日本軍はサムライの精神と再び結びつくのか?(RFI):阿修羅♪

日本軍はサムライの精神と再び結びつくのか?(RFI):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/13/warb12/msg/283.html







(L'armée japonaise renoue-t-elle avec l'esprit des samouraïs?: RFI)

http://www.rfi.fr/mfi/20131220-defense-armee-japon-esprit-combatif-samurai-chine





日本/防衛−記事発表:2013年12月20日金曜日15:22−最終更新:2013年12月20日金曜日23:42





日本軍はサムライの精神と再び結びつくのか?





2005年、海上自衛隊の小船隊(前方)が米海軍空母キティホーク(後方)を護衛する。

Crédit : US Navy






記者 ロマーン・ミェルカレック





この数ヵ月で100回のスクランブル。第2次世界大戦以降に建造された最大の軍艦の進水。首相の演説は相変わらず非常に激しい。日本では好戦的な精神は憲法で禁じられているが、最近この精神と再び結びつくように感じられる。この憲法は出来るだけ早く変えてしまえればと、政界のリーダーたちは強く願っている。





「日本が立ち上がる:かつてのアジアの大国が再び軍事力を誇示しているのはなぜか?」名高い米国・タイム誌の第1面に最近、こうした物騒な文句が現れた。日本軍が国際ニュース面で大きく取り上げられ、良心の呵責もなく戦闘機や戦闘ヘリを見せびらかしていたが、これはかなり長い年月で初めてのことだ。



タイム誌がもし日本の自衛隊に興味があるとするなら、それは自衛隊にとって軍事的緊張の極めて小さい時期が過去のものとなったからだろう。2013年4〜6月、日本政府は中国機の侵入を受けてスクランブル機を69回離陸させた。9月には中国の爆撃機に続いて、無人機が初めて日本の領空に危なっかしげに近づいてきた。2012年の同じ時期、この形態のスクランブル発進は15回しかなかった。



かつてなかったほど、日本のパイロットたちは危険な使命に直面している。中国の他にも、4〜6月の間ずっと、ロシア機の航行を抑え込むこと31回、北朝鮮機は9回、彼らは繰り返すこととなった。「離陸するとき、祖国の防衛に参加している実感が湧く」と、「ベーダー」の異名を持つF-15のあるパイロットが、タイム誌の記事で発言している。





日本の軍事的パラドックス



2013年、日本政府はこうした脅威的な事態のために、極めて不安定な財政事情にもかかわらず、軍事費の上昇を承認した…11年ぶりにだ。2014年もこの上昇は継続されることになっており、防衛省は3.5%の増加を改めて要求している。





ヘリ搭載駆逐艦(DDH)「いずも」183。





安倍晋三氏に軍事力強化の意思があるのは明らかだ」と、ジャーナリストであり国際関係戦略研究所と欧州未来安全保障研究所の客員研究員でもある、日本専門家のエドゥアル・フィムラン氏は分析する。彼は、ヘリ空母ミサイル防衛システムなど、大がかりな新設備の定期的な購入に注目している。日本では今年8月、第2次世界大戦以来最大の軍艦である「いずも」の進水が話題になった。「装備について言えば、自衛隊はアジアで最も近代的な軍隊だ」と、国際戦略研究所(IISS)が毎年発行する『ミリタリー・バランス』に説明されている。



「包囲するという意識があるとは言えないが、脅威を意識しているのは確かだ」と、エドゥアル・フィムラン氏は分析する。「2010年に発表された国の防衛計画大綱で、戦略の変更が示された。北方(ロシアの脅威)から南西方向(中国の脅威)へと、軍事力を転換し直した。」



しかし、自衛隊正真正銘憲法パラドックスに直面したままだ。終戦直後に考案されたこの基本法の条文では、日本がいかなる軍隊の展開をも禁止している。個別的自衛権だけが承認されている。その理論を根拠に、数十年かけて、条文の解釈がだんだんとねじ曲げられていった。こうして、米国に向けて発射された弾道ミサイルの落下物から日本市民を守るという口実で、日本政府はこの兵器を迎撃することが可能だ。また同様の理屈で、どのような装備を購入しようが、どのような訓練を部隊に施そうが、可能となっている。



こうして、日本政府は憲法の条文を都合良く解釈して、様々な軍事作戦への参加を正当化している。日本は平和維持のために国際社会に協力する責務があるからと、イラク、ネパール、ソマリア沖、さらには、イスラエルとシリアの間にあるゴラン高原にさえも、自衛隊は部隊の展開が可能となった。その都度、平和維持や復興の任務のために日本軍は配備された。





安倍晋三氏は憲法に挑む



安倍晋三首相は、憲法をめぐるこうした偽善に挑むことにした。保守派の安倍首相は、この方向に向けた講演を増やしている。「日本が帰ってきた」と、彼は2月にワシントンで宣言し、経済の問題と同様に安全保障の問題に言及した。2012年、彼は「日本の国土と海、そして、国民の生命は、どれだけの対価を払おうとも守る」と約束している。特に、安倍晋三氏は憲法改正の達成を、こうした改革が不人気であるにもかかわらず、「使命」として定めた。



「これがすぐに行われることはないだろう」と、国立東洋言語文化研究所の准教授で、日本の政治・防衛の専門家であるギブール・ドラモット氏は考える。「この動きは第2次世界大戦終結以後ずっと続いていた。装備と予算の継続については進歩が見られる。1990年代の景気後退のために、この分野で低迷があった。」彼女にとっては、実際には憲法改正よりも、国家安全保障会議の創設と、米軍との協力を大幅に拡大するための機密保護の強化が、安倍晋三氏の軍事政策において本当に目新しい点だ。



ただ、国民が概してかなりの平和主義者だとしても、安倍晋三氏がその出自の中に、伝統的な歴史の遺産を背負っていることは歴然としている。外相の息子であり、日本が占領した中国領満州再編の参画者でもあった首相の孫でもある安倍氏は、帝国主義的な征服者という過去に再び繋がりたいと考えているように思える。今年4月、安倍氏靖国参拝に諸メディアは警告を発した。戦争の英霊たちを祀ったこのモニュメントには、戦争犯罪を犯した何人もの将校が受け入れられている。彼はまた、米国国務長官と会見する前に、1945年に海兵隊が上陸した時に戦死した「英霊」たちに敬意を示すために、硫黄島を訪ねることをも躊躇わなかった



「かつての兵士たちの票」を得る手段だと、ギブール・ドラモット氏は確言する。「防衛政策の分野では、彼らの課題は完全に正当なものだ。中国はこの地域で挑発の頻度を増している!」一方、エドゥアル・フィムラン氏は「安倍晋三氏がこの分野で世論に先行していることは確かだ」と認めている。「彼は憲法改正を、自己主張できる地域大国としての日本の復活に結びつけている。」





航空自衛隊松島基地。晴れの舞台で、日本のパイロットたちは所属部隊ごとに飛行機の翼に絵を描いていた。これは侍だが、猛禽、星などもあった。

Flickr/Sushio






軍が人気を得はじめる時



それというのも、日本国民が概してかなりの平和主義者だとしても、中国が脅威であるという認識は影響力を得ている。それと時を合わせるように、自衛隊は人気を獲得した。あの大災害があった時、その対応に参加したことが自衛隊に有利に作用している。福島に大損害を与えた津波に直面して、住民を支援するために自衛隊の半数が展開された。



「それまでは、軍と係わることはほぼ恥ずべきことだった」とエドゥアール・フィムラン氏は指摘する。「人々がそれを自慢することはなかった。今では、制服を着ることが誇りであることは確かだ。」スクランブルの増加に直面して、自衛官からも同じような発言が聞かれる。つまり彼らは、日本の人々を守るという任務を全うしたいとの意識を抱いている。「採用についての問題は減少している」と、その研究者は続けた。「この10年で事態は進展している。」



それでも、日本軍が今後も様々な紛争に、言葉通りの攻撃的な方法で介入する可能性はほとんどないだろう。「私が会った士官の大部分は、軍人というよりもむしろ外交官といった感じだった」と、ギブール・ドラモット氏は語った。余りにも大きな危険を伴うにもかかわらず、それが人道活動でさえも、日本国民の評判は悪い。ただ、250,000人の制服を着る男女にとって、中国に立ち向かうことになるとしても、祖国を守ることは神聖な使命だ。この使命は彼らの戦闘機の翼に描かれた絵が、非常に象徴的に示している。そのサムライの姿などに…。







もっとよく知るために


  • Le retour du Soleil levant, la nouvelle ascension militaire du Japon. Edouard Pflimlin. Editions Ellipses.

(『日出ずる国の復活、再び軍事的に台頭する日本』エドゥアル・フィムラン著。エリプス社発行。)


  • La politique de défense du Japon. Guibourg Delamotte. Editions PUF.

(『日本の防衛政策』ギブール・ドラモット著。PUF社発行。)





タグ:中国 - 防衛 - 米国 - 日本 - 安倍晋三







(投稿者より)



RFIサイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。



訳がこなれていないと思います。読みづらい箇所は改めてご容赦願います。特に、松島基地の写真の説明、「晴れの舞台で」"lors de les grandes occasions"としておきましたが、"grandes occasions"(大いなる機会)が何のことか分からず、グーグル検索すると、ヒットしたサイトから中古車の写真がたくさん出てくるので、どうしようもなくなり「英辞郎」(英語のオンライン辞書)で"grand occasion"を検索すると「晴れの場所」という言葉が出てきたので、それを参考にしました。おそらく、基地一般開放のイベントだと思いますが、それ以上の確認ができません。ただ、「武人には戦場こそ晴れの舞台」ではないはずです。



「日本軍」"L'armée japonaise" 「駆逐艦」"Destroyer" 、日本で正式に使っている呼称ではありませんが、そう書いてありますから仕方ありません。「自衛隊」"Les Forces d'autodéfense"が別の場所で正しく使われていますから、他に書きようがありませんでした。



「国際関係戦略研究所」"l'Iris" ("l'Institut de Relations Internationales et Stratégiques"の略)、「欧州未来安全保障研究所」"l'IPSE" ("l'Institut Prospevtive et Securité en Europe"の略)で良いと思うのですが、自信がないので、何かの都合でこれをご利用になる方は、ご自身でも確認してくださるようお願いします。特に、IPSEはウェブサイトを見つけることができませんでした。



必ずしも過去の帝国主義日本を許したわけでない。安倍氏の復古的な意識にも疑念がある。しかし、日本の自衛隊は既に世界で平和維持活動に参加しており、3.11の復興支援を通じて国民の間にも存在感を示している。そして隊員たちは、軍国日本の先兵でなく、国民を守る使命を持つ者としての自負を抱いている。その辺りをきちんと見て、書いてくれていると思います。