「韓国:大統領の弾劾訴追案が可決」(KBS WORLD・BBC NEWS JAPAN・Sputnik日本)
(KBS WORLD)
http://world.kbs.co.kr/service/news_view.htm?lang=j&Seq_Code=89030
尹大統領の弾劾訴追案が可決 権限は停止へ
Write: 2024-12-14 18:03:53 / Update: 2024-12-14 18:52:55
尹大統領の弾劾訴追案が可決 権限は停止へ
YONHAP News
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する弾劾訴追案が14日、国会で可決されました。
国会は14日開いた本会議で、尹大統領の戒厳令宣布をめぐり野党が提出した大統領に対する2回目の弾劾訴追案の採決を行い、在籍議員300人のうち300人が出席、賛成204票、反対85票、棄権3票、無効8票で賛成多数で可決されました。
今月7日に行われた1回目の弾劾案投票で、与党のほとんどの議員が表決に参加せず、投票が成立しませんでした。しかし今回は、与党は、本会議前の議員総会で党の方針は弾劾に反対することを確認しましたが、投票には参加することにしました。
賛成204票の中で、野党系議員192人を除けば、与党の「国民の力」で12人が賛成票を投じたことになります。
大統領の弾劾訴追は尹大統領が非常戒厳を宣言してから11日になります。
弾劾訴追案には、「国民主権主義と権力分立の原則など憲法と法律に違反した非常戒厳」を弾劾理由として指摘しています。
尹大統領が14日にも、国会から「弾劾訴追議決書」を受け取ると、直ちに大統領の職務が停止され、韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理が大統領の職務を代行します。
憲法裁判所は、憲法によって弾劾訴追議決書を提出した日から180日以内に大統領弾劾の可否を決めなければなりません。
憲法裁判所が国会の弾劾訴追を引用すれば、尹大統領は憲法によって罷免され、60日以内に大統領選挙を行うことになります。
憲法裁判所が棄却した場合は、弾劾案は直ちに破棄され、尹大統領は国政に復帰できます。
現職大統領に対する弾劾案が可決されたのは、2004年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領、2016年の朴槿恵(パク・クネ)元大統領に続き、3回目です。
盧大統領に対して憲法裁判所は弾劾請求を棄却し、盧大統領は職務停止からおよそ2か月で大統領職に復帰しました。
朴大統領に対して、憲法裁判所は弾劾を妥当とする決定を言い渡し、韓国の大統領として初めて、罷免されました。
朴大統領への憲法裁判所の引用が出るまでおよそ3か月がかかりました。
(BBC NEWS JAPAN)
https://www.bbc.com/japanese/articles/clygq4jnyrvo
尹大統領の弾劾案を可決、韓国国会 職務停止で首相が代行
EPA
画像説明, 尹大統領に対する弾劾訴追案が可決されて喜ぶ、抗議集会の参加者たち(14日、ソウルの国会前)
2024年12月14日
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する弾劾訴追案の2回目の採決が14日夕、国会であり、在籍議員300人の3分の2以上の賛成で可決された。韓国メディアによると現地時間午後7時24分、韓国大統領府が弾劾訴追議決書を受理し、尹大統領の職務が正式に停止された。韓悳洙(ハン・ドクス)首相が大統領の職務を代行する。今後、憲法裁判所が最長180日かけて弾劾の妥当性を審理し、裁判官9人のうち6人以上が弾劾を支持すれば大統領は罷免される。
弾劾訴追議決を受けて尹大統領は国民向けの談話を出し、「自分の旅路を一時的に止める」と述べた。「私は今は立ち止まるが、この2年半、国民と共に歩んできた未来への旅路は決して止まってはいけない」、「私は決して諦めない。私への叱責と激励と声援を抱きとめ、この国のために最後まで最善を尽くす」と話した。談話を読み上げる姿は、テレビ中継された。
韓国大統領府 / REUTERS
弾劾訴追を受け、国民への談話を読み上げる尹大統領
韓国大統領府 / REUTERS
尹氏はさらに、「全ての公職者に呼びかける。今は難しく厳しい時だが、しっかりと役職にとどまり、自分の力の限り公務をきちんと果たしてもらいたい。大統領代行を中心に、協力し合い、市民の安全と幸せを守るために最善を尽くしてもらいたい」と呼びかけた。
政界関係者に「政治の文化や仕組みの改善に注力してもらいたい。無謀な対立の政治から、熟議と配慮の政治に変われるように。この変化に必要な努力と注意をお願いする」と呼びかけたほか、国民には「この国の人たちの力を信じている。自由と民主主義と韓国の繁栄のため、全員の努力を結集させましょう」と促した。
与党の一部議員も賛成
国会は午後4時(日本時間同)ごろに本会議を開き、弾劾訴追案の採決に入った。全議員が投票し、賛成204票、反対85票で可決された。棄権3票、無効8票だった。
可決には議員200人以上の賛成が必要だった。これを満たすには、野党の全議員192人に加え、与党「国民の力」の議員8人以上が賛成に回る必要があった。投票は無記名で行われた。
与党議員の一部は、あらかじめ賛成する意向を表明していた。
投票の直前には、最大野党「共に民主党」の朴贊大(パク・チャンデ)院内代表が議案を説明。「12月3日午後10時半に民主主義の心臓が止まった」とし、「尹錫悦の弾劾こそ憲法秩序を回復する唯一の方法だ」、「弾劾することで民主主義が機能していると、世界に示さなくてはならない」と議員らに訴えた。
禹元植(ウ・ウォンシク)議長が可決を宣言すると、最大野党「共に民主党」など野党側からは歓声が沸き起こり、与党「国民の力」の議員らは静かに議場を後にした。
抗議集会の参加者らが歓喜
弾劾訴追案が可決されると、国会前の道路を埋め尽くした抗議集会の参加者らから大きな歓声が上がった。歌を歌う人や、花火を打ち上げる人もいた。投票が進められていた最中には、「尹を弾劾しろ!」、「弾劾案を可決せよ!」といったかけ声が続いていた。
参加者のシム・ヒセオン氏(40)は可決後、涙をぬぐいながら、「本当にうれしい」、「闘いはまだ終わっていない。 弾劾が確定するには裁判所の判断を待たなくてはならない。私たちはしっかり見続けていく」と話した。
リ・センバン氏(77)は拳を突き上げ、涙をこらえるように、「今日から韓国の政治はよくなる」と述べた。
別の場所では尹氏を支持する集会も開かれていたが、弾劾訴追案の可決が伝わると、静かになった。怒りの言葉を発し、立ち去る人もいた。30代の女性は泣きながら、国が心配だと話した。
Reuters
尹大統領に対する弾劾訴追案の可決を喜ぶ抗議集会の参加者たち(14日、ソウルの国会前)
尹氏に対する弾劾訴追の動きは、尹氏が3日夜に突如として非常戒厳を宣布したことをきっかけに始まった。尹氏は宣布の約6時間後、国会の要求に従って非常戒厳を解除した。
「共に民主党」などは、これを「内乱行為」と非難。野党6党で4日、尹氏の弾劾を求める弾劾訴追案を国会に提出し、7日に1回目の採決が行われた。このときは、108人いる「国民の力」の議員が3人を除いて全員、投票をボイコットしたため、投票議員が定足数に達せず不成立となり、議案は廃案となった。
野党側は、尹氏を弾劾や辞任に追い込むまで弾劾訴追案の採決を続けると宣言。12日に改めて、弾劾訴追案を国会に提出し、この日の採決となった。
今後、憲法裁判所が弾劾を妥当と判断して尹氏が罷免された場合、政府は60日以内に大統領選挙を実施する。新大統領は新たに5年の任期をスタートさせる。
一方、憲法裁が弾劾は妥当ではないと判断した場合、尹氏は大統領の職務に復帰する。
聯合ニュースによると、与党「国民の力」はこの日、午前10時から議員総会を開き、投票への党としての対応を話し合った。意見がなかなかまとまらず、採決の直前の午後4時ごろまで続いた。議員総会の終了後、権性東(クォン・ソンドン)院内代表は記者団に、同党議員らが「党利ではなく良心と信念に基づいて」投票すると述べた。
尹氏に対しては、警察などが内乱の疑いなどで捜査を進めている。内乱罪の最高刑は死刑で、大統領の免責特権が及ばない。国会も調査を続けている。
尹氏は7日に演説し、非常戒厳について謝罪。一方で、野党勢力は危険であり、国民と民主主義を守るために非常戒厳を宣布したと主張した。
その後も公の場に姿を見せていないが、12日にテレビ演説で、改めて非常戒厳の正当性を主張。「弾劾されようが、捜査されようが、私は断固として対抗する」、「最後まで闘う」と宣言した。
非常戒厳の宣布とそれ以降の尹氏の対応は、国民の怒りを呼び、ソウルの国会前などでは連日、大規模な抗議行動が繰り広げられてきた。
尹氏の支持率は急落している。韓国ギャラップ社が13日に公表した世論調査によると、1週間前の13%から11%へと下落した。弾劾には、回答した成人1000人超の4分の3が賛成。尹氏の不支持率は過去最高の85%を記録し、半数以上が非常戒厳を不支持の理由に挙げた。
韓国では過去にも複数の大統領が弾劾されている。
2016年には、当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領に対する弾劾訴追案が可決された。収賄、国家権力乱用、国家機密漏洩に関わったとされた。のちに憲法裁判所によって罷免された。
2004年にも、当時の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が弾劾され、2カ月間、職務停止となった。しかしその後、憲法裁判所の判断で大統領に復帰した。
(英語記事 Live Reporting:South Korea MPs vote to impeach president after mass protests over martial law)
関連トピックス 韓国 政治 デモ・抗議 アジア
(Sputnik日本)
https://sputniknews.jp/20241215/19417487.html
韓国大統領代行がバイデン氏と電話会談 同盟関係の維持を保証
2024年12月15日, 12:11
© AP Photo / Lee Jin-man
韓国で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾訴追案が可決されたことを受け、大統領の職務を代行している韓悳洙(ハン・ドクス)首相は15日、バイデン米大統領と電話会談を行い、両国の同盟関係の維持と発展を約束した。聯合ニュースが報じた。
韓氏は韓国の国政はすべて憲法と法律に厳密に基づいて行われると説明し、「韓国政府は外交・安全保障政策を滞りなく遂行し、韓米同盟が揺るぎなく維持・発展し続けるよう努力する」と強調した。
これに対し、バイデン氏は韓国の民主主義への信頼を表明。韓米の強固な同盟関係は変わらず、韓米同盟と韓米日協力の発展・強化に引き続き取り組んでいくと述べた。
韓国国会は14日、尹大統領に対する2回目の弾劾訴追案を可決した。これにより、尹氏の職務は一時停止され、180日以内に憲法裁判所が弾劾の妥当性を判断する。大統領が罷免されれば、60日以内に大統領選が実施される。
国際 アジア ジョー・バイデン 韓国 政治 米国
(投稿者より)
保守派の若者たちによる日本語の発信をいくつか見ているとあたかもこの世が終わったような落胆ぶりですが、尹氏は元検事総長ですので国会議員よりも寧ろ裁判官の方が相手にし易いかも知れません。実際、早々に検察当局による出頭要請を拒否しています。
この週末には日中韓の3国閣僚会議が複数の分野で開かれましたが、韓国側は閣僚で無く官僚を代表に派遣しています。韓国の国政はスリープモードに入ったようにも見えます。
弾劾決議日の180日後は2025年6月12日です。米国で47代目のトランプ政権が1月21日に発足してから100日後が5月1日です。米国が最初の答えを世界に示し、世界がその対応で大混乱している頃合いです。
裁判の結果が出る頃には世の中が全く変わっている可能性が有ります。大統領は時を味方に出来るかも知れません。更に様子を見たいです。