写真:日本の防衛省が次世代F-X「ゴジラ」戦闘機のコンセプトを明らかにする(Sputnik International)

写真:日本の防衛省が次世代F-X「ゴジラ」戦闘機のコンセプトを明らかにする(Sputnik International)









(Photo: Japan's Ministry of Defense Reveals Concept for Next-Gen F-X 'Godzilla' Fighter: Sputnik International)

https://sputniknews.com/military/202002201078363059-photo-japans-ministry-of-defense-reveals-concept-for-next-gen-f-x-godzilla-fighter/





写真:日本の防衛省が次世代F-X「ゴジラ」戦闘機のコンセプトを明らかにする







AP Photo / Eugene Hoshiko





軍事・情報





2022年2月20日21:26 GMT(更新 2022年2月20日21:28 GMT






日本の防衛省は、数の上で勝る中国空軍に抜きん出る能力を持つF-2戦闘機の後継機となる新たなステルス戦闘機の計画を静かに進めている。機体の大きさからウォッチャーたちに「ゴジラ」と渾名される三菱F-Xが、2035年に就役する予定だ。





ゴジラ





日本政府は、次期戦闘機のコンセプトモデルについて、名称を「F-X」計画に変更することや、航空機の新しいイメージ図を公表すること、「F-X関連の研究事業」と「日本主導の開発の概念設計」のために2020年度に約2億5,650万ドルを確保することにより、使用可能な戦闘機の生産を可能とする更に具体的な計画へと進めた。







日本国防衛省

航空自衛隊・F-X次期戦闘機のイメージ図






防衛省はジェーン年艦のウェブサイトに、2020年末までに計画の「フレームワーク」をまとめる予定だと語り、新しいジェット機F-2戦闘機が退役予定の2035年には航空自衛隊JASDF)に加わる可能性があると述べた。



1月30日、防衛省広報官はジェーンに「私たちは[新航空機の]第1次生産型をF-2の退役が始まる前に提供できるよう、F-Xを開発する」と語った。「私たちは提携する可能性のある諸企業と協議を続け、2021(会計)年度の内閣予算案が最終決定される今年12月までに、開発協力に関する初期フレームワークを決定する。」




さらに、ディフェンス・コネクトが引用したこの計画についての日本の情報提供依頼書(RFI)によると、日本政府が最大100機の新しいジェット機を購入することにより、総額が最終的に400億ドルを超える可能性がある。





エビエイション・ウィーク誌のブラッドリー・ペレット氏は、この大型航空機に「ゴジラ」という渾名を付けた。これは、人気のある日本のSF映画と、全長62フィートと大型のF-22ラプターよりも機体が大きいことの両方を考えて付けたものだ。ペレット氏は、防衛省が非常に長い航続距離と大きな最大積載量の両方を備えた航空機を望んでおり、また、F-X計画がイギリスのテンペスト戦闘機計画やダッソー社とエアバス社が共同で設計する将来戦闘航空システム(FCAS)と提携する可能性が高いと述べた。



ペレット氏はこのデザインについて、航空機はノースロップ社とマクドネル・ダグラス社のYF-23ブラック・ウィドウに似た4枚の尾翼を持つが、ダッソー社が公表したFCASの概念図の特徴のいくつかを反映していると指摘した。ブラック・ウィドウはロッキードYF-22と競合するために生産されたが、最終的にはYF-22が空軍に採用された。








US Air Force

飛行中のノースロップマクドネル・ダグラスYF-23試作機2機。国立アメリカ空軍博物館に展示中の機体は右側の黒い方だ。






また三菱は、B-2スピリット・ステルス爆撃機や今後配備されるB-21レイダー・ステルス爆撃機を生産したノースロップ・グラマン社と、F-22ステルス戦闘機やF-35ステルス戦闘機を生産するロッキード・マーティン社といった米国防衛関連企業や、ボーイングBAEシステムズにも誘いを掛けた。





『巨大なカブトムシ』から学ぶ





しかし、この計画の主要な請負業者は三菱になった。同社は、米国議会が1998年に新しいF-22ラプターの他国への販売を禁止した時に、X-2心神計画を通して独自の高度なステルス技術の開発を始め、これに長い年月を費やしてきたためだ。







© REUTERS / Kyodo

日本初のX-2ステルス戦闘機『心神』試作機。かつて同機はATD-Xと呼ばれた。






2016年に初飛行を行い一時期は先進技術実証機と呼ばれていたX-2テストベッドは、日本が推力偏向システム・強力な新しいエンジン・レーダー・複合材料を独自に生み出すのに役立った。X-2のステルスデザインは非常に効果的なため、「数十km先からは巨大なカブトムシほどにしか見えない」と、防衛省・調達部門の三輪英昭氏は日経アジアレビューに語った。



また、日本は同機に超音速巡航能力を与えるために、ロッキードF-22で使用されたプラット・アンド・ホイットニー社製F119ターボファンエンジンと同等の製品を独自に開発し、IHIが2018年に開発したXF-9-1エンジンをX-2心神に実装して試験を行った。しかし、このエンジンはプラット・アンド・ホイットニー社製のエンジンよりもわずかに短いため、胴体内の武器保管スペースは広くなった―この問題ではF-35の胴体内兵器倉が小さいことが悩みとなっている。



X-2で試験されてF-Xに引き継がれる可能性のある他の技術には、電磁パルス耐性、光ファイバーによるフライ・バイ・ワイヤー航空電子機器、飛行中の損傷を補償可能な「自己修復」飛行システムが含まれると、ナショナル・インタレスト誌のブログは指摘した。




F-X計画を推進するもう1つの主要な背景は、自衛隊機が接触の機会を増しつつあるロシアや、特に中国の保有する戦闘機の性能が高度化していることだ。ナショナル・インタレストによれば、航空自衛隊の戦闘機は2018年に1日平均3回、空中で中国やロシアの航空機と遭遇しているが、人民解放軍空軍(PLAAF)は航空自衛隊を数の上で6倍上回る。PLAAFはJ-11・J-20・FC-31などの先進的なジェット機を多数導入したことにより、F-35F-15F-2が日本に与えた利点を急速に蝕みつつある。





モーガン・アーチュキナ





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