メルケル首相、ドイツの多文化主義は「完全な失敗だった」と語る(更新された記事)(DW-WORLD.DE):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/10/kokusai5/msg/149.html







(Chancellor Merkel says German multiculturalism has 'utterly failed': DW-WORLD.DE)

http://www.dw-world.de/dw/article/0,,6118859,00.html





移民|2010年10月17日





メルケル首相、ドイツの多文化主義は「完全な失敗だった」と語る





アンゲラ・メルケル首相は、支持者への講演で、多文化主義はドイツでは成功しなかったと語った。党の指導者たちも、ドイツの熟練労働者不足を満たすという、移民の役割について、様々な意見を出している。







多文化主義を支えるために十分なことが行われなかったと、メルケル氏は語った





ドイツに多文化社会を建設する試みは「完全な失敗だった」と、アンゲラ・メルケル首相は語った。



「この取り組みは失敗だった。完全な失敗だった。」キリスト教民主同盟(CDU)党首のメルケル氏は、土曜日(16日:投稿者補足)、ポツダムでの同党青年部会で講演した。同氏は、この運動を支えるために、十分なことが過去になされてこなかったと付け加えた。



「この30〜40年の失敗は、すぐには穴埋めできない。」と、同氏は語った。



この発言は、バイエルン州におけるCDUの姉妹政党のCSU(キリスト教社会同盟:投稿者補足)党首のホルスト・ゼーホーファー氏の発言を受けたものだ。同氏は金曜日(15日:投稿者補足)、多文化主義に反する同党の立場を明確に示した。「多文化主義は死んだ」と同氏は語り、代議員たちの大きな喝采を受けた。



ゼーホーファー氏の発言を、ユダヤ人中央評議会総書記のシュテファン・クラマー氏は批判した。ラインファルツ・アム・ゾンタグ紙のインタビューで、同氏は、トルコや他のアラブ諸国からの移民は融合が難しいとする考えは、「無神経なだけでなく、全く無責任だ」と語った。





ドイツ語を話す移民はいまでも歓迎する
 






ゼーホーファー氏の発言は大きな支持を得られなかった





メルケル氏は講演で、労働市場で競争できるように、移民はドイツ語を学ばなければならないと強調した。



「(私たちの社会に)参加したい人は、法に遵うだけでなく、私たちの言語を習得しなければならない」と、同氏は語った。



メルケル氏の発言は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相がベルリンを訪問した1週間後になされた。両国の指導者は、ドイツ国内の約250万人のトルコ人コミュニティが融合するよう改善に取り組むと語った。



トルコのアブドゥラー・ギュル大統領は、ドイツに住むトルコ人は、流暢な訛りのないドイツ語を話せるよう学習するべきだと、南ドイツ新聞紙に語った。





熟練労働者の欠員を満たす





土曜日、メルケル氏は、特に高度な技能を持つ移民は、ドイツの国や労働市場にとって重要であり続けることも力説した。







熟練労働者不足により経済成長が損なわれている





同氏は、毎年20万人のドイツ人が退職して労働市場から離脱し、これが更新されないために、企業が労働力不足を理由にドイツを離れることがあり得ると指摘した。ドイツ商工会議所は、約40万人の熟練労働者不足のために、ドイツは毎年、経済成長の1%を犠牲にしていると語った。



しかし、メルケル氏は、移民労働者のために、高齢のドイツ人労働者が見過ごされてはいけないと語った。同時に、移民は「ドイツ国民が資格を得て、チャンスを与えられるよう、私たちができることをすべて行うまで」(ドイツにいるべき存在:投稿者補足)と見なされるべきではない、とも付け加えた。



ゼーホーファー氏は、フォーカス誌のインタビューで、すべての新入者に門戸を開くための言い訳として、熟練労働者不足を利用するべきでないと語ったが、ドイツへの移住を望む人々によって作られる需要は、減らされるべきでない、とも付け加えた。



「私たちは、世界の福祉事務所になりたくない」と、同氏は語った。





ドイツを出ていく人は、移住してくる人よりも多い





しかし、ウルズラ・フォン・デア・ライエン労働大臣は、政治家は、移民労働者が欧州最大の経済大国(であるドイツ:投稿者補足)の一員となるための、障壁を下げることを考えなければならないと語った。



「この数年、ドイツに移住してくる人よりも、ドイツを出て行く人の方が多い」と、週刊新聞であるフランクフルター・アルゲマイネ・ゾンタグスツァイトゥング紙に、ライエン氏は語った。「私たちは可能な場所ならどこでも、ドイツに前進をもたらしてくれる人の、移住へのハードルを下げなければならない。」



アンネッテ・シャーヴァン教育大臣も同じ意見だ。シャーヴァン氏は、ドイツは移住してくる人のことよりも、出ていく人のことをもっと心配すべきだと、ヴェルト・アム・ゾンタグ紙に語った。さらに、教育省は、外国で取得した資格がドイツで認定されやすくなるよう、法案を準備していると付け加えた。



ドイツ統合20周年を記念する演説で、「イスラムはいまやドイツの一部だ」と語った、クリスティアン・ヴルフ大統領が、月曜日(18日:投稿者補足)に5日間のトルコ外遊に出るいま、移民をめぐるドイツの論争は続くに違いない。ヴルフ氏は火曜日(19日:投稿者補足)トルコ国会で演説する予定だ。





執筆:ショーン・シニコ、マルチン・キューブラー(AFP, dpa, ロイター)

編集:アンドレアス・イルマー









(投稿者より)



ドイツの移民問題についてメルケル首相が講演したことを伝える、ドイツの国際放送ドイチェ・ヴェレの英語サイトに掲載された記事に更新がありましたので、投稿文もあわせて更新します。修正した箇所もありますが、誤訳はあるかもしれません。ご容赦下さい。



「経済のために移民は欲しい。でも、リスクはとりたくない」という身勝手さが、多少見え隠れしているように思えます。



外国人移民の流入による人口増加よりも、自国民の流出による人口減少の方が大きい、ということは、つまりは、国に魅力がないのだと思います。問題の核心は、むしろそこでしょうか。



メルケル氏の発言については、BBCが別の角度から記事を書いています。





(Merkel says German multicultural society has failed: BBC NEWS EUROPE)

http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-11559451





こちらはいくつかのブログなどで取りあげられているようですが、少し抜粋します。



「人々が共存して幸せに暮らすという、「多文化主義」の発想は機能しなかった。」

「30%以上の人々が、ドイツは『外国人に転覆させられる』と確信している。」

「それと大体おなじ数の人が、1600万人の移民や外国に起源を持つ人は、社会保障を受けるためにドイツに来た、と考えている。」

「私たちは考えが甘かった。『彼らは住み着かない。いつか出て行く。』でも、現実は違った。」

「ザラツィン・ドイツ連銀理事は、『イスラム教徒ほど、福祉国家への要求と犯罪に強く結びついた移民集団はいない』と語った。同氏はその後辞任した。」