「12年目のフクシマ:汚染水管理の問題と原子力支持の上昇」(RFI・France24 English)

「12年目のフクシマ:汚染水管理の問題と原子力支持の上昇」(RFI・France24 English)









(Fukushima: douze ans après la catastrophe, la difficile gestion des eaux contaminées)

https://www.rfi.fr/fr/asie-pacifique/20230311-fukushima-douze-ans-apr%C3%A8s-la-catastrophe-la-difficile-gestion-des-eaux-contamin%C3%A9es





フクシマ:震災から12年、汚染水管理の難しさ





発表 2023年3月11日 09:03







尚も放射能の残る処理済み廃水が入る福島第一原発のタンク。AP - Mari Yamaguchi





RFI






3月11日土曜日、日本は2011年3月11日の三重災害から12周年を迎える。この地震は世界で記録された中で最も激しい地震の1つが致命的な津波を引き起こし、福島の原子力災害をもたらした。





毎年のように、14 時46分 (協定世界時05時46分) に1分間の黙祷が捧げられた。12 年前の同じ時刻にマグニチュード9の地震が列島全体を揺るがした。揺れは遠く中国でも感じられた。



日本の東北沖の太平洋の地下深くで発生した恐ろしい地震津波を引き起こした。その波は時には建物と同じ高さになって地域を打ち壊した。18,500人近くの死者・行方不明者というこの大災害による重大な人的被害の主な原因はこの津波だ。



これに続き、大波に見舞われた福島第一原発原子力事故が発生した。原子炉6基のうち3基の炉心が溶融して何万人もの人々が避難を余儀なくされ、地元の全域で何年にも亘り人が住めなくなった。



福島県の面積の12%に当たる1,650平方km以上の範囲で、災害に続く数ヵ月に立ち入りが禁止された。その後の懸命な除染作業により、これらの居住不能区域は県域の2.4%に当たる337平方kmに減少した。





汚染水の太平洋への放出



1月中旬、日本の司法は福島原発の事業者・東電の元幹部3人の無罪判決を維持した。この大災害のことで刑事裁判に掛けられた個人は彼らだけだが、彼らは2011年の事故の過失について無罪判決を受けていた。発電所の除染と解体の作業は、更に数十年続く予定だ。



重要なポイントの1つは、発電所の敷地に蓄積された100万トンを超える汚染水の管理だ。この水は、雨、地下水、原子炉の炉心を冷やすために必要な注水に由来する。この水は処理済みだがトリチウムは除去できなかった。これは、濃縮された非常に高い線量のために人体に危険を及ぼす放射性核種だ。



日本政府は今年から、この水を太平洋に少しずつ放出することを始める意向を再確認した。この事業は論争の的になっているが、これと日本の原子力規制当局を監督する国際原子力機関IAEA)からは賛成の意見を得ている。





(参考 AFP)





►これも聞く:福島: 汚染水を太平洋に放出する事業をめぐる論争





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(Fukushima disaster: Japan marks 12 years since deadly tsunami as support grows for nuclear power: FRANCE24 English)

https://www.france24.com/en/asia-pacific/20230311-japan-mourns-victims-of-2011-fukushima-disaster-as-support-grows-for-nuclear-power





福島の大災害:原発への支持が高まる中、日本は致命的な津波から12年を迎える





発表 2023年3月11日17:05・更新 2023年3月11日17:21







2023年3月11日、岩手県陸前高田市で2011年の津波の犠牲者を追悼するため、1分間の黙祷が捧げられた。AP





文:ニュースワイヤーズ






土曜日、日本国民は福島の大災害の引き金となった致命的な津波の記念日に涙を流しながら祈りを捧げたが、2011年のメルトダウンの記憶が薄れるにつれ、原子力に対する国民の支持が高まっている。





12 年前にマグニチュード9.0地震―記録に残る地球の歴史上4番目に強い地震―が東北日本を荒廃させたのと正に同じ瞬間の午後2時46分(グリニッジ標準時05時46分)に全国各地で1 分間の黙祷が捧げられた。



海底地震が引き起こした津波が約18,500人が死者・行方不明者を出した。また、福島第一原発の冷却装置を破壊し、チェルノブイリ以来最悪の原子力災害をもたらした。



この大災害を受けて日本の原子炉は全て停止し、その大部分は現在も運転を再開していない。



しかし、ウクライナでの戦争によって引き起こされた世界的なエネルギー危機により、日本では電気代が急騰し、原子力発電に対する一般国民の見方が和らぎつつあることを世論調査が示す中で、政府は原子炉の再起動を後押ししている。



土曜日、テレビの映像は、津波愛する人を失った人々が花を供え、祈りを捧げ、墓の前で頭を垂れる様子を映した。



公共放送局NHKは、スガワラ・フミコさん(73)が夫を含む家族の墓前で「皆さん、12年が経ちましたよ」と語った。



「私たちは生き延びているので、見守って下さい」と、押し寄せる巨大な波に打ち倒された都市・気仙沼のこの住民は述べた。



原発事故を直接の原因とする死亡者は無いと考えられているが、その後、約16万5,000 人が自発的に、または避難指示により、この区域の自宅から避難した。



その後、大規模な除染作業を経て原発周辺の大部分の区域は安全を宣言されたが、多くの元住民は帰還しないことを選んだ。



日本は現在この数十年で最も深刻なエネルギー不足に直面しており、政府は原子力産業の復活を加速させたいと考えている。





民意の変化



岸田文雄首相は、日本の原子力安全監視機関から承認を受けた原子炉7基の運転再開と、新しい安全機構を備えた「次世代」原子炉の建設を国民が検討することを求めた。



主要紙である朝日新聞・読売新聞の最近の世論調査によると、2011年以来初めて原子炉の再開を支持する人が過半数を示した。



「政府は今後も、福島第一原発の安全で着実な廃止措置に向けた取り組みの先頭に立って行く。この過程は復興に不可欠だ」と、岸田氏は震災の追悼式典で述べた。



「災害に強い国づくりを推進するのは私たちの責務だ。」



安全上の逸脱により地域社会を混乱させたとして福島原発の事業者・東電を非難する活動家たちの間で、原子力に対する不信感はいまなお根強い。







[2021.3.12]





1月、東京高裁は東電元役員3人の無罪判決を支持し、大災害に関する業務上の過失について再び無実を示した。



しかし、昨年の別の民事訴訟の判決では、この3人ともう 1人の元役員は、事故を防げなかったとして13 兆3000 億円(970 億ドル)もの支払いを命じられた。



この巨額の賠償金は日本の民事訴訟としては今までの最高額と考えられているが、弁護士は被告の支払い能力を遥かに超える額であることを認めている。



また、政府は今年、被災した福島原発から100万トンを超える処理水の海への放出を始めることを計画している。



地下水・この区域に染み込んだ雨水・冷却水などの混じった水は、濾過により様々な放射性核種を除去した後に敷地内の貯蔵タンクに保管しているが、空間が無くなりつつある。







[2021.8.26]





放水計画は国際原子力機関の承認済みだが、地元の漁民たちや近隣諸国からの強い抵抗に直面している。





(AFP)





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(投稿者より)



ウクライナの戦争から1年が経ちますが、年明けから相次いで発表された電気料金高騰のニュース、石油メジャーが空前の好業績を上げたニュース、東電元幹部への無罪判決支持のニュース、そして、政府の原発回帰への方向転換のニュースを、胸の潰れる思いで見ています。ただ、これらの動きがこのまま上手く運ぶとも思えません。



震災から12年、改めて震災の犠牲になられた方々の御冥福をお祈りいたします。併せて、被災された皆様が安寧を取り戻しますよう、特に、「原子力村」の利権を守るために被害を過小評価するという政府の方針の下で、地元の同調圧力を撥ね除けて子供の手を引いて移住を決意なさった親御様方の御苦労が報われますよう、願っております。