日本:岸田文雄氏・新首相・コンセンサスの人 (RFI)

日本:岸田文雄氏・新首相・コンセンサスの人 (RFI)









(Japon: Fumio Kishida, nouveau Premier ministre, un homme de consensus: RFI)

https://www.rfi.fr/fr/asie-pacifique/20211004-japon-fumio-kishida-nouveau-premier-ministre-un-homme-de-consensus





日本:岸田文雄氏・新首相・コンセンサスの人





発表 2021年10月4日 09:19・更新 2021年10月4日 10:34







2021年10月4日、岸田文雄元外相は国会から首相に任命された。REUTERS - POOL





RFI






10月4日月曜日、日本の国会は新首相を任命した。与党の保守政党自民党の党首に先週水曜日に選ばれた岸田文雄氏(64)が菅義偉氏の後任となった。時は、11月に予定される総選挙に向けた運動が間もなく始まる。新首相は、これまでの政権が進めていた経済政策やコロナ対策の転換を何も提案していない。これがマーケットの失望を呼び、東京株式市場は複数の場の取引を経て値を下げた。





第2次世界大戦終結の時から日本の政界を支配しているこの保守政党の主要な2派閥、特に安倍晋三[投稿者の和訳元首相の率いる派閥の支持を得て選出された岸田文雄氏は、世界第3位の経済大国の弱い成長と生産性を増大させるための構造改革を何も提案していない。この国もまた、パンデミックの影響を大きく受けているのにだ。そして、G7諸国の中で最も高い政府債務を抑え込むための提案も何もないと、RFI東京特約記者フレデリック・シャルルは報告する。さらに、惨憺たる人口動態を改善する提案も何もない。国は毎年、住民60万人の中規模都市1つに相当する人口を失っているのにだ。



今月末に予定される総選挙に向けて自らの保守政党を導くために、岸田文雄氏は2700億ドル相当の景気刺激策を発表する。東京の投資銀行CLSAのニコラス・スミス氏によれば、18歳を超える全居住者を対象とした家計消費を促すための一定額の資金が、この一環として給付されるかも知れない。





成長戦略は不変



さらに長期的には、新首相は「アベノミクス」を継続することになるだろう。これは、岸田文雄氏が新たな職務に就いたこの保守政党の有力者・安倍晋三元首相が10年前に始めた成長戦略[投稿者の和訳だ。格差を小さくするために、岸田氏は富のより良い分配を目的とした日本的特徴を備えた「新しい資本主義」というアイディアを提唱する。



日本には信頼できる野党がないため、首相職はこの保守政党で継承され政権が維持されている。首相の在任期間は平均2年だ。岸田文雄氏の前任者である菅義偉氏は、パンデミック対応の拙さから1年で退任した。東京では、短期政権の時代の再来を人々が危惧している。安倍晋三氏だけがこの通例から外れた。8年間政権に就いた彼は、全ての在任記録を破ることになった。








♦新首相はどのような政治家か?



ギブール・ドラモット氏(国立東洋言語文化学院日本研究センター准教授・パリ政治学院アジアセンター客員研究員)が読み解く。



2012年から2017年まで外相を務めた岸田文雄氏は、政治家の家系を継ぐ人だ。 広島選出の彼は、代議士だった祖父や父の後を継いで1993年から衆議院議員を務めている。自身の所属する自民党の支持を得て他の2人の首相候補に立ち向かった彼の望むものは結束だ。「私の長所は人々の話を良く聞くことだ」と、選挙運動の際に彼は言っている。



「実際、彼は良好な党内人脈の作り方を心得た人だ」と、インターナショナル・サービスのヘイケ・シュミットのインタビューに答え、ギブール・ドラモット氏は分析する。「彼は実際に優れた聞く力を持っているが、これはそのためだ。また、彼は割とコンセンサスを重んじる人柄なのは確かだ。さらに、彼は党の重鎮たちの支持も得ており、党の要職を歴任している。」



11月の次期総選挙を視野に入れて、彼は富のより良い分配を通した不安定性との戦いを自身の計画に組み込んだ。「その人柄が日本国民の支持を勝ち取り説得できるかどうかを見る必要がある。彼が新しい形態の資本主義と新しい富の分配について語るのは、日本で不平等が拡大したためだ…この計画が本当に実施できるかどうかはまだ分からない」





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中国や米国との関係はどうなるか?



岸田文雄氏は5年間日本外交の「顔」だったので、外国側の彼の話し相手は取っ付き易いだろうと、ギブール・ドラモット氏は述べる。



外相だった2012年から2017年の間、穏健派の彼も中国に対してはどちらかと言えば強硬だった。彼は継続性を訴えるだろうか?そうだと、ギブール・ドラモット氏は考える。「私たちは自由民主主義の路線にいるので、中国や同盟国・米国に対してある程度の継続性はあると思う。彼は選挙運動中、中国に向かって人権問題を提起したが、確かにそれは強硬さの表れだ…ただ、日本は中国に対して敵対的な路線を取っていない。つまり、割と用心しながら日本の国益を守るが、中国を辱めたり指さしたりしないようにする路線だ。そのため、どちらかと言えば変化を促そうと努める、それも、対話を通じた変化を好む。そのため、批判やあからさまな口論を避ける。要するに、その路線を維持するということだ。その反面、海上侵攻については日本国民は強く警戒している。





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「米国との関係は、継続すると見込んでいる。つまり、日本は太平洋における豪州・米国・インドとの協力のフォーマットであるクアッド[投稿者の和訳の一角だ…米国との同盟は土台を為すものであり、バイデン氏との対話は今後も良好だろう。」





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