「ラダックの紛争から1年、兵力引き離しの合意を余所に印中ともに警戒を強化」(Sputnik International・Sputnik日本)

「ラダックの紛争から1年、兵力引き離しの合意を余所に印中ともに警戒を強化」(Sputnik International・Sputnik日本)









(One Year After Galwan Battle: China 'Reasserts Claim Over Ladakh With More Infra, Bomber Trials': Sputnik International)

https://sputniknews.com/world/202106141083146160-one-year-after-galwan-battle-china-reasserts-claim-over-ladakh-with-more-infra-bomber-trials/





ガルワンの戦闘から1年:「中国はインフラの展開と爆撃機の試験飛行により、ラダック領有を改めて主張している」







© REUTERS / PLANET LABS INC





世界





2021年6月14日 20:00 GMT





記者 リシケシュ・クマール






インドと中国はガルワン渓谷の衝突から1周年を迎えるが、進行中の国境紛争への具体的な解決策はまだない。報道によると、2020年6月15~16日に、ラダック東部で激しい争いによりインド軍兵士20人と中国軍兵士4人が死亡した。





中国人民解放軍(PLA)は、昨年のインドとのガルワンの衝突で達成された成功を強調するために、国内の宣伝キャンペーンを始めた。中国共産党(CPC)創立100周年に合わせて人民解放軍により結成された諸集団は、国内各地で軍の強さを示すものとして「パンゴン湖で以前掲げられた」中国の国旗を掲げている。



記念日を祝う諸行事のリハーサルには、国で最も先進的なJ-20ステルス戦闘機が多数参加した。



「リハーサルは土曜日午後9時から日曜日未明まで天安門地区で行われた。14,000人を超える人々がリハーサルや関連する支援サービスに参加した」と、中国国防省は声明で述べた。








© AP Photo

武器は撤退したが、ラダックは相変わらず印中関係の「痛い点」だと、米国当局者は述べる






月曜日、ザ・ヒンドゥー紙は情報筋を引用して、人民解放軍がラダック地域のルドック・カンシワール・ギャンツェ・ゴルムド地区に、常設と仮設の宿泊施設を付加的に建設したと報じた。



人民解放軍による野戦病院の建設や雪上移動車両の付加的な調達は、彼らがこれらの巡回地の長期に亘る恒久的な冬の占領に備えていることをも示している」と、ある情報筋は同紙に語った。











また、このインド情報筋の報道によると、北京はカラコルム峠の北東約250km、ラダック東部・パンゴン湖のフィンガー4区域から380kmの和田(Hotan)空軍基地で、H-20戦略ステルス爆撃機の最終試験を実施している。防衛アナリストたちは、インドがフランスからラファール戦闘機を購入したことにより空軍力を得たことに対抗するために、人民解放軍はラダック国境近くに爆撃機を配備するだろうと主張している。



先週、ガルワンの衝突で頭を負傷した中国の祁発宝(Qi Fabao)・連隊司令官は、広く配布された軍事プレスリリースの中で、山岳地帯における国の主権のために自分の命を捧げることを厭わないと述べた。祁氏には2月、死後の受賞となった陳紅軍(Chen Hongjun)・大隊司令官と並んで、最高の軍事賞が授与された。





国境の兵力引き離しは進行に行き詰まり



インドのナレンドラ・モディ首相とラージナート・シン国防相は、中国との「残りの問題」について公に言及することに慎重さを崩していないが、提供された情報によれば、デプサン高原・ホットスプリングス-ゴグラに隣接するクグラン川渓谷・デムチョク南部のチャーディンナラを含む、ラダック東部でインドが領有を主張する区域のかなりの部分が、北京の人民解放軍によって占領されたままだ。





木曜日、インド外務省のアリンダム・バグチ報道官は、「他の地区における兵力引き離しが完了すれば、双方が軍の縮小を検討し、平和と平静さの完全な回復を確保し、2国間関係の進展を可能にする道が開かれるだろうと、私たちは繰り返し強調した」と述べた。




2020年6月の死者をもたらした国境における衝突の後、双方は2月、パンゴン湖岸に沿った前方展開を引き上げることに合意した。しかし、その後、デプサン高原・ゴグラ・ホットスプリングスなどの摩擦点について合意に達するための外交・軍事レベルの協議が複数回にわたり失敗したため、兵力引き離し作業は行き詰まった。





関連:





タグ ナレンドラ・モディ, 習近平, インド軍, インド・チベット国境警察 (ITBP), チベット, ラファール・ジェット戦闘機, ラファール, 爆撃機, H-20, 人民解放軍, ラダック地域, インド, 中国

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(Troop Disengagement Process With China Working to India's 'Disadvantage,' Congress President Says: Sputnik International)

https://sputniknews.com/india/202106151083153123-troop-disengagement-process-with-china-working-to-indias-disadvantage-says-sonia-gandhi/





中国との兵力引き離し作業がインドに「不利」に働いていると、国民会議派代表が述べる







© REUTERS / Indian Army





インド





2021年6月15日 15:59 GMT





記者 ダイーリャ・マヘーシュワリ






インドと中国は1年に亘る軍事的な膠着状態を終わらせようとしているが、ラダック国境で進行中の中国と兵力引き離し作業について、インド国内には不安が存在する。印メディアの報道によると、北京は4月にデリーに対し、達成された事柄を「喜ぶ」べきであり、更なる譲歩は求めるべきでないと語った。





火曜日、インドの主要野党・国民会議のソニア・ガンディー代表は、ラダックの中国国境で進行中の兵力引き離し作業をめぐりナレンドラ・モディ首相を攻撃した。



彼女の批判は、中国人民解放軍(PLA)が交渉の場でいくつかの摩擦点からの撤退を拒否したという複数のメディア報道を受けたものだ。



「中国との兵力引き離し協定は、今までのところ完全にインドの不利益に働いているようだ」と国民会議の指導者・ガンディー氏は述べた。



兵力引き離し作業は今年2月に始まった―両国の軍司令官は、国境の膠着状態を終わらせるために、これまでに11回の対話を行った。



現在まで、両国部隊はパンゴンツォ湖北岸の摩擦点1ヵ所から撤退しており、また、中国はガルワン渓谷の前衛の諸陣地から部隊を撤退させたと伝えられている。



しかし、人民解放軍は、進行中の紛争における他の係争地であるゴグラポスト・ホットスプリングス・デプサンから部隊の撤収をまだ済ませていない。



一方、このインド野党は、これらとは別の国境の戦略的な山岳巡回地であるカイラス山からのインド軍部隊の撤退に同意したとして、モディ政権を批判している。



メディア報道によると、中国側はインド側に対し、4月9日の第11回軍事司令官レベル対話の終わりに、兵力引き離しに関してこれまでに達成されたことに「満足」せよと語った。中国側の司令官たちは、パンゴンツォ湖から撤退後に係争中の国境の地点から部隊を更に撤収することを拒否したと、報じられている。



部隊の引き離し作業についてのガンディー氏の発言は、昨年6月15~16日にガルワン渓谷で中国軍とインド軍による死亡者をもたらす衝突が発生してから、1周年に当たる日にあった。



両国政府が発表した公式の死者数として、国境紛争により20人のインド軍兵士と4人の人民解放軍兵士が死亡した。



今回は、このアジアの2大国間の衝突では、1962年の印中国境戦争以来最大の死者数を出した。



一方、ガンディー氏はテレビ演説におけるこの戦闘についてのモディ首相の発言の明確化も求めている。同首相は演説の際、インド領内には「誰も侵入していない」と主張した。



国民会議は、明確な説明ががまだ得られていないことや、国境侵犯は発生しなかったという、1年前のこの問題についての首相の最後の言葉に対し、繰り返し懸念を表明する」と、彼女は述べた。






「首相の発言に照らし合わせてどのような出来事があったのか、また、2020年4月以前の現状回復に向けてどのような進展があったかについて、私たちは詳しい説明を繰り返し求めてきた」と、国民会議代表は付け加えた。






関連





タグ 人民解放軍, インド, ラダック地域, 中国, ソニア・ガンディー











(Sputnik日本)

https://jp.sputniknews.com/asia/202106288494425/





インド ここ数ヶ月間で中国との国境地帯に兵士5万人増員







© Sputnik / Iliya Pitalev





アジア





2021年06月28日 19:32






インドはここ数ヶ月間、中国との国境地帯に少なくとも5万人の兵士を増員し、この地域での立場を強化している。インドのミント紙が28日、情報源を引用して報じた。





同紙によると、インド国防省は国境地帯の3地域に空軍の部隊を移動させた。現在、中国との国境には合計約20万人の兵士が配置されており、情報筋によると、昨年よりも40%増えたという。



情報筋によると、中国も最近、ヒマラヤ山脈の麓のインドとの国境沿いにある紛争地域の監視を担当する新疆軍管区に追加部隊の配備を行った。中国は国境地帯にバンカーや滑走路を建設しているという。







© Flickr / Official U.S. Navy Page

韓国海軍、米豪の共同訓練に参加=聯合ニュース






2020年5月、インドと中国の国境沿いにある山岳地帯ラダック地方で対立が発生し、双方で衝突や死者が出た。当時、両国はこの地域に重火器、戦車、軍用機を集結させた。しかし、2021年2月10日、インドと中国政府は軍事・外交レベルでの協議を重ね、双方は国境線から軍の撤退を開始した。



また、中国外務省の汪文斌報道官は28日、中印国境の状況は安定しており、双方は問題解決のために交渉していると発表した。



汪報道官は、「中国とインドの国境の状況は全体的に安定しており、双方は関係する問題を交渉によって解決しようとしている。このような背景から、すべての政治的発言と軍の移動は、緊張緩和を目的としている」と記者会見で述べた。



同報道官によると、両国政府が国境での矛盾を解決するために様々なレベルでとった全ての行動は、「双方の利益を考慮に入れたもの」だという。