「トランプ氏、中・加・墨に対し追加関税を示唆」(BBC NEWS JAPAN・Sputnik日本)
(BBC NEWS JAPAN)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cly2e08yqpzo
【米政権交代】 中国とカナダ、メキシコに対する追加関税を示唆 就任初日からとトランプ次期大統領
Reuters
アメリカからメキシコに向かう貨物トラック
2024年11月26日
ドナルド・トランプ次期米大統領は25日、アメリカへの不法移民や麻薬密輸を取り締まるため、大統領就任初日に中国とメキシコ、カナダに新たな関税を課すと発表した。
次期大統領は、1月20日の就任式の直後に、メキシコとカナダからのすべての輸入品に25%の関税を課す大統領令に署名するつもりだと述べた。
また、中国政府が合成オピオイド(麻薬性鎮痛剤)の一種、フェンタニルの密輸を食い止めるまで、中国製品に10%の追加関税を課すとも述べた。
ジョー・バイデン政権は中国に対し、フェンタニルの原料となる物質の生産を阻止するために、より積極的な対応を取るよう求めている。米政府は昨年、フェンタニルが原因で、国内で約7万5000人が死亡したと推定している。
次期大統領は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、メキシコとカナダに対する関税も、両国がフェンタニルをはじめとする麻薬と、国境を不法に越境する移民の取り締まりを行うまで継続されると説明した。
「メキシコもカナダも、長年くすぶってきたこの問題を簡単に解決する絶対的な権利と権限を持っている」
「両国に大きな代償を支払ってもらう時が来た!」
トランプ次期大統領はまた、フェンタニルを扱っているところを見つかった人々に対して死刑を執行すると中国当局が約束したにもかかわらず、それを実行していないとして、中国政府を攻撃した。
首都ワシントンにある在米中国大使館の報道官はBBCに対し、「中国が故意にフェンタニルの前駆物質をアメリカに流入させているという考えは、事実と現実を完全に無視している」と述べた。
「中国は、米中の経済・貿易協力は本質的に互恵的であると考えている。貿易戦争や関税戦争に勝者などいない」
大統領選中、トランプ氏はメキシコと中国に対し、必要と判断すれば最大100%の関税を課すと脅迫した。これは、第1次トランプ政権が課した関税率よりもはるかに高い。
また、中国への最恵国待遇(関税やその他の制限に関して最も有利な条件を提示すること)をやめるとも述べている。
イェール大学ロースクールのポール・ツァイ中国センターの、スティーヴン・ローチ上級フェローは、「これは、選挙期間中にトランプ氏が公約した、関税を政策イニシアチブの多くを達成するための武器として活用するという公約と明らかに一致している」と、BBCの番組「ビジネス・トゥデイ」で語った。
財務長官候補に指名されたスコット・ベッセント氏はかねて、次期大統領が大幅な関税引き上げを課すと脅しているのは交渉戦略の一環だと示唆していた。
ベッセント氏は、財務長官に指名される前に英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、「私の一般的な見解は結局のところ、トランプ氏は自由貿易主義者だ」と語った。
「これはエスカレーションを止めるためのエスカレーションだ」
中国経済は現在、トランプ氏が前回在任していた時期よりもはるかに弱い状況にある。
進行中の不動産市場の危機、低迷する国内需要、増大する地方政府債務など、多くの深刻な問題に苦しんでいる。
トランプ次期大統領が示唆した新たな関税は、アメリカ・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の貿易に関する条項に違反しているようにみえる。
この協定は2020年、トランプ氏が大統領在任中に署名し発効されたもので、隣接する3か国間でほぼ無関税の貿易関係を継続するもの。
ロイター通信によると、次期大統領は関税について脅迫した後、カナダのジャスティン・トルドー首相と貿易と国境の安全について話し合った。
メキシコ財務省は、「メキシコはアメリカ最大の貿易相手国であり、USMCAは国内外の投資家に確実な枠組みを提供する」と述べた。
(英語記事 Trump vows day-one tariffs on Mexico, Canada and China)
関連トピックス ドナルド・トランプ ラテン・アメリカ メキシコ 北米 外交 アメリカ 貿易 移民 中国 カナダ 米中関係 アジア
(Sputnik日本)
https://sputniknews.jp/20241126/19354127.html
トランプ氏、中加墨を関税で脅す 日経平均も一時下落
2024年11月26日, 17:32
c AP Photo / Alex Brandon
米国のドナルド・トランプ次期大統領は、自身のSNS上で、来年1月の就任初日に麻薬や移民対策として、メキシコとカナダからの全ての輸入品に一律25%の関税を課すと投稿した。
また、中国からの輸入品には既存の関税に上乗せして10%の追加関税を課すとしている。
トランプ氏は「フェンタニルを始めとする麻薬と、違法移民の米国侵攻が止むまで関税は残る」と強調した。
トランプ氏は選挙戦で、中国からの全ての輸入品に60%の関税をかけると発言。また、他にも自国産業を守るための関税導入など保護主義的な貿易政策を公約に含めた。
米国は現在、カナダとメキシコとの間に北米自由貿易協定(NAFTA)という関税協定を結んでいる。関税が実際に導入されれば、メキシコの工場拠点で商品を製造し、米国市場向けに輸出している日本企業にも影響を与える恐れがある。
こうした懸念を背景に、26日の日経平均株価は、一時前日終値より約760円安い3万8020円まで下落。その後取り戻したが、終値も338円安の3万8442円だった。
ドナルド・トランプ メキシコ カナダ 中国 米国 国際 経済
(BBC NEWS JAPAN)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cev938gexe8o
【解説】 トランプ次期米大統領は関税について本気 だが貿易が理由ではない
Getty Images
2024年11月27日
ファイサル・イスラム経済編集長
「ドナルド・トランプ次期米大統領は、関税について本気なのか?」。この疑問が世界の市場だけでなく、経済全体に広がっている。
トランプ氏はそれほど真剣ではない――。関税については、そうみていた人が多かった。次期政権の財務長官にヘッジファンド投資家のスコット・ベッセント氏を指名したのが、その主な証拠とされた。同氏は関税に関して、他の候補より穏健派と考えられていた。
しかし一夜にして、かなり残酷な現実が明らかになった。トランプ氏は本気だったのだ。しかもまったく予期せぬ行動で、そのことを示した。大統領選の期間中に発した脅しの中で最も非現実的と思われたものを実行に移すと宣言し、メキシコ、カナダ、そして中国をターゲットに選んだのだ。
トランプ氏はまず、自らが大統領1期目に署名したメキシコ、カナダ、アメリカによる貿易協定を、2期目の就任初日に破棄する考えだ。
トランプ氏が中心となって作ったこの自由貿易協定は、新たな米政権がパートナー国に関税をかけるのであれば、意味をもたなくなる。
関税措置の根底にあるのは
重要なのは、こうした動きの根底にある主なものは、貿易でも経済政策でもないということだ。関税の大きな目的は、メキシコ、カナダ、中国の各国に、移民や違法薬物の取り締まりに関して政策を変更させることなのだ。
トランプ氏は関税を、世界貿易とは完全に無関係の問題で、外交や、場合によっては強制の武器として使っている。
では、それぞれ独自の問題を抱える主要20カ国・地域(G20)の指導者たちは、抵抗もせずに、トランプ氏に屈するのだろうか?
選択肢の一つとして、アメリカの輸入品の5分の2に対して25%の関税をかけるというトランプ氏の措置が、同国の消費者とインフレに不可避の影響を与えるのを待つ、というものもある。
トランプ政権1期目のアメリカでは、洗濯機が平均12%、価格にして約86ドル(約1万3000円)値上がりした。外国製の洗濯機に50%の関税を課したからだった。こうした価格上昇は、それがいかに控えめだろうと、生活費を引き下げるというトランプ氏の選挙公約に反する。
米国民は物価上昇に対し、2018年当時より敏感になっている可能性がある。とはいえ、関税への政治的な欲求を過小評価すべきではない。
ジョー・バイデン大統領は、トランプ氏が1期目に中国からの輸入品に課した関税を批判した。しかし、自身が大統領に就任すると、それを維持し、対象を拡大すらしている。
まだ始まりに過ぎない
いま明らかなこととして、トランプ氏がベッセント氏を財務長官に指名したからといって、関税引き上げの動きが弱まるわけではないということもある。
ベッセント氏は指名争いの最中、アレクサンダー・ハミルトン初代財務長官が先鞭をつけた、「道具としての関税の威力」をわざわざ認める発言をした。
一方、それより前には、関税は戦術的に使えるかもしれないが、アメリカの製造業再生の主な手段はドル安だろうとも示唆していた。
ヨーロッパとイギリスは今のところ、関税の標的にはなっていない。だが、今回の動きはトランプ氏が掲げた関税政策の一部でしかないことを、再確認するのは重要なことだ。
トランプ氏は、世界経済の地図を根本的に変え、中国とヨーロッパの対米貿易黒字を削減したいと思っている。貿易で「アメリカが食い物にされている」と考えている。
しかし、現在の世界はこうした二元的な経済関係よりもはるかに複雑だ。アメリカには、世界貿易のバランスを再び取るのに十分な力が間違いなくある。
だがアメリカが、特にG7(主要7カ国)やG20の友好国との関係において物事を過度に推し進めれば、あまりに孤立してしまうことになるだろう。
(英語記事 Trump proves he is serious on tariffs - but it's not about trade)
関連トピックス ドナルド・トランプ アメリカ 麻薬取引 貿易 移民 政治 経済
(BBC NEWS JAPAN)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cg4l7391606o
【米政権交代】 関税戦争に「勝者はいない」 米次期大統領の関税引き上げ表明にカナダ・メキシコ・中国が反発
Getty Images
アメリカのトランプ次期大統領(左)とカナダのトルドー首相(2019年に英ロンドン郊外で開かれたNATO首脳会議で)
2024年11月27日
カナダ、メキシコ、中国の政府関係者は26日、アメリカの3大貿易相手国に大幅な関税引き上げを課すとするドナルド・トランプ次期米大統領の公約は、アメリカを含む4カ国すべての経済に大打撃を与える可能性があると警告した。
メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は、「一つの関税に対抗してまた別の関税が課されるという事態が、我々の共有のビジネスが危険にさらされるまで続くことになる」と述べた。
トランプ次期米大統領は25日夜、来年1月20日の就任式の直後に、メキシコとカナダからのすべての輸入品に25%の関税を課す大統領令に署名するつもりだと述べた。
また、中国政府が合成オピオイド(麻薬性鎮痛剤)の一種、フェンタニルの密輸出を食い止めるまで、中国製品に10%の追加関税を課すとも述べた。
これらの関税はアメリカへの麻薬密輸や不法移民を取り締まるためのものだとしている。
この表明から数時間後、カナダのジャスティン・トルドー首相はトランプ次期大統領と電話で協議したと発表。27日にカナダの各州のトップと会合を開いて対応を協議する予定だとも述べた。
米ワシントンにある中国大使館のスポークスマンは、「貿易戦争や関税戦争では誰も勝者にはならない」とBBCに語った。
米次期大統領の関税計画に国際的反発
トランプ次期大統領が自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、来年1月20日の就任式の直後に関税を課す計画を発表すると、国際的な反発を招いた。
カナダのトルドー首相は、自国には「建設的な方法」でアメリカと連携する用意があると述べた。
「そうした関係には一定の努力が必要で、我々はそのつもりでいる」と、トルドー氏は記者団に語った。
トルドー氏はトランプ次期大統領との電話会談で、貿易や国境警備について話し合ったとし、カナダ国境を越えてアメリカに流入する移民の数は、メキシコ国境を越えてアメリカに流入する移民に比べてはるかに少ないと指摘した。
トランプ次期大統領側はトルドー氏と電話会談を行ったかどうか明言を避けた。
しかし、次期大統領のスポークスマンのスティーヴン・チャン氏は、世界の指導者たちが次期大統領と「より強い関係を築く」ことを求めているとし、「それは彼(次期大統領)が世界の平和と安定の象徴だからだ」と付け加えた。
メキシコのシェインバウム大統領は26日、脅したり関税をかけたりしても、「移民をめぐる事象」や、アメリカでの薬物摂取は解決しないだろうと記者団に述べた。
シェインバウム氏はトランプ次期大統領に送付するという書簡を読み上げる中で、メキシコはアメリカからの輸入品に独自の関税を課して報復するつもりで、そうなれば「一般企業を危険にさらすことになる」と警告した。
また、メキシコはアメリカに流入する不法移民の問題に対処するための措置を講じているとし、「移民集団はもはや国境に到達していない」と述べた。
麻薬問題については、「あなたの国の社会における公衆衛生と摂取の問題」だと付け加えた。
メキシコ大統領に先月就任したシェインバウム氏は、アメリカの自動車メーカーが部品の一部をメキシコとカナダで生産していると指摘。
「関税が引き上げられて困るのは誰か? それは(米自動車大手の)ゼネラル・モーターズだ」と述べた。
こうした中、在米中国大使館の劉鵬宇報道官は、「中国とアメリカの経済・貿易協力は、本質的に互恵的なものだ」とBBCに語った。
フェンタニルを含む違法薬物の製造に使われる化学物質がアメリカに密輸されるのを中国が許可しているとの主張については、事実ではないと否定した。
「中国は特定の事例に関する手がかりの検証を求めるアメリカの要求に応え、行動している」
「これらすべての対応が、中国が故意にフェンタニルの前駆物質をアメリカに流入させているとの考えが事実と現実に完全に反していることを証明している」
ジョー・バイデン米大統領は、第1次トランプ政権が導入した対中関税を据え置き、バイデン政権独自の関税をいくつか追加した。
現在は米中が互いに輸入品の大半に関税を課している。中国からの輸入品の66.4%と、アメリカからの輸入品の58.3%が関税の対象となっている。
パニックに陥ってはならないと
カナダのトルドー首相は下院で、「アメリカと(貿易)戦争を行うというのは、誰も望んでいない考えだ」と語った。
そして、パニックに陥らずに連携するよう下院議員たちに呼びかけた。
「それが、私たちが真剣に、整然と行うべき仕事だ。パニックに陥ることなく行うべきだ」とトルドー氏は述べた。
カナダの各州のトップは、アメリカに独自の関税を課す可能性を示唆した。
カナダのクリスティア・フリーランド副首相は26日、「私たちがアメリカに売っているのは、彼ら(アメリカ)が本当に必要としているものだ」と述べた。「私たちは石油を売り、電気を売り、重要な鉱物や金属を売っている」。
アメリカのデータによると、カナダは2022年のアメリカの総輸入額のうち約4370億ドル(約66兆5000億円)を占め、同年のアメリカの最大の輸出先でもあった。
カナダの輸出品の約75%はアメリカに送られている。
カナダで最も人口の多いオンタリオ州のダグ・フォード首相は25日、米次期大統領の関税案は「カナダとアメリカの労働者と雇用に壊滅的な打撃を与える」ことになると述べた。
「私たちをメキシコと比較するなんて、私がこれまで耳にした中で最も侮辱的なことだ」とフォード氏は述べた。
ケベック、サスカチュワン、ブリティッシュコロンビアの各州の首相もフォード氏に同調している。一方、アルバータ州のダニエル・スミス首相は、米次期大統領は「両国が共有する国境での違法行為に関連し、もっともな懸念」を抱いていると認める内容をソーシャルメディアに投稿した。
トランプ次期大統領が1月にカナダからの輸入品に関税を課すと宣言して以降、カナダドルは急落している。
カナダ・ドルは対米ドルで71セントを割り込み、トランプ氏が1期目にカナダからの輸入品に関税を課すと脅した2020年5月以来の安値になった。メキシコ・ペソは対米ドルで4.8セント前後まで下落し、今年最安値となった。
(英語記事 'No-one will win' - Canada, Mexico and China respond to Trump tariff threats)
関連トピックス ドナルド・トランプ メキシコ 2024年米大統領選と政権交代 アメリカ 麻薬取引 貿易 移民 中国 カナダ 政治
(投稿者より)
ソロス氏の部下だったヘッジファンド・マネージャーが22日に財務長官に指名されましたが、市場はこれを歓迎して先週末の米国株は高騰し、週明けの東京市場もこの流れを引き継いで円安株高に成りました。
しかし、週明け早々のトランプ氏の発言はこれに冷や水を浴びせるものでした。この発言を受けて為替はドル安に転じています。マスク氏が政府の効率化に参画することにより、政府債務が削減することへの期待から長期金利の低下が進んでいることもドル安要因となりました。製造業への回帰を決めた米国にとってドル安は決して悪いことではありませんが、輸出産業を基軸とする他の国々にとっては良いことではありません。
一方で米国株は上昇を続けており、一部の指標で週末に史上最高値を更新しダウ工業株は45000ドルの大台を超えましたが、市場では暴落への警戒感が生まれ始めているという報道を見ています。東京株は為替と米株との間でシーソーゲームを演じているようです。
ルーブルが下落を続けているという記事を見ましたが、ルーブルは金と交換比率を固定させていますので、金が安くなる分だけはルーブルも下落します。米国もFRBを廃止して政府が通貨発行権を取り戻した上で金本位制に戻す可能性を指摘する声が有ります。更に、金が通貨になるなら流通可能な程度まで値下げする筈だという意見もあります。
29日(金)、カナダ首相が早速フロリダのトランプ氏を訪ねています。「命乞いに来た」という投稿を見ましたが、こちらもどうなりますでしょうか?