「震災と自殺」(RFI・毎日新聞の記事から):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/12/jisin18/msg/143.html











(Japon: le suicide comme empreinte de l’après-Fukushima: RFI)

http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20120310-japon-suicide-fukushima-ishinomaki-accident-nucleaire





日本−記事発表:2012年3月10日土曜日−最終更新:2012年3月10日土曜日



日本:ポスト・フクシマの刻印としての自殺



記者 RFI







2011年3月16日、損壊した福島第1原発3・4号機の瓦礫。

AFP/Tepco






1年前、日本の東北地方は、描写できないほどの混沌に沈んでいた。地震に続いて津波が発生し、19,000人の死者を出すこととなり、さらに、チェルノブイリ以来最も深刻な原子力災害である、福島原発事故を引き起こした。日本社会全体がこれに動揺し、この1年、国内で自殺者数の顕著な増加が認められるまでになっている。





RFI特約記者、フレデリック・シャルル石巻からの報告



福島原発事故では、1人の死者も出さなかった。しかし、あの津波があって以降、近親者を失ったストレス、全く先の見えない未来、仮設住宅での雑居生活、失業などから、大津波の被災者や原発事故の避難者が自殺に追い込まれている。



特に、30代の若い人々や高齢者たちが、日々の生活に終止符を打った。「大震災以降、不安な心理が日本社会全体に広がった」との見方を、日本政府のある責任者は示している。



福島原発に近い被災地では、不安の極限にある人々を援助できるような心理学の専門家が非常に少ない。一部の僧侶たちが、最小限の心の支えを人々に与えている。



一部の人々は、アルコールの力を借りて孤独を紛らわせる。それでも、ある程度までだ。







(投稿者より)



上は、RFIサイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。



この記事は、内閣府警察庁が9日発表した、2011年の自殺統計を受けたものと思われます。



「近親者を失ったストレス、全く先の見えない未来、仮設住宅での雑居.生活、失業などから、大津波の被災者や原発事故の避難者が自殺に追い込まれている」、これはこの通りでしょう。確かに、震災後数カ月は、前年比の自殺者数は多いことが、下に付した毎日新聞の記事のグラフから読みとれます。経済活動が停滞し、先の見えない時期でした。



震災のことで、今も多くの方々が苦しみの中にあることと拝察いたします。RFIの記者が指摘している、被災者の心のケアの問題は、重く取り上げる必要があると思います。



ただ、実態は少し違うかもしれません。毎日新聞の報道から、国内の自殺者数は14年連続で3万人を超えたものの、昨年比ではむしろ減少している、ということが読みとれるからです。



毎日新聞は、「震災に関連する自殺と判断されたのは55人」と伝えています。「自殺者数は3万651人で前年より1039人減少」ですから、震災による自殺者数を割り引いても、自殺者数は減少しています。2011年、日本をめぐる客観情勢は何1つ好転していないはずです。



震災の混乱をくぐり抜け、心の整理がつくと、「それでも生きていこう」と、生きることを前向きに捉えるようになる。そのような人がむしろ増えている、ということでしょうか。よく分かりません。これは、時間をかけて見た方がいいのかもしれません。



福島原発事故では、1人の死者も出さなかった」、これをどう評価するかは、本投稿の主題と外れるので、ここでは何も言わないことにします。



以下、その毎日新聞の記事です。






http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120309k0000e040153000c.html





自殺者:14年連続3万人超 震災関連で55人







自殺者の月別推移





内閣府警察庁は9日、11年の自殺統計(確定値)を公表した。自殺者数は3万651人で前年より1039人減少したものの、98年から14年連続で3万人を超えた。統計を分析した内閣府は5月に自殺者数が急増したことを特徴に挙げ、「東日本大震災を背景とする経済的なリスクの広がりが原因」との見方を示した。避難所や仮設住宅で発見されたことなどから、震災に関連する自殺と判断されたのは55人だった。



5月の自殺者数は3375人で、4月を24%上回り、年間を通じて最も多かった。内閣府によると、ピークは3〜4月や秋にくるのが例年の傾向という。5月の状況を4月と比較すると、年齢別では30代が44%増、職業別では「被雇用者・勤め人」が40%増加した。動機・原因別では男性の「経済・生活問題」が27%増と目立った。



内閣府は、こうした統計に加え(1)自治体へのヒアリングで震災による経済の悪化を指摘する声が寄せられた(2)5月に倒産件数の増加を示すデータがある−−ことなどを理由に、震災が経済に悪影響を与えたことが5月の自殺急増に関係したとみている。



一方、5月は20〜40代の女性の自殺者が4月より45%も多く、特に5月12日から急増していた。8月まで内閣府参与として政府の自殺対策に関わった清水康之ライフリンク代表は、24歳の女性タレントが同日に亡くなったと報じられたことに着目し、「過剰な自殺報道の影響が大きかった」と指摘している。



11年の自殺者のうち男性は2万955人、女性は9696人で女性が32%を占め、14年ぶりに女性の割合が3割を超えた。年代別では19歳以下が622人と前年を13%上回り、若年層の増加も目立った。【鮎川耕史】



毎日新聞 2012年3月9日 11時02分(最終更新 3月9日 16時48分)