英議会、EUとの貿易協定を承認 31日深夜に完全離脱 (BBC NEWS JAPAN)/エリザベス女王 英国とEUの将来の関係を規定する法案に署名(Sputnik日本)

英議会、EUとの貿易協定を承認 31日深夜に完全離脱 (BBC NEWS JAPAN)/エリザベス女王 英国とEUの将来の関係を規定する法案に署名(Sputnik日本)









(BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/55494640





英議会、EUとの貿易協定を承認 31日深夜に完全離脱





2020年12月31日







10 Downing Street

EUとの自由貿易協定に署名するジョンソン英首相(30日、ロンドン・ダウニング街






英下院は30日、政府が欧州連合EU)と合意した自由貿易協定(FTA)を発効させる法案を賛成521、反対73の圧倒多数で承認した。イギリスはこれで現地時間31日午後11時(日本時間1月1日午前8時)、EUから完全に離脱する。





「欧州連合(将来の関係)」法案は下院の後、上院も投票なしで可決した。ロンドン郊外のウィンザー城に滞在中のエリザベス女王が裁可し、成立した。2016年6月の国民投票で52%がEU離脱を支持したことを機に始まった離脱プロセスが、1年間の移行期間を経て、これで完了する。



イギリスは今年1月31日にEUを離脱したが、その後は移行期間として、EUの通商規則に沿って行動していた。FTAによって31日午後11時を最後に、イギリスはEUの単一市場と関税同盟を抜けるが、EUへの輸出で関税がかけられることはない。



下院では、最大野党・労働党のサー・キア・スターマー党首が「ぎりぎりの合意でも、合意がないよりはましだ」と協定を支持したことを受け、5時間の審議の末、圧倒多数が賛成に回った。



国民投票の当時からブレグジット(イギリスのEU離脱)を推進してきたボリス・ジョンソン英首相は、議会に感謝し、「この偉大な国の宿命は今や確かに、私たちの手の中にあります」と述べた。



ブレグジットに反対する人たちは、イギリスの状況は悪化すると反発している。



英政府とEUは今年9カ月間をかけて、ブレグジット後の貿易と安全保障の関係を取り決めるため、移行期間の期限いっぱいに交渉を続け、今月24日にFTAに合意した





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BBCのローラ・クンスバーグ政治編集長によるインタビューでジョンソン首相は、EUとのFTAによってイギリスは「独自の道を行きながらも(EUと)の自由貿易が維持できる」と述べた。



「変化はあるし、国民には1月1日から物事の仕組みが変わるので、準備するようはっきり伝えてきた」と首相は話した。



「けれどもたとえばイギリスの輸出業者にとっては、有利になる。今後は世界中に対してひとつの同じ輸出用書類で済むので」





最大野党は賛成



労働党のスターマー党首は下院で、「合意なし離脱を避けたい」と述べ、「強力な未来の関係を構築するための床を、設置しておきたい」と、貿易協定法案に賛成する理由を説明した。スターマー氏はブレグジット反対派。



その上で党首は、ジョンソン首相が貿易協定について国民に正直に説明していないと批判。協定によって「イギリス経済界は今後、大量の制約やお役所主義、規制に見舞われることになる」と述べた。



また、イギリスの国内総生産GDP)の8割近くを占めるサービス産業については、「大きな穴」が開いていると、スターマー党首は指摘。職能についてEUとの共通基準がなくなるため、イギリス国外で働きたい人にとっては困難が増えると懸念を示した。



労働党からは議員1人が、貿易協定法案に反対票を入れたほか、36人が棄権した。このうち3人は、「ジュニア・フロントベンチ」と呼ばれる、議員席の前方に座る党中堅幹部の地位を辞任した。



他の野党は、スコットランド国民党(SNP)、自由民主党ウェールズ地域政党プライド・カムリウェールズ党)」、ロンドン・ウェストミンスターの英下院に議員を送り込む北アイルランドの政党を含め、いずれも貿易協定法案に反対した。



自由民主党のサー・エド・デイヴィー党首は、この協定は「子供たちの未来を損なう」ものだと批判、SNPのイアン・ブラックフォード議員は、スコットランド漁業は「裏切られた」と反発し、スコットランドの未来は「欧州の一部でなくてはならない」と強調した。



緑の党のキャロライン・ルーカス議員は、これまでせっかく獲得してきた環境保護や消費者保護の決まりが失われ、イギリスは今まで以上に気候変動の危機に対応できなくなると懸念を示した。



与党・保守党からは、2人のみが棄権した。



離脱反対派ながら国民投票後の離脱交渉を主導したテリーザ・メイ前首相は、自分は「国の利益」のために協定に賛成するものの、その内容を全面的に支持するわけではないと審議で述べた。さらに、イギリスが自分たちの政治からEUを追い出せるなどと思わないほうがいいと警告した。



「国家主権とは孤立を意味しない。他人のルールを決して受け入れないという意味でもない。自分たちは特別だというわけでもない」とメイ議員は述べ、「これから先へ進むにあたり、誰もがお互いにつながっている、そういう世界に自分たちが住んでいると認識するのは大事なことだ」と強調した。





協定に署名



貿易協定はまず、ブリュッセル欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長と欧州理事会のシャルル・ミシェル議長が署名した。



英空軍機がイギリスまで運んだ条約文書に、ジョンソン英首相はロンドン・ダウニング街首相官邸で署名した。



欧州議会は協定について審議を開始しているが、批准はイギリスが31日深夜に関税同盟と単一市場を離脱した後のことになる。ただし、EUではすでに加盟27カ国の政府と大使が29日、書面で協定に賛成を表明している。





(英語記事 Brexit: MPs overwhelmingly back post-Brexit deal with EU











(Sputnik日本)

https://jp.sputniknews.com/europe/202012318059899/





エリザベス女王 英国とEUの将来の関係を規定する法案に署名







© AP Photo / Lefteris Pitarakis





欧州





2020年12月31日 18:12






英国女王エリザベス2世は英国とEUのこれからの関係を規定した法案に裁可を与えた。この署名により法案は発効した。英国議会のリンジー・ホイル議長が明らかにした。





これにより、英国はEUとの貿易協力合意の批准プロセスを自国の側から終了させたことになった。合意は12月24日に達成された。年明けの2021年1月1日より、これが英国とEU間の相互関係の条件を規定することになる。



晦日から元旦にかけての深夜に英国のEU離脱までの移行期間が終了する。英国民が2016年の国民投票で選んだEU離脱がこれで実現し、英国はEUの統一市場と関税同盟から外れる。





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