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「クアッド:オンラインによる初の首脳会談の背景と意義」(RFIの記事)

「クアッド:オンラインによる初の首脳会談の背景と意義」(RFIの記事)









(L'ombre de la Chine plane sur le sommet du Quad: RFI)

https://www.rfi.fr/fr/am%C3%A9riques/20210311-l-ombre-de-la-chine-plane-sur-le-sommet-du-quad





クアッド首脳会談の上に漂う中国の影





発表 2021年3月11日 19:58







2020年10月6日に東京で開催されたクアッド会合でのインド(スブラマニヤム・ジャイシャンカル)、日本(茂木敏充)、豪州(マリス・ペイン)、米国(マイク・ポンペオ)の各外相(左から右へ)。REUTERS - POOL





イェレーナ・トミッチ





3月12日金曜日、クアッド(4ヵ国戦略対話)創設以来初の最高レベルのオンライン会合が開かれる。米国・豪州・日本・インドが参加するこの同盟は、特にインド太平洋地域における中国の力の台頭を阻止することを目的としている。エコール・ミリテール戦略研究所(Irsem)の研究者でパリ政治学院非常勤講師のマリアンヌ・ペロン=ドワーズ氏が、この会合の意義について説明する。





RFI:マリアンヌ・ペロン=ドワーズさん、クアッドの役割は何か?



マリアンヌ・ペロン=ドワーズ氏:これはアジアの安全保障について話し合うことを目的とした、4カ国(米国、豪州、日本、インド)間の対話の場だ。クアッドは、2007年に日本の安倍晋三首相の提唱により、ASEAN10カ国会合とその年次フォーラムの傍らで創設された。東京は、これらの近くの国やパートナー国を集めて地域の安全保障に関する議論を更に進めたいと考えていた。恐らくは、これら4カ国の海軍と作戦行動の分野における協力を行いたいとも考えていた。



多くのウォッチャーたちは、明確な目的を持たないクアッド会合のこの漠然とした非公式な側面を強調している。さらに、このグループは、これを米国に非常に近い国々の会合と見ている中国を含む他のパートナー国から、直ちに疑いの目で見られるだろう。





今回開かれるこのオンライン・サミットにはどのような地政学的な背景があるのか?



2007年当時の地域情勢は、日本が主導する4大国が詳細に話し合うべきことを明確な形で裏付ける程ではなかった。今日、私たちはかなり特殊な状況にある。なぜなら、私たちは特に海上の分野で中国の力の台頭を目の当たりにしている。中国はフィリピンやベトナムなどの国に対抗して南シナ海の大部分の主権を主張している。そして、クアッド4ヵ国はこれらの主張を、航行の自由に対する危険、あるいは、脅威の1つの形として感じ取っている。このことを強調するために、航行の自由の保護や、海洋法と法に基づく世界秩序の尊重がクアッドの議題として前面に押し出されている。しかし実際には、クアッドは中国に対抗するための控えめな「同盟」との印象を与え、トランプ政権下ではそのように機能した。クアッドの目的は、「一帯一路」(海のシルクロード)事業を用いて軍事・海上・経済の面でこの地域に進出を果たした、中国への対抗勢力作りを試みることに限られるだろう。「一帯一路」は、この地域における中国の非常に具体的な拡大を明確に示したものだった。





クアッドの4大国は、自国と北京との関係やインド太平洋地域に対する自国の地政学的ビジョンにおいて、かなり異なるアプローチを取っている。この非公式な対話グループのロードマップはどのようなものになるか?



具体的な地域の安全保障の諸問題に対して一層具体的に取り組み、暗黙の反中国同盟や軍事的性格を持つ同盟を構築したとの印象を与えたくない、という願望が確かにある。例えば、キャンベラにとって中国は重要な経済的パートナーであるため、豪州は当初クアッド会合に参加せず、2010年からは自国の意向に反して反中国戦線に引き込まれることを恐れていた。インドも同じようにこの種の躊躇いを持っている。そのため、気候変動との闘い、パンデミックとの闘いのための連携した支援体制の確立など、地域の安全保障上の具体的な問題をテーマにした建設的な対話の場としての包括的なクアッドを呼び掛け続けている。その上で、クアッドがアジア版ミニNATO―これは定式化された用語だが―になるのではないかとの疑念に関係なく、このグループの国々は中国の海上の拡大に対して、これを回避したり対抗勢力を作ったりすることだけを念頭に置いている。そのために、海上能力を付加し、場合によっては暗黙の同盟を形成することが示されている。



私の考えでは、バイデン政権はトランプ政権がクアッドに与えたかったこの反中国を意識した「対立的」な側面をいくらかでも壊したいと思っている。さらに、インド側からの抵抗のために、トランプ政権はクアッドを進展させることが出来なかった。



ブリンケン国務長官がヨーロッパやアセアンの招き入れて4ヵ国の枠組みの拡大を呼び掛けているが、枠の中はより合法的でよりオープンだとの印象を十分に与えるために、彼は実際に参加者の輪を広げようとしている。また、彼は中国に対して善意のメッセージを送っている。そして、いずれにせよ、クアッドが特に誰かに対して構築された同盟でないことを示そうとしている。それでも、中国の力の台頭や、海上における同国の拡大、中国の海軍や海警が南シナ海で証明している攻撃性は、クアッドだけでなく欧州にとっても気懸かりな要素であることは十分に意識されており、欧州はこの数ヵ月、中国が南シナ海東シナ海において法を遵守していないことや、中国海軍の攻撃性について繰り返し懸念を表明してきた。集団的な対応に取り組むことや、安全保障や政治の諸問題だけでなく経済や貿易の諸問題の全てを総合的に考えることが重要だと、私は考える。





協力・開発 外交 米国 中国 RFIの選り抜き記事











(Sommet virtuel du Quad: le Japon réfléchit à sa relation avec le voisin chinois: RFI)

https://www.rfi.fr/fr/asie-pacifique/20210312-sommet-virtuel-du-quad-le-japon-r%C3%A9fl%C3%A9chit-%C3%A0-sa-relation-avec-le-voisin-chinois





クアッド・オンライン首脳会談:日本は隣国・中国との関係を振り返る





発表 2021年3月12日 13:29







茂木敏充・日本外相スブラマニヤム・ジャイシャンカル印外相(左)と菅義偉・日本首相(右)の間にいる。2020年10月6日、東京のクアッド首脳会談にて。AFP - NICOLAS DATICHE





RFI





3月12日金曜日、菅義偉・日本首相はジョー・バイデン米大統領と豪印両国の首相とともに、安全保障のための4ヵ国対話「クアッド」のオンライン首脳会談に参加している。クアッドは2007年、インド太平洋地域の民主国家間の対話と協力を促すために日本の提唱により創設された。





報告 RFI東京特約記者、フレデリック・シャルル





インドや豪州と同様に、日本も反中国の前線においてクアッドの内部に取り込まれたくない。それでも、彼は米大統領がクアッドを自身が参加する最初のオンライン首脳会談として選んだことや、彼がドナルド・トランプ氏と異なり、クアッドが特定の国に対抗して形成された同盟ではないことを示そうとしているのを評価している。



日本は航行の自由の保護と海洋法の尊重をクアッドの議題にすることにより、中国が自国と他の東アジア諸国とを結ぶ重要な航路である、東シナ海の大部分に対する主権を主張していることを懸念しているという事実は残っている。日本は沖縄の南にある尖閣諸島をめぐって中国と領土問題を抱えている。沖縄には日本の国土にある米軍基地の半分以上が集中している。





アジア版NATOに向かうのか?



日本はアジアにおける米国の軍事戦略に組み込まれている。日本はインドや豪州の海軍と協力を行っていた。日本は中国の主張を航行の自由への脅威と見なしているからだ。東京はまた、中国の力の台頭によって引き起こされた懸念に対して集団的な対応を取ることや、クアッドのアセアン(東南アジア諸国連合)や欧州への拡大に賛成している。



したがって、クアッドは安全保障の問題だけでなく、経済・貿易・環境についての諸問題全体に取り組む場になる、より開かれたなフォーラムになるだろう。現在、日本企業にとって米国と同じだけ重要な貿易相手国である中国との地政学的対立を、日本は望んでいない。



東京は、同盟国・米国がクアッドをこの地域における民主国家の同盟にしようとしていることを認識しており、中国が一層攻撃的な姿勢を示した場合には、クアッドは軍事同盟、つまり、アジア版NATOのようなものに変わる可能性がある。





ジョー・バイデン氏の下での新たな推進力



クアッドはインド太平洋地域における外交関係や軍事演習の調整を目的とする、米・日・豪・印4ヵ国間の非公式な協力体制だ。この4か国は、情報や安全保障の分野における交流を通じてかつてない程の恩恵を受けている。この協力は、中国の力の台頭への対抗策として受け取られることが多い。しかし、首脳会談に先立って発表された声明では、実際にはこの会談を好意的に見ていない北京についての言及は差し控えている。



このグループは2008年に豪州が離脱した際に不振を経験した後、、特に海上の分野と南シナ海の緊張での決然とした姿勢において中国の力の台頭に脅かされていることを感じて、2017年に復活した。ジョー・バイデン米大統領は、北京に対して前任者と比べてあまり攻撃的な姿勢を取りたくないと考えている。確かに、トランプ政権の政策は中国の主要な経済パートナーである豪州・インドの2ヵ国を不快にさせた。



2017年以降、外相間の非公式会合が多数行われているが、2007年にグループが結成されて以来、これら4ヵ国の政府首脳が会合を開くのは今回が初めてだ。





►これも読む:クアッド首脳会談の上に漂う中国の影[投稿者の和訳



►これも聞く:クアッド・オンライン首脳会談:「インドは徐々に中国との戦略的ゲームを始めつつある」





日本 外交 米国 中国











(Sommet virtuel du Quad: un partenariat pour contenir l'influence de la Chine: RFI)

https://www.rfi.fr/fr/asie-pacifique/20210312-sommet-virtuel-du-quad-un-partenariat-pour-contenir-l-influence-de-la-chine





クアッド・オンライン首脳会談:中国の影響力を封じ込めるためのパートナーシップ





発表 2021年3月12日 21:17







スコット・モリソン氏(豪)、ナレンドラ・モディ氏(印)、米大統領菅義偉氏(日本)、2021年3月12日。AP - Dean Lewins





RFI





2000年代に生まれた非公式の同盟・クアッドが最高レベルの会合を開いたのは今回が初めてだ。オンラインによる会合ではあるが、ジョー・バイデン氏と印・日・豪の首相は、今年中に直接会うことを約束した。





「私たちは、自由で、オープンで、包括的で、健康的で、民主的な価値観の根付いた、制約のない地域を目指す」。クアッド初の最高レベルの首脳会談の最終コミュニケでは、特に中国に言及することはなかったが、北京はそれに騙されないだろう。4ヵ国は地域における中国の影響力を確りと封じ込めるつもりだ。



ホワイトハウスが発表した文書は一節の中で、北京が定期的に軍事活動を行っている南シナ海東シナ海における紛争に言及し、「私たちは領土の保全と航行の自由を支持する」と主張していると、RFIワシントン特約記者アンヌ・コルペは指摘する。



この意思表明の他に、今回の初の首脳会談ではコロナウイルスや気候変動との闘いが議題になった。 ジョー・バイデン氏は、特にインド太平洋地域に恩恵をもたらすために、ワクチンの生産を促すための野心的なパートナーシップを創設すると表明した。これにより、クアッドは2022年までに10億回分を超えるコロナウイルス・ワクチンを太平洋・東南アジア諸国に供給することを約束した。



この取り組みは、特に米ジョンソン・アンド・ジョンソン社によるインドでのワクチン生産に向けられる。また、これにはこの地域のワクチンを北京に独占させない狙いもある。4カ国は堅固で持続的な同盟を望んでいると述べている。この4民主国家の外相は今後毎年会合を開く予定だ。さらに、2021年末までに新しい国家元首が直接会う首脳会議が開かれるだろう。





「平和と安定の軸」



「歴史的な瞬間」、スコット・モリソン首相が生まれたばかりのこの同盟についてこのように呼んだ。豪州は普段は太平洋地域のリーダー役を演じたり、この地域に相当な経済・人道援助を提供しているが、近年、中国の台頭に伴いその影響力の低下が続いていると、RFIキャンベラ特約記者グレゴリー・プレスは強調している。



キャンベラもまた難しい立場にある。豪州がイデオロギーの面で中国に反対するとき、それは寧ろ、主要な貿易相手国に反対することになるからだ。北京がこの利点を行使することを躊躇せず、この数ヵ月の間にキャンベラに対していくつかの経済制裁を課した。キャンベラが取った立場のいくつかが中国の政権を怒らせたのだ。3大国の支援に守られ、スコット・モリソン氏はこの新しい同盟をインド太平洋地域の「平和と安定の軸」と見ている。





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