「バイデン氏、台湾の防衛を明言、両岸の反応」(BBC NEWS JAPAN・フォーカス台湾・人民網日本語版)

「バイデン氏、台湾の防衛を明言、両岸の反応」(BBC NEWS JAPAN・フォーカス台湾・人民網日本語版)









(BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/61553810





バイデン氏、台湾の防衛を明言 米方針に変化か





2022年5月23日





テッサ・ウォン、BBCニュース







Reuters

バイデン米大統領は中国による台湾侵攻の可能性について、ウクライナ情勢になぞらえて語った






ジョー・バイデン米大統領は23日、日本での記者会見で、中国が台湾をめぐって「危険をもてあそんでいる」と警告するとともに、台湾が攻撃された場合は防衛のために軍事介入すると明言した。



バイデン氏は、米大統領になって初めてアジアを歴訪中で、地域の同盟国を訪れている。この日は東京で岸田文雄首相と会談した後、共同記者会見に臨んだ。



バイデン氏は東アジア地域の問題をめぐり、アメリカの長年の政策と矛盾する方針を示したように見えた。だが、ホワイトハウスは、これまでの政策から離れたわけではないと主張した。



バイデン氏はまた、台湾と、ロシアによるウクライナ侵攻を並列に置いた。中国はこれに怒り、強く非難した。



中国は台湾を、本土と再統一されなければならない分離された省とみなしている。





バイデン氏の発言



バイデン氏は会見で、中国と台湾の状況を、ロシアによるウクライナ侵攻と直接結びつけて発言。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領について、「ウクライナアイデンティティーを消滅」させようとしていると述べた。



そして、ウクライナとロシアが最終的に和解し、制裁が続かなかった場合には、「台湾を武力で奪おうとすることの代償について、中国にどのようなシグナルを送るのか」と述べた。



また、中国軍機が台湾の防空識別圏に侵入したとの報告が増えていることに関し、「中国軍機は現在、すぐそばを飛行し、あらゆる演習を行っており、すでに危険をもてあそんでいる」とした。



さらに、「それ(中国による侵攻)は起こらないし、試みられることもないだろうと予想している」とした。しかし同時に、「その種の行動が長期的な不支持につながることを、世界がどれだけ強く明確に示すか」にかかっていると付け加えた。







Getty Images

中国軍機は台湾が設定する防空識別圏内を繰り返し飛行している






ロシアによるウクライナ侵攻では軍事行動はしなかったのに、中国が台湾を侵攻した場合は軍事的に台湾を守るのかと単刀直入に聞かれると、バイデン氏は、「そうだ(中略)それが私たちの約束だ」と答えた。



「武力で奪うことができるという考えは(中略)単純に適切ではない。それは地域全体を混乱させ、ウクライナで起きたのと似たような行動となるだろう」



ただバイデン氏は、アメリカの台湾政策は「変わっていない」と前置きした。ホワイトハウス報道官は素早く、この部分を強調した。





アメリカの曖昧戦略



中国が攻撃してきた場合、米国は台湾を守るとバイデン氏が明確にしたのは、ここ数カ月で2回目。米政権のトーンが変わったと見られている。



アメリカは中国と台湾の問題について、「戦略的曖昧さ」として知られる政策を取っている。これまでは、台湾侵攻のような状況でどのような対応をするか曖昧にしてきた。



アメリカは、台湾と正式な外交関係はないものの、兵器を輸出している。一方で中国とは正式な外交関係を維持しており、中国政府は1つしかないとする中国の「1つの中国」の立場を認めている。



中国外務省の汪文斌報道官は、「台湾は中国の不可分の領土だ」とし、譲歩の余地はないと主張。



「台湾問題とウクライナ問題は根本的に違う。それらを比較するのはばかげている。中国はアメリカに対し、『1つの中国』の原則を守るよう再度強く要求する」と述べた。







戦闘機の飛来、台湾「統一」……緊張高まる中台関係をBBC司会者が解説





(英語記事 Biden vows to defend Taiwan in apparent US shift





関連トピックス 台湾 外交 アメリカ ジョー・バイデン 中国 米中関係 軍隊 日本 アジア











(フォーカス台湾)

https://japan.focustaiwan.tw/politics/202205230007





政治





バイデン氏、台湾有事の軍事関与は「約束」 海峡の平和と安定支持





2022/05/23 19:09







会談後、共同記者会見に臨むバイデン米大統領(23日午後、東京・元赤坂の迎賓館)=中央社記者楊明珠撮影





台北中央社)日本を訪問中のバイデン米大統領は23日、岸田文雄首相との会談後に開いた共同記者会見で、台湾海峡の平和と安定を支持する姿勢を示した。また、台湾有事の際、軍事的に関与するかとの質問に「イエス。それが私たちの約束だ」と答えた。



バイデン氏は、米国が「一つの中国」政策を取っていることに言及しつつ、「力によって奪えるという考えは適切ではない」と指摘した。





ホワイトハウス「台湾政策に変更なし」



ホワイトハウスは記者会見後、バイデン氏の発言について「台湾に関する政策に変更はない」と釈明した。米国の「一つの中国」政策と、台湾海峡の安定と平和への関与を改めて示したものだとし、「台湾関係法にのっとり、防衛に必要な軍事的手段を台湾に提供する約束についても確認した」と説明した。





▽外交部「心からの歓迎と感謝」表明



外交部(外務省)は「バイデン大統領と米国政府が、台湾との約束が盤石だと改めて示したことに心からの歓迎と感謝を表明する」とコメントした。







共同記者会見に臨むバイデン米大統領(左)と岸田文雄首相(右)=23日午後、東京・元赤坂の迎賓館、中央社記者楊明珠撮影





また、日米首脳が共同声明で、台湾海峡の平和と安定の重要性を「国際社会の平和と繁栄に必要不可欠な要素」と位置付けたことについても歓迎し、「米国政府と日本政府が台湾海峡の平和と安定を重要視し続けていることに感謝する」とした。



外交部は、今回の日米首脳会談によって台湾海峡の平和と安定の維持が国際的な共通認識となっていることが改めて示されたと言及。台湾はインド太平洋地域の一員として、民主主義や自由、人権、法の支配などの普遍的な価値観を堅持し続けるとし、米国や日本など理念の近い国々との協力を深化させていく立場を強調した。





(黄雅詩/編集:楊千慧)





> 中国語関連記事











(人民網日本語版)

http://j.people.com.cn/n3/2022/0525/c94474-10101301.html





日米首脳共同声明、外交部「中国への内政干渉は断じて許さず」





人民網日本語版 2022年05月25日15:01











日米首脳会談と日米首脳共同声明における中国関連の議題について、外交部(外務省)の汪文斌報道官は24日の定例記者会見で、「日米は中国と地域諸国の重大な懸念を顧みず、執拗に中国関連の議題を取り上げ、中国を非難し、中傷し、中国の内政に粗暴に干渉し、国際法と国際関係の基本準則に違反し、中国の主権・安全保障・発展上の利益を損なった。中国はこれに強い不満と断固たる反対を表明する。すでに厳正な申し入れを行った」と表明した。



汪報道官は「国家の主権・安全保障・発展上の利益を守る中国の決意と意志は盤石だ。台湾地区問題は中国の主権及び領土的一体性に関わり、中国の核心的利益に関わる。『台湾カード』を切り『台湾を利用して中国を牽制する』いかなる国や勢力の企てに対しても、中国は断固たる力強い対抗を行う。中国は釣魚島及びその附属島嶼(日本名・尖閣諸島)に対して争う余地のない主権を有しており、関連海域での中国側の活動は完全に正当かつ合法だ。地域の平和と安定にとって真の脅威は、日米が事実と真相を歪曲し、関連問題の歴史的経緯を無視し、中国の領土主権を深刻に損ない、国際法と国際関係の基本準則への重大な違反を犯していることだ」と強調。



「アジア太平洋各国の人々は、苦労して得た平和的発展の環境を大切にしており、この地域で動乱や戦乱を再演することは断じて許さず、軍事ブロックや対立を持ち込むことも断じて許さない。米国が『自由で開かれたインド太平洋』を旗印に『インド太平洋戦略』を仕立て上げ、徒党を組んで政治的対立と軍事的対抗を作り出すことは、本質的に歴史を逆行させるものであり、地域の平和と安定を惨禍と動乱に変えるだけであり、失敗する運命にある」とした。



汪報道官はまた「近代における軍国主義的侵略・植民地支配という歴史的原因から、アジア近隣諸国と国際社会は軍事・安全保障面での日本の動向を強く注視し続けている。日本はすでに10年続けて国防費を増額しているうえ、頻繁に周辺諸国を問題にして騒ぎ立て、軍事力拡大の口実を探している。日本は長年にわたり、実際の必要を上回る大量の機微な核物質を貯蔵し、米国の『核の傘』を享受するために、米国による核先制不使用政策の採用を極力妨害してきたうえ、最近では自国の『非核三原則』に背く危険な声も上げ続けており、アジア近隣諸国と国際社会は日本の安全保障政策に強い疑問を抱かざるを得ない。日本は平和的発展路線を堅持し、引き続き軍事・安全保障分野で言動を慎むべきだ。これこそが正しい道であり、こうしてこそ歴史の覆轍を踏むことを避けられる」と指摘。



「中国はいかなる国が中国の内政に干渉し、中国の利益を損ない、中国のイメージを毀損することも断じて許さず、自らの主権・安全保障・発展上の利益を守り、アジア太平洋地域の平和・安定と永続的繁栄の維持に尽力する」とした。(編集NA)





人民網日本語版」2022年5月25日