核兵器の人道的な影響についての共同声明(国連軍縮部サイト):阿修羅♪

核兵器の人道的な影響についての共同声明(国連軍縮部サイト):阿修羅♪



http://www.asyura2.com/13/warb11/msg/136.html







http://papersmart.unmeetings.org/media/1361004/South_Africa.pdf







核拡散防止条約参加国の2015年再検討会議のための第2回準備委員会





核兵器の人道的な影響についての共同声明




議長



私は以下の核拡散防止条約(NPT)参加国を代表して、この場を使わせていただきます。その国々の国名を挙げると、アルジェリア、アルゼンチン、オーストリアベラルーシボスニア・ヘルツェゴビナボツワナ、ブラジル、カンボジア、チリ、コロンビア、コスタリカデンマークジブチエクアドル、エジプト、エルサルバドルエチオピア、ガーナ、グレナダ、グァテマラ、バチカンホンジュラスアイスランドインドネシアアイルランド、ヨルダン、カザフスタンケニアクウェートレバノンレソトルクセンブルク、マレーシア、モルジブ、マルタ、モーリシャス、メキシコ、モロッコモザンビークナミビアニュージーランドニカラグアニジェール、ナイジェリア、ノルウェーパラオ、パプア・ニューギニア、ペルー、フィリピン、サモアシンガポールスワジランド、スイス、タンザニア、タイ、トンガ、チュニジアウガンダウクライナウルグアイザンビア、そして、私の国・南アフリカです。



核兵器が人道に及ぼす破滅的な結果について、私たちなどのこうした国々は深く憂慮しています。このことは、核兵器が最初に開発されて以来ずっと知られており、様々な国連決議や多国間の取り決め文書にも反映されていますが、長年、核軍縮や核拡散防止の討議の中核となっていませんでした。このことは、NPTの存在理由となっており、「核戦争のために人類全体に荒廃が訪れること、そのため、そのような戦争の危険を避けるためのあらゆる努力をし、諸国民の安全を守る措置をとることが必要であること」の警告であるにも関わらず、核兵器についての対話の中で、一貫して無視されてきました。



それでも、核兵器の使用・実験の過去の経験から、これらの兵器の、非常に大きく制御不可能な破壊能力と無差別な性質がもたらす、容認できない害は十分に示されています。核兵器の爆発の影響には、国境による制約がありません−そのため、これは全ての人々にとって深く憂慮すべき問題なのです。爆発によって即時の死と破壊がもたらされるだけでなく、さらに、社会経済的な発展が妨げられ、環境が破壊され、健康・食糧・水・その他の生きるために必要な資源が先々の世代にわたって奪われるでしょう。



近年、核兵器の人道的影響が、核軍縮と核拡散防止についての全ての議論の中核となるべき、根本的かつ世界的に憂慮すべきこととして、ますます認識されてきています。いまこの問題は、世界的な検討課題の一部としてしっかりと設定されています。NPTの2010年再検討会議では、「どのような核兵器の使用も人道面で破滅的な結果をもたらすことに深く憂慮する」と示されました。同じように、国際赤十字赤新月運動代表委員会による2011年の決議では、どのような核兵器の使用にも計り知れない人間の苦痛が伴うことや、国際人道法との関わりが強調されました。



2013年3月にオスロで開かれた、核兵器の人道的影響についての会議では、核兵器の爆発の影響について、事実に基づく討論に関わるためのプラットフォームが示されました。この会議には幅広い参加が得られ、その反映として、核兵器の破滅的な影響が全ての人にに関わる憂慮すべきことだという認識に達しました。専門家たちと国際諸機関の主要なメッセージは、核爆発が発生した場合、いかなる国や国際団体も、人道的な緊急事態に即時に対応することや被害者に適切な援助を提供することができないかもしれない、ということです。この問題をさらに広く深く理解するためにフォローアップ会議を開くというメキシコの発表と、核兵器の人道的影響に取り組む国際社会の決意を、私たちは心から歓迎します。



いかなる状況に於いても核兵器は2度と使ってはいけないということは、まさに、人類の生き残りという利益に適っています。それが事故のためであれ、計算ミスのためであれ、設計ミスのためであれ、核兵器の爆発の破滅的な影響に適切に対応することは不可能です。すべての努力は、この脅威を取り除くために行使されなければなりません。核兵器が2度と使われないことを保証する唯一の方法は、核兵器を全面的に廃止してしまうことです。NPTの目的を遂行し、その普遍性を達成するなどして、核兵器の使用を防止し、核兵器の垂直的・水平的拡散を防止し、核軍縮を達成することは、全ての国に共通の責務です。そのため、NPTの目的を達成することを目的とした、2010年アクションプランやそれ以前の議論で得られた結果の全面的な実行は、これ以上先送りさせてはいけません。



核兵器の人道的影響に取り組むことは絶対に必要です。NPTを補強する要素として、現在の再検討サイクル期間、そしてその先の期間も、その人道的な結果に特徴づけて私たちが作業や行動をすることは、必要不可欠です。



相互につながっている私たちの世界では、これは政府だけの問題でなく、市民ひとりひとりの問題です。核兵器が人類に及ぼす破壊的な結果への関心を高めることによって、私たちが自分たちの責務を遂行するのに合わせて、市民社会は政府と協調して重要な役割を果たしています。核兵器によってもたらされる脅威を私たちの世界から取り除くために協力することは、先々の世代に対する私たちの務めです。



お礼を申し上げます。









(投稿者より)



これが、日本が参加しなかった、「核拡散防止条約参加国の2015年再検討会議のための第2回準備委員会」の会議でとりあげられた「核兵器の人道的影響についての共同声明」です。



簡単な英語ですので、少し英語ができる人なら、私の訳を読むよりも原文に当たった方がストレートに理解できるはずです。また、これは「分かればいい」という程度のいい加減な訳ですので、もし何かの必要で使うなら、私の訳をそのまま出すより、原文に当たりご自身で解釈することをお勧めします。



ただ、誤訳はあるかも知れません。その時はご容赦下さい。



この声明に日本は参加しなかったわけですが、外務省も遊んでいたわけではなく、この会議でも日本の考えや取り組みを示してます。それでも、今の国際情勢に置かれた自国の状況を見たとき、一貫した立場を示すことができなかった、ということのようです。









2013.8.12 追記





原文のテキストがリンク切れのようですが、こちらで見られます。



(NPT conference: Joint Statement on the humanitarian impact of nuclear weapons: Pressenza)

http://www.pressenza.com/2013/04/npt-conference-joint-statement-on-the-humanitarian-impact-of-nuclear-weapons/





こちらは長崎大学核兵器廃絶研究センターによる暫定訳。こちらの方が「国際会議の声明文」
という感じが良く出ています。



http://www.recna.nagasaki-u.ac.jp/datebase/document/no1/20130424-2/