米FRB、22年ぶりの大幅利上げ 物価上昇に対抗 (BBC NEWS JAPAN)/中国のこれからの経済発展はどのように行われるのか?(人民網日本語版)

FRB、22年ぶりの大幅利上げ 物価上昇に対抗 (BBC NEWS JAPAN)/中国のこれからの経済発展はどのように行われるのか?(人民網日本語版)









https://www.bbc.com/japanese/61329711





FRB、22年ぶりの大幅利上げ 物価上昇に対抗





2022年5月5日







Reuters





米連邦準備制度理事会FRB)は4日、政策金利を0.5%ポイント引き上げ、0.75%~1%の幅にすると発表した。0.5%ポイントの大幅利上げは22年ぶり。





アメリカの中央銀行に当たるFRBのジェローム・パウエル議長は4日の記者会見で、「インフレ率が非常に高くなっており、その結果の困難も承知している」と述べ、「我々はインフレ抑制のため迅速に動いている」と強調した。



FRBは、物価上昇のスピードに対抗するため、3月にも小幅の利上げを行っていた。アメリカのインフレ率は40年来の高水準にあり、今後も利上げが見込まれている。



世界中の家庭が物価上昇による家計圧迫を実感する中、各国がその抑制に取り組んでいる。



インドの中央銀行は4日、基準金利の大幅引き上げを発表。オーストラリア中銀も、10年以上ぶりの利上げに踏み切った。英イングランド銀行も5日金利引き上げを発表するとみられている。これは、昨年12月以来4回目の利上げとなる。





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利上げの影響とは



銀行が利上げすると、個人や企業、政府の資金借り入れコストが高くなる。金融当局はこれによって、モノやサービスの需要が抑えられ、物価上昇が緩和されると期待している。



しかし利下げには同時に、経済の急激な停滞を招くリスクもある。特に、ウクライナでの戦争や中国での新型コロナウイルス流行によるロックダウンといった新たな難題がある中では、その危険性が高まる。



FRB金利決定に関わった経験のあるエコノミストのドナルド・コーン氏は、「成功するには狭い道を進まなければならない。非常に難しい状況になるだろう」と語った。







Reuters

FRBのジェローム・パウエル議長






アメリカのインフレ率は3月に8.5%に達し、年率では1981年以来最も加速。食料とエネルギーにかかるコストの上昇が主要因だった。これはFRBの目標値2%をはるかに超えており、ジョー・バイデン米大統領にとって政治的な懸案にもなっている。



多くのエコノミストは、FRBはこの問題への対応が遅れていると指摘する。インフレ上昇は、新型ウイルス関連の供給不足や、ウクライナ戦争によるエネルギー市場への衝撃、そしてアメリカでは、パンデミック発生後の経済を支えるために行った直接給付を含む多額の政府支出など、さまざまな要因が重なった結果の産物だ。



「銀行はかなり遅れをとっている。ほとんどの中央銀行がそうだと思う」と、米ジョージ・メイソン大学マーケイタス・センターの上級フェローで、40年近くFRBに勤めたトーマス・ホーニグ氏は言う。



「だが、中銀がその間違いを別の間違いで修正しようとするなら、つまり、非常に大きな金利上昇で経済にショックを与えようとすれば、それによって不景気になる可能性が高いという点で、かなり大きな代償が伴うと思う」



今回の利上げは全会一致で決定した。基準金利が0.75%~1%の幅になったことで、住宅ローンやクレジットカード金利、その他のローンにおける消費者の負担額が増えることになる。



さらにFRBは、パンデミック中の経済刺激策として買い入れていた国債住宅ローン担保証券などの金融資産の圧縮する計画も発表。6月から毎月475億ドル(約6兆1300億円)を上限に圧縮し、9月には950億ドルまで増やす予定だ。





今後も利上げを計画、影響は



世界最大の経済大国による大幅利上げの動きは、多くの国や商品市場が米ドルに依存する中、大きな影響を与えるとみられている。自国通貨をドルに連動させるドルペッグ制を採用している湾岸諸国はすでに4日、利上げを発表している。



FRBのパウエル議長は、今後も利上げを行う計画だとしている。また、会合では将来的に0.5%ポイントの大幅引き上げを行う可能性も「あり得る」ことが示唆されたと明かした一方で、それ以上の大幅利上げは積極的に検討していないと述べた。



投資家はあらかじめ利上げを予想しており、アメリカの株式市場では金利引き上げ発表後に株価が高騰した。



パウエル議長は、堅固な雇用市場などから、アメリカ経済はFRBが積極的な金融政策を取っても耐えられるだろうと説明。しかし、ウクライナでの戦争や中国でのロックダウンによる供給への悪影響が、FRBに厳しい課題を突き付けていると認めた上で、より積極的に需要抑制に動かざるを得ないかもしれないと述べた。



「我々は石油価格や、食品・商品価格といったものには影響を及ぼせない。だが、インフレ期待を確実に固定させる必要がある。それもFRBの仕事の一環だ」



「あらゆる中央銀行が非常に難しい状況に置かれている」





(英語記事 US makes biggest interest rate rise in 22 years





関連トピックス 金融 コロナウイルス 食べ物 ウクライナ侵攻 石油ガス産業 アメリカ 中国 インフレ 政治 経済











(人民網日本語版)

http://j.people.com.cn/n3/2022/0505/c94476-10092510.html





中国のこれからの経済発展はどのように行われるのか?





人民網日本語版 2022年05月05日15:04





目下の中国経済の発展環境はその複雑さ、厳しさ、不確実さが増しており、成長の安定、雇用の安定、物価の安定が新たな挑戦に直面している。目下の情勢に直面して、中国のマクロ政策はどのように力を集中させるのだろうか。



国家発展改革委員会の党組織メンバーで事務局長である趙辰昕氏は、「目下の経済運営における突出した問題に焦点を当て、引き続き『六つの安定(雇用・金融・対外貿易・外資・投資・予想を安定させること)』と『六つの保障(雇用、基本民生 、マーケットエンティティ、食糧・エネルギーの安全、産業チェーン・サプライチェーンの安定、末端の運営を保障すること)』の取り組みをしっかりと行い、経済を着実に安定させ、通年の経済社会の発展で期待される目標の実現に向けて努力する」と説明した。



具体的には次の5点に力を集中させる。



(1)マクロ政策調整への力の入れ具合を強化する。成長の安定をより際立たせ、新型コロナウイルス感染症対策と経済社会の発展を効率よく統一的に進め、確定している政策の実施を加速させる。取り組みの主体性と先見性をさらに強化し、予測を超えた変化に積極的に対応し、政策ツールを増やすよう早急に手段を検討し、タイミングを踏まえた調整コントロールの力の入れ具合を強化し、マクロ経済全体の安定に向けて力を尽くす。



(2)国内の需要拡大に全力を注ぐ。投資の面では、有効な投資のもつ重要な役割を発揮させ、インフラ建設を全面的に強化する。中央政府予算における投資と特別債の発行・利用の進捗を加速させる。社会的投資の健全な発展を促進し、資産のストックの活性化を積極的に推進し、資産のストックと新規投資の好循環を形成する。消費の面では、感染症が消費に与える影響への対応に力を入れ、経済循環を牽引しリードする消費の役割を発揮させ、消費の基盤を着実に安定させる。



(3)マーケットエンティティを着実に安定させる。工業経済の運営振興に力を入れ、工業の質の高い発展を推進する措置を踏み込んで推進し、サービス業分野の困難を抱えた業界の回復発展を促進する政策措置を実施し、感染症により深刻な影響を受けた業界、中小零細企業、自営業者の困難を取り除くための支援の力の入れ具合を強化し、確定している財税金融支援政策を細分化し具体化する。



(4)産業チェーン・サプライチェーンの目詰まり・制約を取り除く。感染症により深刻な影響を受けた重要部分、重点企業の運営の安全を確保する。春の耕作シーズンの生産と農業用物資の供給確保・価格安定を着実に実施し、食糧生産の安定に力を注ぐ。引き続きエネルギーの供給保障をしっかりと行い、石炭の中心的なエネルギーとしての役割を発揮させ、エネルギー利用効率を高める。総合的施策により物流のスムーズな流れを確保し、重点産業チェーン・サプライチェーン感染症対策と供給保障に取り組む企業、重要インフラの正常な運営を確保する。



(5)社会民生の最低ラインを断固として守り抜く。雇用を積極的に安定・拡大させ、民生に関わる重要な商品の供給保障・価格安定をしっかりと行い、社会的救済・保障の基準と物価上昇とが釣り合う連動メカニズムを実施し、社会全体の大勢の安定を着実に維持する。(編集KS)



人民網日本語版」2022年5月5日