連邦首相の新年の挨拶 (ドイツ連邦首相府)[2022.12.31]

連邦首相の新年の挨拶 (ドイツ連邦首相府)[2022.12.31]









(The Federal Chancellor's New Year's address: The Federal Chancellor)

https://www.bundeskanzler.de/bk-en/news/new-years-address-2155706





連邦首相の新年の挨拶





2022年はロシアのウクライナ攻撃に特徴づけられた困難な年だった。しかし、結束と力強さもこの年の特徴だった。オラフ・シュルツ連邦首相が新年の挨拶で述べた言葉は次のようなものだ。「私たちが歩き始めた道を勇気と自信を持って歩き続けましょう」と、首相は述べる。「皆様にとって新年が良い年になりますように!」





2022年12月31日土曜日





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2022年12月31日、オラフ・シュルツ連邦首相が2022年から2023年への変わり目にベルリンで行った新年の挨拶





親愛なる市民の皆さん、



今夜、困難な年が終わります。



2月24日の夜明けの光の中、最初のロシアのロケット弾がキーウ・ハルキウ・オデーサ・その他のウクライナの都市を襲った画像を抜きにして、今年を締め括ることは出来ません。



プーチン氏はヨーロッパの中心で帝国主義侵略戦争を繰り広げています。



この転換の時は、私たちや私たちの国にも試練を与えています。



多くの人が戦争を心配しています。私たちは、今日のような日でさえロシアの爆弾やロケットのために平穏を得られずにいるウクライナの人々の気持ちを察しています。



私たちの誰もが日常生活の中で、スーパーやガソリンスタンドで買い物をする時や、電気代やガス代を支払う時に、この戦争の影響を感じています。



しかし、2022年の物語は、戦争・苦しみ・心配だけのものではありません.



プーチン氏は結局、計画どおりに数日間でウクライナを制圧することが出来ませんでした。



それどころか、ウクライナ人は祖国を勇敢に守っています。私たちの支援がこれにいくらか役立っています。そして、私たちは今後もウクライナを支援して行きます。



欧州連合NATOは、過去の多くの危機の時のようには分断していません。彼らはかつてない程に結束しています。



• 更に、この夏にロシアがガスを止めた時、私たちドイツは屈服しませんでした。私たちは恐喝を拒否したからです。



親愛なる市民の皆さんや私にとって、これも2022年の実に驚くべき物語です。



これは結束と力強さ、そして、そう、自信についての物語です。



私たちの国の至る所で、皆さん全てがこの物語を書くのをお手伝い下さいました。



例えば、北海のヴィルヘルムスハーフェン。



2週間前に「ヘーグ・エスペランサ」がそこに係留されました。これは、将来液体ガスを供給する浮体式ターミナルです。



私たちの国の技術者と熟練労働者は、200日足らずでこの新しいターミナルとこれに必要なパイプラインを建造しました。



これに続いてルブミン・シュターデ・ブルンスビュッテルで、今後数週間から数ヵ月の間に液化ガスターミナルが運用を始めます。



これらの取り組みにより、私たちの国と欧州はロシアのガスから持続的な影響を受けずに済むようになります。



そして、私たちはこの冬を乗り切ろうとしていますが、これもまた、貯蔵施設に十分な備蓄があり、また、私たちがこの数ヵ月間に一緒にエネルギーの節約に取り組んできたお蔭です。



今後数ヵ月間、これは大切なことであり続けます。



今日はこのことに心からの感謝を申し上げます!



2022 年の物語は、私たちが他者を助けるために立ち上がるこの国について語っています。



全国の至る所で2,900 万人のボランティアが働いています。



皆さんの多くが計り知れない程の思い遣りと気配りでウクライナからの難民を迎えました。



ケルンで、私はウクライナの戦争難民を世話している男女の方々に会いました。当時、新しいの到着者の中に女子サッカーチームの団体があり、その一部の方々は子供たちと一緒でした。これらの女性は自分の持ち物をウクライナに置いて来なければ成らなかっただけで無く、夫・恋人・父親・兄弟からも引き離されました。



このような緊急の時に助けの手を差し伸べることが私たちの特質です。それは私たちの国をより人道的な国にします。



例えば、警察・連邦軍・消防救急隊の方々など、私たちの安全のために尽力する方々も、この転換の時に私たちの国の物語を書いています。



リューネブルク原野にあるベルゲンの軍事訓練場で、私は兵士たちが私たちの国・友好国・同盟国をあらゆる脅威から守るために誠実に訓練している姿を見ました。この点で、彼らは最大限の敬意と感謝に値します。



2022 年、私はイノベーションの国としてのドイツを体験しました。



• 例えば、ラウジッツのシュヴァルツハイデでは、現地の若い熟練労働者や技術者が、古いバッテリーを電気自動車で使うためにリサイクルする方法について私に熱心に教えてくれました。



• また、ヘッセン州北部の小さな町アレンドルフでは、次の世代のクリーンな未来のために、現地の技術者がここドイツで最新の高効率な空気熱利用ヒートポンプを開発しています。



• また、私はこのような装置を組み立て、設置する全ての人々のことを考えています。職人・電子技術者・煙突掃除人・設置技術者など、私はミュンヘンで彼らの何人かに会いました。



彼らは「私たちは気候保護とエネルギー転換に関する問題を解決する者です」と、私に言いました。



そして、それは真実です!



彼らもまた仕事によって、私たちの国に明るい未来があることを保証しています。





親愛なる市民の皆さん、



ミュンヘンやアレンドルフのような場所、ケルンやシュヴァルツハイデ、ベルゲンやヴィルヘルムスハーフェンのような場所は、私たちの国の至る所にあります。



人々が真剣に、そして、心を込めて働く所です。



皆が協力し合う所です。



そして、人々が団結し、お互いのためにいる所です。それは、クラブや草の根のグループ、ボランティアの消防団、病院や介護施設、学校や託児所、村や町のお祭りなどです。



それがこの新年が始まるドイツです!



力強い国。



元気で安全な未来に向けて、熱意とスピードを持って取り組む国。



特に困難な時期に力を合わせる国。



都会と農村の区別が無く、老人と若者の区別も無く、裕福かそうで無いかの区別も無く、ここで生まれた人か後から入って来た人かの区別も無く、誰も置き去りにしない国。



そのため、ドイツの誰もが物価の上昇に対処できるよう、昨年、大規模な包括的救済策をまとめました。



明日の元旦に、更なる変更が施行されます。



-全ての低所得勤労者や少額年金生活者を支援する住宅給付。



-ドイツの家庭の経済を支援するための児童手当の大幅な引き上げと児童補助金の引き上げ。



-日々私たちの国で働き、努力する多くの人々のための総額190億ユーロの減税。



-最後に、電気・ガス・地域暖房の料金に対する上限の設定。



親愛なる市民の皆さん、



私たちの結束は私たちの最大の資産です。



だからこそ、この新しい年の初めに1つのことをお願いします。



私たちが去年に歩き始めた道を歩き続けましょう!



勇気を持って歩き続けましょう!



何よりも、ミュンヘンからヴィルヘルムスハーフェンまで、ラウジッツのシュヴァルツハイデからラインラントのケルンまで、来年も団結を続けましょう!



今夜、古い年にお別れをして、恐らく家族や友人と一緒に新しい年の乾杯をする場所ではどこでもです。



この新年が皆さんにとって良い年になることを心から願っています!