「地震によって、日本の禁欲精神が試されている」(BBCの報道より):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/09/jisin16/msg/682.html







(Japan quake: Disaster tests country's famed 'stoicism': BBC NEWS ASIA-PACIFIC)

http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-12798799





2011年3月21日 最終更新11:01GMT





地震により、日本の名高い「禁欲精神」が試されている





クリス・ホッグ

BBCニュース、東京







日本を襲った恐ろしい二重大災害の多くの被災者が規律正しさや忍耐を示している





地震津波が日本を襲った4日後、震央に最も近い都市・仙台の地元紙は、震災が発生してから、窃盗と略奪が40件発生したと報じた。



津波で荒れ果てた状況を考えたとき、この数字は非常に低い。多くの店は無人のまま放置されていた。ほぼ完全な停電だったのに、犯罪の報告はほとんどない。



生活必需品は不足しているが、仙台の人々は、無人の店から物を盗むよりも、むしろ、1回の買い物に2時間、静かに行列を作って並ぶ。



仙台市役所に勤めるコンノ・マチコ氏は、これを、東北地方の人々の穏やかな性質のためだと語った。農業と水産業が主要産業である日本の東北地方は、「忍耐」が人々の気質の一部となっている。



「心理学的に言うと、私たちは、混乱やパニックになるようなことは求めず、危険はできる限り避けることを常識としてきた。だから、私たちはみな、公共の秩序が保たれるようにするのだ」と、同氏は語る。



仙台では地震の後、皆が帰宅したり都市を出ようとして交通渋滞が起きたが、コンノ氏の話によると、クラクションを鳴らしたてたり、割り込みをしようとする車はなく、皆が協力し合っていた。





不安





仙台の人々は、震災が起きてから、そのような姿勢で暮らしてきた。



「石油の不足が最大の問題だが、それ以外では、私たち生活はあまり変わっていない」と同氏は語る。



それでも、心に圧迫感があると、表情には出さないものの、人々は他人に見せるよりも多くの不安を感じると、同氏は認める。



「店の行列は、人々が不安であることを示している」と同氏は語る。「人々は声を荒げないように努めている。なぜなら、誰かが恐怖感や不安を口にすると、周りの人々の間にパニックが起こり始めることを、誰もが怖れているからだ。」



「皆がパニックを最も怖れている。なぜならパニックが起こると、より恐ろしい状況が発生し、公共の秩序が混乱するかもしれないからだ。」



日本では、かなり小さい年齢から、人は慎重であるべきで、集団の利益に従う必要があるという考えを、徐々に教え込まれる。



しかし、人々は心に傷を負っている。それは、最も被害の大きな地域の人々だけではない。



「日本では、人々は顔で笑って、心で泣いている」と、東京・テンプル大学のジェフ・キングストン教授は語る。





自助精神





人々は、日本は世界で最も自然災害に対応する備えができた国だと、常に教えられてきた。



現在、例えそれが真実であるとしても、政府は自分たちを助けてくれない可能性があることに、人々の一部が気づきつつある。



そうは言っても、政府への批判が、思ったほど起きていないようだ。



避難した人たちは、食糧・水からまともな衛生設備に至るまで、全てが不足している避難所に詰め込まれても、日本人のあの有名な禁欲精神を示しているのだ。



「惨事が重なる中、予想される限りの早さで政府は活動している」と、キングストン教授は語る。「類を見ないような難問が山積しており、私の見方だが、政府の力強い取り組みは、批評家が述べているよりも、もっと評価されていい。」



コンノ・マチコ氏も同意する。「この種の大事件のあとで、当局が順調に活動できないのは、ある程度理解できる。」



同氏の考えによれば、政府を批判するよりも、むしろ、この地域の人々は、自分たちが置かれた状況を協力することによって、つまり、他の誰かに依存するのではなく、自分たちの力で変えるために闘っている。



そして、その精神は、最も被害の大きな地域の外側でも、人々が共有している。東京では、その都市の中でも外国人旅行者に最もよく認知された場所の一つである、渋谷の交差点で、学生のグループが地震の被害者のために募金活動を行っている。







日本の若者たちも救援活動に出ている





「日本はとても小さな国だから、人々は、隣人が困ったときは、自分自身も困ったときなのだと感じる傾向がある」と、オノ・アイ氏は語る。



日本の若者が、「忍耐」や「禁欲精神」の価値を理解していないと、年上の世代が批判することはよくある。 そういった精神のために、日本は第二次大戦の恐怖を経験しなければならなかったし、そのような特質をひけらかさないことが、日本では評価される。



それでも、渋谷では、正反対のことがはっきり現れている。



「困ったときには、人々は協力するのが当たり前だと、私はいつも思っている」と「フリーター」、つまり、パート労働者の、イトウ・コウ氏は語る。



同氏は節電したり、衝動買いを避けたりすることで、東京にいても、被害の最も大きな地域の人々を助けることができると語る。



「互いに助け合うから、人は生き延びていけるのだと、私は考えている。」



会社を経営するモンマ・ヨシフサ氏は少し年上だが、この危機が日本を変えたと考えている。



「これは日本にとって非常に大きな試練だが、何が起ころうとも、私たちはこれを乗り越えなければならない。」



またもや、不屈の強さを表に見せているが、そのマスクの下にどれだけの不安を抱えているかに、心を向けなければならない。日本にいる一人の外国人として、この問いに答えを見いだすことはほとんど不可能だろう。











(Japan earthquake: Long queues for supplies in Sendai: BBC NEWS ASIA-PACIFIC)

http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-12735021





日本の地震:仙台では、必需品を求めて長い行列を作る





2011年3月14日 最終更新14:11 GMT





何年もかけて、日本は巨大地震に備えてきたが、金曜日の地震津波の規模の大きさに、医療と避難のチームは大きな緊張を強いられている。



BBCジョージ・アラギアは、仙台が受けた衝撃を調べてきた。



(下のリンクから、FlashPlayerによる動画記事を見ることができます。)

http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-12735021











(投稿者より)



BBCサイトの記事からいくつか拾いました。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。



上の記事は、"Japan nuclear progress as toll up"「日本では、犠牲者が増える一方、原発の事態は進展している」という特集記事の一部です。英語がおできになる方で、興味がありましたら、リンクから他の記事もご覧になってみて下さい。



下の記事は、震災3日後の仙台の様子です。避難所で生活する人々、家は無事でも買い物のために行列に並ぶ人々などがレポートされています。



「忍耐」(endurance)、「禁欲精神」(stoicism)と表現されていますが、そういった日本人の特質のかなりの部分が近年失われたと言われてきました。そういったものを取り戻すために、何を、どれだけの期間すればいいのかが、一部で論じられてきました。



学校教育を問題視する意見がありました。あるいは、徴兵制のような制度をつくり、社会の秩序や常識などを若者たちに教える期間が必要という考えもありました。



日本人が劣化したのは戦後60年のことだ、いや、日清・日露の戦役からだ、とか、立て直すには30年かかる、いや、100年だろう。そのような投稿を、この掲示板でも見てきました。



しかし、記者の目には、その特質が、実は日本人のDNAに刻み込まれており、今回の震災を機に表に現れたように見えたのかも知れません。



もちろん、それが一種の「やせ我慢」であることも、記者は見逃していません。



私たちは、父祖の時代から、おそらく、そのようにして、この国で生きてきたのでしょう。



学生の募金活動は、私が住む東海地方の街でもやっていました。決して大きな都市ではない、その駅前で、声を限りに募金を呼びかける若者たちの姿が、印象に残っています。





※2017.4.15 編集