日本のユネスコキャンペーンにかつての敵国は動揺している(DW English):阿修羅♪

日本のユネスコキャンペーンにかつての敵国は動揺している(DW English):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/15/warb15/msg/598.html











(Japan's UNESCO campaign upsets former adversaries: DW English)

http://www.dw.de/japans-unesco-campaign-upsets-former-adversaries/a-18455898





アジア





日本のユネスコキャンペーンにかつての敵国は動揺している





日本政府は産業諸施設を国の近代化の過程における重要な歴史建造物として認めて貰うよう強く望んでいるが、批評家たちは、建設や労働に携わった奴隷労働者たちを日本は無視していると語っている。









日本は南日本の産業施設23ヵ所にユネスコ世界遺産の地位を認めて貰うよう国連教育科学文化機関に申請しているが、植民地時代の苦難をもろに受けた国々や、その諸施設で奴隷労働者として使われていたかつての戦争捕虜たちから、この運動に対する猛烈な批判が巻き起こった。



諸申請を審査するために設立された審議会は、19世紀後半と20世紀前半の「明治産業革命の諸施設」を、6月28日からボンで開催されるユネスコ世界遺産委員会会合での最終判断に進めるよう提言した。



日本政府は、鉱山・港・工場・造船所などの産業施設を含むこれらの諸施設が、欧州・北米以外で初の工業国となった日本の発展に貢献したと世界に認められるべきだと述べている。





尹炳世(Yun Byung-se)氏は、何万人もの韓国人が施設での労働を強制され、そのため、これらは「普遍的な価値」を示すという世界遺産の要件を満たさないと語った





韓国政府は日本政府の申請に速やかに反応し、尹炳世(Yun Byung-se)外相は今月になって開かれた韓国国会の会議で、何万人もの韓国人が施設での労働を強制され、そのため、これらは「普遍的な価値」を示すという世界遺産の要件を満たさないと語った。



政府統計によれば、57,900人もの韓国人が当時朝鮮半島を占領していた日本によってこれらの施設に労働のために送られた。





強制労働の従事者たち



「極めて過酷な状況の中で強制労働の従事者を雇用していた施設がいくつもあった」と、羅鍾一(Rah Jong-yil)前駐日韓国大使はDWに語った。



「彼らの多くが労働中に死亡したが、戦後になってさえも適切な補償を受けた者は1人もいなかった」と彼は語った。「こうした場所が文化的に重要な所として選ばれるよう日本が欲していることを、ここ韓国では誰も喜んでいない。」



韓国政府はこのユネスコ申請に不服を申し立てており、投票者たちの意見に揺さぶりを掛けたいと考えていると、羅氏は語った。



「現代史の考察ということについて日本は後退しつつあるというのが、私の感覚だ」と彼は語った。「日本が過去に向き合うことは重要だ。」



中国政府も同様に反対を表明しており、外務省報道官は先日の記者会見で「中国は日本の申請について韓国と共通の強い懸念を抱いている」と述べた。「かかる懸念について適切に対応する」必要が日本政府にあると彼女は付け加えた。



おそらくこの申請が反感を引き起こしたことに関連して−そして、ばつの悪い外交的敗北を避けるのに必死になって−日本政府は、6月にボンでこのリストに加えることに賛成の投票をして貰うよう、この数週間に世界遺産委員会に議席を持つ国々に高官を派遣した。





副大臣の歴訪



日本の城内実・外務副大臣は議長国として会議を主宰するポーランドとドイツを訪問した。他の外交官はセルビアクロアチアフィンランド・ジャマイカカザフスタンを訪問した。



日本の計画に反対を表明しているのは政府だけでない。例えば、米国のかつて戦争捕虜だった人々を代表する団体も同様の感情を表明する計画だ。



「本当に戦争捕虜を労働者として使っていた施設があるなら、私たちはこれを指摘するつもりであり、また、それがストーリーに盛り込まれることを望む」と、バターンとコレヒドールを記憶する米国防衛者の会のジャン・トンプソン代表は語った。「日本がこのような施設についての歴史的な正確さを維持するようになることも、私たちは望んでいる。」



「門司の名が記されることが戦争捕虜のストーリーにとって極めて重要だ」と、彼女は付け加えた。「門司は『人間貨物』−つまり、米国や連合諸国の戦争捕虜たち−を載せたほぼ全ての『地獄船』の終点だった。」



ワシントンに本部を置くシンクタンク、アジア・ポリシー・ポイントを運営するミンディ・コトラー氏は、連合国側の戦争捕虜は謝罪よりも記憶を遺すことを強く望んでいると語る。



「彼らは、自分たちの歴史が日米間の第2次世界大戦の歴史の一部になることを強く望んでいる」と、彼女はDWに語った。「彼らは忘れられたくないのだ。彼らは自分たちと日本帝国との歴史や経験が戦時中のストーリーの重要な一部であり、学ぶべき教訓の重要な一部であると感じている。」





認めることが出来ない



「日本はこの歴史を認めたりこの歴史を自分たちの戦争理解に組み込むことが出来ないでおり、今後この影響が出るだろう」と、彼女は付け加えた。「今でも日本はこのために、戦争が如何にして始まり如何にして進められたかときちんと理解できないでいる。」





韓国の抗議者たちは、日本が戦時中の性奴隷に損害賠償を支払うよう繰り返し求めている





1700年代の奴隷貿易で重要な役割を果たしたイギリスの港町リバプールなど、ユネスコへの他の申請では歴史の負の側面が公平に扱われていると、コトラー氏は指摘する。リバプールでは地元当局が当時の出来事を無視せず、記念碑を建てたり市立大学に博物館と研究センターを作ったりした。



「それと比べたとき、日本はアジアや西洋との活発な貿易や、戦争捕虜や慰安婦を含む夥しい数の奴隷労働者・強制労働者は言うまでもなく、近代化に伴ういくつかの曖昧な関係に係わるものとして門司には言及しなければならない」と、彼女は語った。



「労使関係・奴隷労働・恐ろしい産業事故・国際貿易といった、地域のより広範囲な産業の歴史を無視することは、申請の意図に反するものだ」とコトラー氏は付け加えた。「それは挑発的かつ侮辱的であるとしか解釈され得ない、余りにも近視眼的なことだ。









発表 2015年5月18日

記者 Julian Ryall, Tokyo

関連テーマ アジア中華人民共和国

キーワード アジア日本東京ユネスコ強制労働中国韓国












(投稿者より)



ドイチェヴェレ(英語)サイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。



「バターンとコレヒドールを記憶する米国防衛者の会」"the American Defenders of Bataan and Corregidor Memorial Society"、それ風に適当に訳しました。日本語での正式名称は別にあるかも知れません。