待しているのか?戦略面では、第2次世界大戦の終結以降この2国を結びつけている軍事条約について再び話す必要がありそうだ。中米関係においては長い間1+1=1だった。安倍晋三氏は今回、1+1は当然2であり、ゆえに日本は特に防衛面でより活発な役割を果たすことに応じると、米国に言いに来た。しかし、これこそが地域において中国の台頭に直面している米国が明確に求めているものだ。「今日、日米間の条約の枠組みの中で軍事協力を準備するためのガイドラインが、米日両国政府の間で調印されることになる」と、ペラン社刊『対決・中国と日本』(Chine-Japon l'affrontement)の著者ヴァレリー・ニケ氏は考える。「本当の意味において米国が戦略としてアジアで日本の側につくのを固定化することは、今日の日本にとって必要不可欠だが、これを確実にするために、日本は「犠牲と努力」を払う用意があるということを示したい。そのために、安倍晋三氏は1年と少し前の政権就任当初から、米国に何らかの形の担保を差し出したいと考えていたが、このガイドラインはその動きの一環だ。」





集団的自衛権





2国間の軍事同盟の再検討は、米国政府の要求に応えて既に取り組みが始まっていた。オバマ氏の政権就任当初から、米国のアジア・ピボット戦略の枠組みの中で再検討は進められていた。これは、アジア向けの経済投資や軍事的関与について、可能な限り方向性を修正するということだ。特に中国では、台頭は進むが管理の行き届かない状態があり、また、国民に向けた演説に付きものの勢力拡大の夢、東シナ海南シナ海での非常に攻撃的と判断できる姿勢のために、アジアは優先度の高い地域と見なされている。「このピボット戦略に伴い、米国は同盟国・日本の『軍事的』支援から便益を得たいと望んでいる」と、ヴァレリー・ニケ氏は続ける。「しかし、この面では物事はいまだ非常に複雑だ。この期待に応えるために、安倍晋三氏は防衛費を軽々と引き上げた。尤も、GNP比1%の上限内にまだ留まっているが。また特に、日本首相は集団的自衛権のタブーを取り払い、日本に関わる紛争でなくとも自衛隊による米軍支援を理論的に可能にした。」





環太平洋パートナーシップ





軍事的な関与の他に、米国のアジア・ピボットは貿易のネットワークも土台となる。この分野でもまた、1つの動きが進んでいる。米国と中国はそれぞれ関係づくりを進めている。米国は中国などを除いた、大陸の12ヵ国をまとめる環太平洋条約を核にした経済同盟の強化を模索している。さらに日米両国政府は同じ方向を見ている。目標は、やはり隣国との貿易協定を次々と結んでいる中国に対抗することだ。「米国は環太平洋パートナーシップで、経済面の問題に限らず戦略面・軍事面の問題でも中国を孤立させようとしている」と、マリ−フランソワーズ・ルナール氏は言い切る。「私たちはよりグローバルな背景の中にいる。世界貿易機関は勢いを失い、協定を調印できる力をもはや持っていない。協定調印にはいくつかの国から常に反対があり、このため、2国間協定の増加が見られる」と、オーヴェルニュ大学経済学院教授の同氏はさらに強調する。「これを背景に、中国と米国はそれぞれの同盟の形成を試みている。中国の戦略は地域経済パートナーシップの強化を中心に、特に、日本−2国間の歴史について対決があるものの−や、インド、パキスタン、韓国・北朝鮮、ロシアとの間で展開されている。」













(Les Etats-Unis et le Japon affichent leur amitié: RFI)

http://www.rfi.fr/ameriques/20150429-etats-unis-japon-affichent-amitie-chine-obama-abe/





米国日本中国バラク・オバマ安倍晋三





発表2015年4月29日・更新2015年4月29日 11:16





米国と日本は友情を誇示する





記者 RFI






安倍晋三・日本首相とバラク・オバマ米大統領ホワイトハウスの庭の中で。
REUTERS/Jonathan Ernst






米国と日本は「パートナーであり友人」だ。これが、4月28日火曜日にホワイトハウスで開かれた共同記者会見で、バラク・オバマ米大統領安倍晋三・日本首相が誇示したかったメッセージだ。今回の訪問が重視されている象徴として、安倍氏は水曜日に日本の指導者として初めて米連邦議会で演説する予定だ。中国は不吉な目でこの訪問を見ている。





共同記者会見の冒頭に、「互いに一緒に、そして、互いのために」という言葉が日本語で、次に英語で、米大統領の口から発せられ、米国と日本を結びつける友情の関係が示された。バラク・オバマ氏はこの同盟を「揺るぎない」と述べ、日本との軍事・貿易関係を深める必要を強調した。



バラク・オバマ氏と安倍晋三氏は南シナ海・東シナ海の緊張に言及するとともに、この地域における中国の活動に懸念を表明し、大国・中国に軍事力を誇示する以外の方法で紛争を解決するよう促した。



アジア太平洋における広範囲な自由貿易協定の締結を目指した2国間協議で著しい進歩が認められたことを、日本と米国は共に歓迎する意向を示した。この有名な環太平洋パートナーシップ協定(TPP)には中国が除外されており、オバマ大統領は任期満了前に決着を付けたいと望んでいる。





中国はこの訪問を不吉な目で見ている





今回の日本首相の盛大な訪問を中国は不吉な目で追いかけている。この2国間同盟が中国を面前から挑発していると受け取られるべきでないと米大統領は即座に述べたが、バラク・オバマ氏が大いに称賛したこの日本と米国の「揺るぎない同盟」を中国は警戒している。国営・新華社通信は論説で今回更新された防衛条約を「ファウスト条約」と酷評したと、RFI北京特約記者ヘイケ・シュミットは報告している。



中国の目から見ると、計算は簡単だ。米国は中国の影響力を食い止める目的から、地域における立場を強化するために日本を利用している。日本の側は、自分の夢を実現するための道具として米国を利用している。つまり、現在まで海外派兵の歯止めとなっていた平和憲法の変更だ。



そして中国はここで、この同盟が中国の国益を危険に晒したりアジア太平洋の平和と安定を侵したりしてはならないと改めて述べた。日米の防衛条約が尖閣諸島、つまり、中国が釣魚の名で主権を主張している島々をも範囲に含んでいる事実は、挑発と受け取られている。しかも、反応に遅れはなかった。「中国の政府および人民は断固として国の主権と一体不可分な領土を守る」と、外務省の洪磊(Hong Lei)報道官は一語一語区切って述べた。













(Etats-Unis: Shinzo Abe applaudi par le Congrès: RFI)

http://www.rfi.fr/ameriques/20150429-etats-unis-japon-premier-ministre-shinzo-abe-applaudi-congres/





米国日本安倍晋三





発表 2015年4月29日・更新 2015年4月29日22:56





米国:連邦議会安倍晋三氏に拍手喝采する





記者 RFI





連邦議会での安倍晋三・日本首相、2015年4月29日。
REUTERS/Jonathan Ernst






哀悼は捧げた、後悔も表明した、しかし、相変わらず謝罪はなかった。水曜日、米連邦議会安倍晋三氏が行った演説はこのように記憶されるだろう。日本の指導者が代議院議場の議員席を前にこのような演説を行ったのは今までなかった。この演説は大いなる拍手喝采を受けた。





演説の最後には長い拍手と喝采が沸き起こった。米国の代表者たちは46分間の演説を全て英語で行った日本首相が見せた誠意を高く評価した。



連邦議会での演説の前、安倍晋三氏はワシントンの第2次世界大戦記念館に行った。聖地、あるいは、自由の壁と彼が表現した場所で、日本首相は静けさと荘厳さにに心を打たれたと語っている。「その壁には4,000個を上回る星が輝いていた。星の1つ1つが戦闘で亡くなった軍人100人を示していることを知り、私は茫然とした。このアメリカの若者たちは幸福な人生を生きることができたのだ」と、安倍晋三氏は心を乱した。



その後、首相は日本帝国軍が米国軍人と戦った戦闘の名を1つ1つ挙げた。そして、日本の悔悟の姿勢を繰り返した。「歴史とは過酷なもので、起きたことをなかったことにはできない。私の親愛なる友人たち、私は日本と日本国民の名において、私は第2次世界大戦で失われた全ての米国人の魂に深い尊敬の念と共に永遠の哀悼の意を捧げる。」



後悔は表明したが、戦争中の日本による旧植民地の国々が待望していた謝罪は相変わらずなかった。連邦議会の演壇に向かって、かつて帝国軍によって売春を強要されるという被害を受けた1人の韓国女性が演説を見ていた−無感動に。











(投稿者より)



RFIサイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。



「日本首相の『歴史的』な米国訪問」というタイトルを付けました。BBCドイチェヴェレ、イランラジオなどからもかなりの数の記事が出ています。余力がないので、私にはこれ以上ご紹介することが出来ませんが、世界が注目した歴史的な訪問、というのは恐らく本当のことです。



その他、フランス24では定時の討論番組で今回の訪問の意義について日仏米の専門家を呼んで議論しています。英語の番組ですが興味がおありの方はご覧になっても良いかも知れません。



この訪問の結果・成果については外務省官邸も発表しています。



その「歴史的」という意味ですが、軍事面の一体化だけでなく、その他の面でも日米関係を強化し、多極化が進む世界情勢の中で一体化した日米が今後の世界の1極となる、ということでしょう。つまり、中露や欧州などとは別の1つの極、ということです。それを、今回の安倍氏の訪米により世界が確認したようです。



その象徴となるのが安倍氏演説でした。知性・品格・見識といったものはあまり感じられないように思えましたが、それでも米国連邦議会で拍手喝采を受けました。"Les représentants américains ont apprécié l’apparente sincérité ..."「米国の代表者たちは…日本首相が見せた誠意を高く評価した」とありますので、議員たちは安倍首相の演説に誠意を感じたようです。安倍氏は国の将来を真剣に憂いている米国のリーダーたちの心の琴線に触れることができたのでしょう。



勿論、その「誠意」の中身については国内で激しい批判があるのを私も承知しています。



「米国は世界の希望であり、日本はこれからもずっと米国と共にいる。」それが計算づくめの発言なのか真心の発露なのか、私には分かりませんが、ただ、リアリスティックな視点から見たとき、あれはあれで見事な演説だったと認めざるを得ないようです。



米国という存在のあり方については世界各所から強いブーイングやバッシングがありますが、日本にとっては2700年続いた歴史をさらに先に進めるために、今後さらに少なくとも数十年は米国と連携して物事を進めることにした、ということにもなります。



米国は衰退の途上にありますが、長期的には日本の今後の生き方として、米国と共に沈むか、米国を引き上げて共に浮かび上がるか、米国に食い潰されるに任せるか、逆に米国を踏み台にして米国の後を襲うか、日本には4つの選択肢が示されているという意味でもあります。



この私の見方は「阿修羅♪」で支配的な見方とは全く異なりますが、地球儀を俯瞰したとき今回の安倍氏の訪米はこのような意味を持つ、ということのように思えます。