韓国人『慰安婦』たちの補償請求が斥けられる (DW English)
(South Korean 'comfort women' lose compensation claim: DW English)
https://www.dw.com/en/south-korean-comfort-women-lose-compensation-claim/a-57272501
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韓国人『慰安婦』たちの補償請求が斥けられる
韓国の裁判所は、戦時中の売春宿で働くことを強いられた被害者たちに補償を行うよう日本に求める提訴を却下した。活動家や原告はこの決定を非難し、「大いなる失望」と呼んだ。
韓国・ソウルの「慰安婦」を象徴する少女の像
韓国の裁判所は水曜日、性奴隷制度の被害者とその親族が日本政府に対して戦時中の苦しみについて補償を求めた請求を却下した。
裁判所は日本の国家免責を支持して提訴を却下した。提訴は日本政府に対して、日本の戦時中の売春宿で働くことを強いられた「慰安婦」として知られる被害者たちへの補償を命じるものだった。
日本が1910年から1945年に掛けて行った朝鮮半島の植民地支配の遺物をめぐり、多くの存命の女性が正式な謝罪と金銭的補償を求めるなど、双方で論争が続いている。
被害者を代表する活動家たちは、ソウル中央地方裁判所が女性の名誉と尊厳を回復するための彼女たちの苦闘を無視していると述べ、この決定を非難した。また、彼らは声明の中で、原告は決定に対して控訴するつもりだと述べた。
決定は以前の判決と相容れない
日本は、全ての戦時補償問題は1965年の韓国との関係を正常化する条約の下で解決済みだと主張し、審理への参加を拒否していた。しかし1月、同じ裁判所の別の裁判官が別の事件で他の女性たちを支持し、初めて日本に補償金を支払うよう命じる判決を出した際に、外交上の緊張が高まった。
裁判所は、日本は国際法の原則に基づき民事裁判権を免除されるべきだと判断した。
ミン・ソンチョル裁判官は、「国家免責について例外を認めた場合、判決の執行を強制する過程で外交衝突は避けられないだろう」と述べた。
日本の加藤勝信官房長官は、今回の決定は以前の判決とは「異なる」と述べたが、詳細な説明は行わなかった。
「1月の判決は国際法と2国間協定の両方に明らかに違反しており、かかる判決は極めて遺憾で受け入れ難いものだった」と、彼は述べた。「日本は引き続き韓国に対し、国際的に違反する状況を正すために適切な措置を取るよう強く求める。」
2016年に日本政府を訴えた20人の原告には、第2次世界大戦中に日本軍の売春宿で働くことを強いられた11人の女性と、その後に死亡した他の女性の親族が含まれていた。
『不合理な』結果
被害者で原告の1人である李容洙氏(92)は、この判決を「不合理で馬鹿げたもの」と呼び、この事件について国際的な訴訟を起こしたいと述べた。
約240人の韓国人女性が戦時中の日本軍の性奴隷制度の被害者として政府に登録しており、そのうち15人だけがいまなお存命だ。戦争中、何万人もの女性が最前線の売春宿に移送された。
アムネスティは水曜日の判決について、「この軍奴隷制度を生き延びた存命の人々や、第2次世界大戦の戦前と戦時中にこれらの残虐行為に苦しんだが既に死亡した人々とその家族に、正義を届けることが出来ず大いに失望している」との考えを述べた。
2015年の合意に基づき東京は公式の謝罪を発表し、慰安婦被害者を支援するための基金に10億円(770万ユーロ・930万ドル)を拠出し、双方は紛争を「不可逆的に」終わらせることを約束した。しかし、李氏を含む一部の被害者は、政府が交渉中に彼らに十分に相談しなかったと述べ、和解を拒否した。
lc/sms (AP, Reuters)
発表 2021年4月21日
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