「福島原発の廃水海洋放出をめぐる近隣諸国の不安」(RFI English・中国国際放送局)

福島原発の廃水海洋放出をめぐる近隣諸国の不安」(RFI English・中国国際放送局









(Japan forges ahead with plan to release Fukushima wastewater into sea: RFI English)

https://www.rfi.fr/en/international/20230215-japan-forges-ahead-with-plan-to-release-fukushima-wastewater-into-sea





日本は福島の廃水を海に放出する計画を進めている





発表 2023年2月15日16:29 更新 2023年2月15日 16:51







東京電力福島第一原子力発電所の汚染水貯蔵タンク。AFP - PHILIP FONG





RFI





大規模な地震津波によって引き起こされた原子力災害からほぼ12年が経ち、日本の東北部にある福島第一原子力発電所の作業員たちは、処理済みの廃水を海に放出する準備をしている。





国内では3月11日の記念日を迎える準備が行われているが、現場を運営する東電放射性元素の大部分を除去するために水を濾過したと述べている。



同社は、水の放出は安全でありかつ必要なことだと述べているが、国の内外から反対が上がっている。



特に漁業関係者たちは更なる風評被害を恐れている。



中国や韓国などの近隣諸国、グリーンピースなどの活動家団体、一部の地元住民は放出に強く反対している。





処理済みの水



100万トンを超える処理済みの水が発電所のタンクに貯蔵されている。発電所では、2011 年の海底地震によって引き起こされた津波チェルノブイリ以来の世界最悪の原子力事故を引き起こした。



津波により発電所予備電源の供給が失われ、その結果として福島の原子炉3基でメルトダウンが発生した。



話を現在に戻すと、現場では100,000リットルの汚染水が生成される。これは汚染された地下水・海水・雨水・使用済冷却水が混じったものだ。



水の貯蔵空間は無くなりつつあり、国際原子力機関IAEA)はこの放出計画を支持している。









水には依然として放射性トリチウムが含まれているが、これは政府・発電所関係者・IAEAが安全だと述べる水準だ。水は希釈されてから全長1kmの配管を通って数十年間を掛けて放出されるからだ。



水は殆どの放射性核種を除去するために濾過されており、2月時点で132万トンを超える処理済みの水が福島に貯蔵されていた。



これは貯蔵容量の96%を占めるため、東京電力は直ぐに水の放出を始めたいと強く望んでいる。



放流は春か夏に始まる予定だが、日本の当局者たちは地下での長期貯蔵や蒸発処理などの他の選択肢を除外している。





(参考 AFP)





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中国国際放送局

https://japanese.cri.cn/2023/02/28/ARTIjyRLOsbq3PKatmuap6ef230228.shtml





【CRI時評】放射能汚染水の海洋放出計画は日本の私事ではない





2023-02-28 11:42:08 CRI





西村康稔経済産業相は25日、放射能汚染水の海洋放出計画を巡り、福島県いわき市で説明会を開催した。人々が計画に同意したかをどのような基準で判断するかという報道機関の質問に対し「特定の指標はない」と答え、世論は騒然となった。











日本政府が2年前の4月、福島の放射能汚染水の海洋放出を23年春をめどに開始する方針を発表すると、国内外から疑問と反対の声が上がった。日本は22年7月、国際原子力機関IAEA)の技術作業グループによる審査と評価が行われている中で、放射能汚染水の海洋放出計画を正式に認可した。今年1月には、IAEAの技術作業グループが審査のために訪日する直前に海洋放出の時期について「春から夏ごろを見込む」と一方的に示した。それ以来、放射能汚染水を貯蔵する大型タンクのコンクリート化など関連施設の建設を加速し、既成事実化しようとしている。これらは、関係する国際機関の権威を損なうだけでなく日本国民や国際社会に対しても極めて無責任な行為だ。



韓国の海洋科学技術院と原子力研究院がこのほど発表した最新の研究結果によると、日本の東側に位置する福島沖から放出される放射能汚染水中のトリチウムは、強い黒潮海流によってほとんどが東に移動し、10年後に北太平洋全体に拡散する。国際的な環境保護団体グリーンピース日本事務所の原子力専門家、ショーン・バーニー氏は、福島の放射能汚染水にはトリチウム以外にも、半減期が5000年を超える炭素14など、福島原発の既存の技術では除去できない多くの放射性物質が含まれており、放射能汚染水の海洋放出を巡る日本政府の主張は信用できないと指摘している。IAEAの技術作業グループが昨年発表した評価報告書も、日本の海洋放出計画にはIAEAの安全基準に合致しない点があるとしている。



先ごろ開催された太平洋諸島フォーラムPIF)の非公式特別首脳会議でも、各国の指導者が日本の放射能汚染水海洋放出計画について改めて強烈な反対を表明し、同計画は日本の私事ではなく南太平洋の島国を含む世界に影響を及ぼす重要な事件だとの見方を示し、日本は科学とデータを同計画の指針とすべきだとした。



日本政府は、こうした国内外からの疑問と反対の声に対し、悔い改めることを知らないばかりか、他国を味方に引き込んで是認させようとさえしている。共同通信の22日付報道によると、日本政府はある計画を推進中で、5月に開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)の共同声明に「福島の放射能汚染水の海洋放出は人体と環境に影響がないだけでなく、透明性のある処理方式は歓迎に値する」との表現を盛り込もうとしている。日本の大手メディアはみな、それが「全く成り立たない」ものであることを認めており、共同通信も、放射能汚染水の海洋放出計画は中国や韓国などが懸念を示し、国内でも反対が強く、G7内部でも合意に達するのは困難で、最終的に書き込むのは厳しいとの見方が出ていると認めている。



海洋は世界各国が生存し発展していくための基盤だ。国連海洋法条約の締約国である日本には、海洋環境を保護する責任と義務がある。日本が放射能汚染水の海洋放出に固執するなら、国際社会は法的手段を通じて共通の利益を守るために共同で行動するべきだ。全世界に尻拭いをさせようとする日本の信用はとっくに失われており、歴史的罪人に成り下がることになるだろう。(CRI論説員)







―参考―











(投稿者より)



「放流は春か夏に始まる予定だが、日本の当局者たちは地下での長期貯蔵や蒸発処理などの他の選択肢を除外している。」"The discharge is due to begin in the spring or summer, with Japanese officials ruling out other options such as long-term storage underground or evaporation." "evaporation" ここでは「蒸発処理」としましたが、水分を蒸発させると液体は濃縮します。相応の技術は必要でしょうが、処理した分はタンクが空きます。



トリチウムの分離についても実用化に向けた研究が進んでいるようですが、処理水に残留する放射性核種はトリチウムだけで無いとも聞いています。政府は基準値まで薄める考えですが、要は「面倒だからとっとと海に流そう」ということに思えます。



ただ、今の社会情勢を見るとき、10年前には許されていたことが今は許されないことが多いように思えます。今はIAEAなどの承認が得られていても、10年後に五輪汚職のように海外から司直の捜査が入るとか、太平洋を回遊する自国の鮭や鱒の汚染に対する損害賠償との名目で東電や日本政府に膨大な額の請求書が送り付けられるとかなどの事態が起こることを怖れます。



以下は戯れ言ですが、「ロシアが日本侵攻を計画している」との言説が昨年ネットで流れました。出口王仁三郎が生前そのような予言を残していたらしく、もしそのような事態が起こるなら大義名分は何だろうとずっと考えていましたが、福島原発の処理について日本に当事者能力が無いと認められることがもしあれば、そのような事態が起こり得るのかなと、ちらっと考えたことがあります。