世界ゴッツの日に因んだイラン最高指導者の演説(Pars Today)

世界ゴッツの日に因んだイラン最高指導者の演説(Pars Today)









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世界ゴッツの日





世界ゴッツの日に因んだイラン最高指導者の演説





May 22, 2020 16:39 Asia/Tokyo







ハーメネイー師





ラマザーン月最後の金曜日は、イランイスラム共和国の建国者ホメイニー師のイニシアチブにより、「世界ゴッツの日」に制定されています。





慈悲深く慈愛あまねき神の御名において。



賞賛は万物の創造主である神のみのものである。最後の審判のまで、預言者とその善良で清らかな一門、預言者の善良な教友たち、さらにこれらの人物に従う人々に平安あれ。










私はここに、全世界のイスラム教徒たる兄弟姉妹全ての諸君に祝福をささげ、ラマザーン月での、彼らの宗教的義務実行が神に認められるよう願い、前もって断食明けの祝祭・イード・フェトルに祝賀の意を申し述べるとともに、寛大なる神に対し、この月の神の宴への参加という恩恵を賜ったことを深く感謝する次第である。



本日22日金曜は、パレスチナ人との連帯をアピールする「世界ゴッツの日」である。この日は、イランイスラム革命創始者ホメイニー師の賢明なイニシアチブにより、抑圧されたパレスチナ国民と及び、聖地ベイトルモガッダス・エルサレムに関するイスラム教徒の団結を目的に制定されたものである。また、この日は過去数十年間においてこの点に関して大きな役割を果たしてきており、今後もそれは続くであろう。神が望めば。世界の諸国民はこの世界ゴッツの日を歓迎し、パレスチナの自由の旗を掲揚するという第1の必須義務と同様、この日にも敬意を示しました。覇権主義者やシオニズムの主な政策は、イスラム教徒社会の意識からパレスチナ問題を薄れさせ、最終的に忘却させることにある。そして、最も急務の義務とは、イスラム諸国において敵の政治・文化的な傭兵により行われている、こうした背信行為との戦いである。そして現実に、パレスチナ問題は非常に大きな問題であり、アメリカやそのほかの覇権主義国が地域で膨大な資金や力を注ぎ込んだとしても、日々高まるイスラム教徒の諸国民の自尊心やプライド、執着心は、パレスチナ問題が忘却されることを許さないであろう。



まず第1に述べたいことは、パレスチナ国家の強奪と、そこにおけるシオニスト政権というガン細胞の形成という大惨事である。近代における人類の犯罪の中でも、これほど甚大かつ強度の犯罪は存在しない。1つの国を強奪し、最も残忍な形での殺戮や、畑作地や世代の破壊などの犯罪によって、そこの住人を住処や先祖代々伝わる土地から追放し、この歴史に残る暴虐が数十年も続いていることは、事実上、人類の粗暴かつ残忍さの新記録を露呈したに等しいものである。



この大惨事の主な実行犯は、西側諸国の政府および彼らの悪魔的な政策である。第1次世界大戦の戦勝国の政府は、西アジア地域すなわちオスマントルコの支配していたアジアの領域を、最も重要な戦利品として、フランス・パリ講和会議において自分たちの間で分割した。このとき、彼らはこれまで以上に自らの恒常的な覇権を確保するに当たって、この地域の中心部に安全な拠点をもつ必要性を感じたのである。イギリスは、そのとき何年も前からバルフォア宣言によりその下地作りを進めており、ユダヤ人の大富豪らと協力して、シオニズムという名称での変革を台頭させようとしていた。



そして、これを実行に移す下地が整ってきた。彼らは、当初から段階的にその段取りをし、最終的には第2次世界大戦後、地域諸国が混乱に巻き込まれ、注意がおろそかになっている隙間につけ込んで打撃を与え、国民なしでのシオニスト政府という虚偽の政権の発足を発表したのである。



第1段階でのこの打撃の標的はパレスチナ国民であり、次の段階ではこの地域の全ての諸国民へと拡大していった。



地域でのその後の出来事を概観すると、西側諸国やユダヤ教徒の企業家の主な目的が、西アジアで自らが常に幅を利かせ、常駐を目的とした拠点を築き、この地域の諸国や政権に干渉して、過剰な要求を押し付け、支配できるためであったことがわかる。このため、偽りの強奪政権に軍事手段、あるいは非軍事手段であれ、力をつけさせる各種の可能性および核兵器などを提供したのであり、ナイル川からユーフラテス川にいたる広範な地域でこのがん細胞を成長させることを計画したのである。



残念ながら、大半のアラブ諸国の政権は、その一部が賞賛の的となった最初の抵抗運動の後、段階的に屈服し、特にアメリカが問題の当事者として入ってきた後には、自らの人道・イスラム・政治面での責務も、またアラブ人としてのプライドすらも忘れて空虚な希望のもと、敵の目的に加担した。この苦い事実の代表例として、キャンプデービッド会議が挙げられる。



戦士らの各集団組織も、当初の一部の自己献身的行為の後は、次第に占領者とその支持者らとの不首尾な協議へと引きずり込まれ、パレスチナの理念の実現につながる可能性があった道を放棄してしまった。アメリカやそのほかの西側諸国、さらには無能な国際機関との協議は、パレスチナにとっての失敗に終わった苦い経験である。国連総会でオリーブの枝を示すことは、損害を伴うオスロ合意という結果をもたらしただけで、最新的には故アラファトPLOパレスチナ解放機構議長の教訓的な運命を招くことになった。



イランにおける1979年イスラム革命の勃発は、パレスチナにとって戦いの新たな時代の幕開けとなった。その第1歩とは、旧王政という独裁政権時代のイランを自らの安全な拠点の1つとみなしていたシオニスト要員を追放し、そして非公式のイスラエル大使館のあった場所をパレスチナ代表に引渡し、石油の流れを遮断することである。これらは一連の大規模な政治活動と共に、地域全体での抵抗戦線の出現につながり、人々の意識において問題の解決という希望を芽生えさせた。抵抗戦線の出現により、シオニスト政権にとって事態はさらに厳しくなっているが、神のお召しあらばもちろん、これは今後さらに厳しくなると思われる。しかし、アメリカを筆頭とするイスラエルの支持国による、イスラエル防衛工作も非常に強まっている。レバノンでの献身的で敬虔な若者によるシーア派組織ヒズボッラー出現、そしてパレスチナにおける、パレスチナイスラム抵抗運動ハマスや、パレスチナイスラム聖戦運動といった非常に意欲の強い複数の組織の結成は、イスラエルの政治家のみならず、アメリカやそのほかの西側諸国の排他的な輩をも困惑させた。これらの国はさらに、イスラエルに対する軍事用兵器やそれ以外の手段の支援提供に次ぐ2番目の計画として、地域やアラブ圏諸国の中から同盟を作ることになったのである。彼らの膨大な行動の結果は今や、アラブ諸国の一部の政治家や文化・政治面での背信的な活動家の言動に如実に表れており、それは誰の目にも明らかである。



今日、戦いの舞台においては双方から様々な活動が出現しているが、この2つには大きな違いがある。すなわち、抵抗戦線は日増しの力と希望をもって、そして力の要素の勧誘を日々推進している。これに対し、圧制と無神論者、覇権主義の戦線は日々、持てるものや能力、希望を失っている。この主張の明白なしるしは、かつて敗北を受け入れない電撃的なものとされ、2つの国の軍を数日以内に食い止めていたイスラエル軍が、今日、レバノンパレスチナガザ地区では闘争する戦士らの前に退却を余儀なくされ、敗北を認めているのである。



ただし、闘争の場は非常に一触即発で変化しやすく、常に注意が必要である。そして、この闘争の主題は非常に重要で、運命を決定する基本的なものである。基本的な見積もりにおけるいかなる過失、過誤、および誤りも、大きな損失を引き起こすことになる。









これに基づいて、パレスチナ問題を懸念するすべての人にいくつかの点を勧告する。



1. パレスチナ解放のための闘争は、イスラムとして望ましい、そして必須の宗教的義務と、神の道における聖戦である。このような戦いでの勝利は保証されている。なぜなら、戦士は殺害されたとしても、彼は2つある最高の1人に到達したからである。またこれとは別に、パレスチナの問題は一つの人道的な問題であり、数百万人もの人々を彼らの自宅、農場、居住地やビジネスの場所から追放すること、それも殺人や犯罪をもってすることはすべての人間の良心を苦しめ、影響を与え、もし大志と勇気を持っているのなら、戦いへと掻き立てる。したがって、これを純粋にパレスチナ人のみの問題としてに限定し、またせいぜいアラブの問題だとするのは大きな間違いである。



いくつかのパレスチナ人の分子、またはいくつかのアラブ諸国の統治者の妥協をこのイスラム的、人類的問題を看過する許可とみなす人々は、問題の理解を大きく誤り、恐らく歪曲という背信行為に陥ることになる。



2. この闘争の目的は、地中海沿岸からヨルダン川までのパレスチナ全土の解放と、すべてのパレスチナ人の祖国帰還である。パレスチナを縮小し、その土地の一角に国家を形成させるというのは、これもまた無礼なシオニストの慣習の中で言及されている侮辱的な方法であり、真実を求めるしるしでもなければ現実主義のしるしでもない。事実、今日では数百万人ものパレスチナ人が思想、経験、自信で高いレベルに到達し、この偉大な聖戦を大志とすることができ、もちろん、神の勝利と究極の勝利を確信することができるようになっている 。神は仰っている「神は間違いなく、神[の宗教]を助ける者を助けてくださる。神は強大であり、決して失敗されない方である」



コーラン第22章、アル・ハッジ章、「巡礼」の第40節)



世界中のほとんどのイスラム教徒は、間違いなく喜んで彼らを助け、共感するであろう。







3. この闘争においては、世界的支援といった合法的かつ合法的な手段を利用することは許容されるが、西側諸国の政府および、表面的あるいは本質的に彼らに従属している国際機関を信頼することは厳に慎むべきである。これらの機関は、影響力のあるイスラムの存在のすべての敵である。 彼らは人間や諸国民の権利を無視している。彼ら自身がイスラム共同体に最も大きな損害と犯罪を引き起こしている。現在既に、どの世界的な組織や犯罪勢力が、いくつかのイスラム諸国やアラブ諸国で行われているテロ、虐殺、戦争、爆撃、人為的な飢餓の責任をとっているのだろうか?



今日、世界は新型コロナウイルスの犠牲者の数を一人ずつ数えている。しかし誰も、米国やヨーロッパが戦争を起こした国で何十万人もの人々が殉教したり、捕虜や行方不明になっている責任と加害者が誰なのかを問うことはなかったし、また問おうともしていない。アフガニスタン、イエメン、リビアイラク、シリア、そしてその他の国々で不当に流されたすべての流血の責任者はだれなのか?



パレスチナでのこれらすべての犯罪、強奪、破壊、圧制の責任は誰にあるのか?なぜ、誰もイスラム世界の何百万という抑圧された子ども、女性、男性の数を数えないのか? なぜイスラム教徒の虐殺に誰も哀悼の意を表さないのか?なぜ何百万人ものパレスチナ人が70年間、住む家を離れ国外追放となったのか?そして、イスラム教徒の最初の礼拝の方向であった聖地ベイトルモガッダス・エルサレム(ゴッツ)がなぜ侮辱されねばならないのか?国連と呼ばれる組織は、その責務を果たしていない。そしていわゆる人権組織と呼ばれるものは、死に絶えている。「子供と女性の権利を守る」というスローガンには、イエメンとパレスチナの抑圧された子どもや女性は含まれていない。



これが、圧政的な西側諸国と世界的に隷属する組織の状況である。地域で彼らに追従する政府の一部の状況は、言葉で説明するよりさらに酷くスキャンダラスで恥辱的でである。



したがって、熱心で宗教的なイスラム社会は、自分自身とその内面の強さを頼りに、腕をまくって行動を開始し、神を信頼することによって障害を克服していかなければならない。



4. イスラム世界の政治的および軍事的エリートが見逃してはならない重要な点は、抵抗戦線の裏側に紛争を移すそうとする米国とシオニストの政策である。シリアでの内戦の開始、イエメンへの軍事包囲と昼夜を問わない殺人、イラクでのテロ、破壊、そしてテロ組織ISISの形成、および他の一部の地域諸国での同様の事柄、これらすべては、抵抗勢力を迷わせ、シオニスト政権イスラエルにチャンスを与えるための策略なのである。一部のイスラム教国の政治家は、無意識のうちに、また一部はそうと知りながら敵のこれらの策略に手を貸している。これを防ぐ方法は、主にイスラム世界全体の熱狂的な若者たちの強い要望と要求である。特にアラブ圏をはじめとする全てのイスラム諸国の若者は、「諸君がアメリカに向かって叫んでいる全てのことを、勿論敵たるシオニストに向かっても叫ぶがよい」と仰った、偉大なるホメイニー師の勧告を意識から遠ざけてはならない。



5. 地域におけるシオニスト政権の存在を通常化する政策は、米国の最も主要な政策の1つである。米国の使い走りの役割を果たすこの地域の一部のアラブ諸国は、この点に関し、経済的結びつきなどの必要な段取りを備えている。これらの努力は完全に無益で何の結果ももたらさない。シオニスト政権はこの地域にとって致命的な余剰物かつ、全くの害物であり、根絶され取り除かれるのは確実である。汚名や不名誉は、こうした覇権主義的政策に自らの便宜を提供した人々に関して残るであろう。一部は、この醜い行動を正当化するために、致命的で有害な事実に対しては戦い排除しなければならないことを忘れてしまい、シオニスト政権がこの地域の現実であると主張する。今日、新型コロナウイルスは現実のものであり、すべての賢明な人間はそれと戦う必要があると考えている。長年のシオニストウイルスは間違いなく長続きはせず、若者の大志、信仰、熱意により根絶されるであろう。



6. 私からのもっとも重要な助言は、闘争の継続と聖なる戦い・ジハード組織の組織化、そしてそれらへの協力、パレスチナの領土内でのジハードの舞台の拡大である。誰もがこの聖なるジハードでパレスチナに協力しなければならない。誰もがパレスチナ人の手を、必要とするもので満たし、その背後を強固なものにしなければならない。我々は胸を張って、持ちうる限りの能力をでもってこれを遂行しなければならない。ある時、我々はパレスチナの戦士は、宗教、熱意、勇気があり、唯一の問題は武器の不足であることに気づいた。



我々は神の導きと助けを借りて画策した結果、パレスチナでの権力バランスは変化し、今日ガザ地区は敵シオニスト政権軍の侵略に立ち向かい、これに勝利できる。いわゆる占領地域でのこの方程式の変化は、パレスチナ問題を最終段階へと近づけられるだろう。パレスチナ自治政府はこの点で大きな責任を負っている。我々は力をもって、そして権力としての立場から以外、野蛮な敵と話すことはできない。そしてこの力の下地は、有難いことにパレスチナの勇敢で忍耐強い国民の中に用意されている。今日のパレスチナの若者は彼らの尊厳の防衛を渇望している。パレスチナハマスパレスチナイスラム聖戦運動、レバノンシーア派組織ヒズボッラーは最後の通告を行った。



世界はシオニスト軍がレバノン国境を突破して首都ベイルートに進軍した日、そしてアリエル・シャロンという殺人犯がサブラとシャティラを血の海にした日を忘れておらず、忘れることもない。そして同じ軍が、ヒズボッラーの激しい打撃の下で、多くの死者を出し、敗北を認め、レバノンの国境から退却し停戦申請を余儀なくされた日も、忘れておらず、忘れることもない。手を必要とするもので満たす、力の立場とはこのことである。かつてのイラクのサッダーム政権への化学物質の売却を理由に恒久的な恥さらしとなるヨーロッパの某政府は、ヒズボッラーを違法とみなしていることはどうでもよい。違法とは、国際テロ組織ISISを生産する米国や、その売却した化学物質のためにイランのバーネやイラクのハラブチェで何千人もの人々が殺害されることになった、ヨーロッパ政府のような政権のことである。



7. この日のメッセージとして最後に述べておきたいことは、パレスチナはあくまでパレスチナ人のものであり、彼らの意思により行政運営、国家運営されるべきだということである。私20年近く前から提案している、パレスチナの全ての民族、全ての宗教の信者らによる住民投票の実施は、パレスチナの現在と未来の問題から生じる唯一の結果である。この案は、西洋人が繰り返し声高に叫んでいる反ユダヤ主義の主張すなわち、私たちであることが、全く根拠がないことを示している。この計画においては、ユダヤ教徒キリスト教徒、イスラム教徒のパレスチナ人が、ともに1つの住民投票に参加し、パレスチナ国家の政治体制を決定することになる。確実に去るべきはシオニストであり、シオニズムそのものがユダヤ教の中で異端とされ、また完全に蚊帳の外、埒外にあるということになる。



最後に、アフマド・ヤースィーン師、ファテヒー・シャガーギー氏、アッバース・ムーサヴィー師に始まり、イスラムの偉大な司令官で忘れられざる抵抗の人物であったソレイマーニー司令官とイラクの偉大な戦士アブーマハディ・アルムハンディス副司令官に至るまで、ゴッツのために命を落とした殉教者たち、また我々に名誉と聖なる戦い・ジハードの道を開いた偉大なホメイニー師の魂に祝福を送る次第である。



諸君に神の慈悲と平安あれ。







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