「日本政府、福島第一『処理水』を年内に海洋放出へ トリチウム残る―中国の批判」 (BBC NEWS JAPAN・人民網日本語版)

「日本政府、福島第一『処理水』を年内に海洋放出へ トリチウム残る―中国の批判」 (BBC NEWS JAPAN・人民網日本語版)









(BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/64273002





日本政府、福島第一「処理水」を年内に海洋放出へ トリチウム残る





2023年1月14日





グレイス・ツォイ、BBCニュース







EPA

福島第一原子力発電所廃炉作業は40年かかるとされている






日本政府は13日、東京電力福島第一原発での「処理水」について、今年中に100万トン以上を海に放出する方針を示した。政府や東京電力は、ほとんどの放射性物質の濃度を国の基準より低く薄める「処理」を済ませた水だと説明している。





国際原子力機関IAEA)は、この海洋放出案について安全だとしている。しかし、近隣諸国からは懸念の声が出ている。



2011年3月の福島第一原発事故は、1986年のチェルノブイリウクライナ語ではチョルノービリ)原発事故以来の大規模な原発事故だった。廃炉作業はすでに始まっているが、40年かかる可能性があるとされる。



松野博一官房長官は13日の記者会見で、放出の時期について「本年春から夏頃と見込んで」いると述べ、「IAEAの包括的報告書の発出」を経ての放出にになると見通しを説明した。



福島第一からは1日、100立方メートルの汚染水が発生する。これには地下水、海水、冷却水が含まれる。多核種除去設備(ALPS)でフィルター処理した水が、原発構内のタンクで保管されている。保管される処理水の量は130万トンを超え、保管場所がなくなりつつある。







福島原発事故の「処理水」、海洋放出を正式認可 漁業者は懸念(2022年7月動画)





原発から出る汚染水に含まれるほとんどの放射性物質はALPS処理で取り除かれるものの、東電によると、残るトリチウムの濃度は国の基準を超えている。専門家によると、トリチウムを水から分離して取り除くのはきわめて難しく、人間に危険を及ぼすのは人体に大量に取り込まれた場合のみだという。



日本政府は2021年4月に、処理水の海洋放出方針を決定。近隣諸国や地元の漁業関係者はこれに反対し続けてきた。



地域経済協力機構「太平洋諸島フォーラム」は、日本政府の対応に透明性が欠けていると批判してきた。同フォーラムのヘンリー・プナ事務総長はニュースサイト「Stuff」に対して、「沿岸に暮らす太平洋の人間にとって、海は今なお生活に欠かせない生計を立てる手段だ」と指摘。「2021年の高官級協議で合意した内容を尊重すると日本政府の代表たちは約束したのに、日本はそれに違約している」と批判した。



「放出前に、第三者による科学的な証拠、検証可能な科学的証拠すべてに我々がアクセスできるようにすると合意した。残念ながら、日本は協力していない」と、プナ氏は述べた。





(英語記事 Fukushima nuclear disaster: Japan to release radioactive water into sea this year





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人民網日本語版)

http://j.people.com.cn/n3/2023/0117/c94474-10197001.html





中国、今年春から夏に原発汚染水放出を予定する日本を「無責任」と批判





人民網日本語版 2023年01月17日14:28





中国、今年春から夏に原発汚染水放出を予定する日本を「無責任」と批判











外交部(外務省)の汪文斌報道官は16日の定例記者会見で、日本の原発汚染水海洋放出に関する質問に答えた。



【記者】 報道によると、日本政府は13日、福島第一原子力発電所の処理済み原発汚染水の海洋放出時期について、今年の春から夏ごろを見込むと発表した。これを受け、日本の全国漁業共同組合連合会は改めて反対を表明した。また、韓国外交部も同日、「日本は客観的かつ科学的な角度から、安全かつ国際法と国際基準に合う方法で福島原発汚染水を処理しなければならない」と発表した。この件について中国としてコメントは。



【汪報道官】 この2年間、国際社会は一貫して日本政府が福島原発汚染水の海洋放出という一方的で間違った決定を行ったことに強く疑問を呈し、反対しており、この措置が海洋環境や人々の健康などに及ぼす影響を強く懸念してきた。



しかし、遺憾なことに、各方面の懸念はいまだに日本側からしかるべき重視を受けておらず、解決もされていない。原発汚染水の海洋放出という案の正当性、原発汚染水データの信頼性、浄化装置の有効性、環境への影響の不確実性といった問題において、日本はいまだに科学的で信頼できる説明を行っていない。国際原子力機関IAEA)のタスクフォースは日本を3回にわたって訪問して実地視察と評価を行ったものの、日本の処理案の安全性について結論を出していないうえに、日本側に対し多くの明確化要求と修正意見を出している。このような状況下で、日本が原発汚染水海洋放出案の承認と海洋放出のための設備工事を強行することは、非常に無責任なやり方だ。



我々は改めて日本に対し、各方面の合理的な懸念を正視し、科学的でオープンな、透明かつ安全な方法で原発汚染水を処理し、IAEAの厳格な監督を受け入れ、海洋環境と各国の人々の健康権を適切に守るよう促す。周辺国や隣国などステークホルダーと関連国際機関との十分な協議を行う前に、日本は原発汚染水の海洋放出を勝手に始めるべきではない。(編集AK)



人民網日本語版」2023年1月17日







※2022.1.17 内容を追加し、併せてタイトルを変更しました。