日本が外国人の新規入国停止へ 新型ウイルス変異種の流入防止に 欧州各地で感染確認 (BBC NEW JAPAN)

日本が外国人の新規入国停止へ 新型ウイルス変異種の流入防止に 欧州各地で感染確認 (BBC NEW JAPAN)









https://www.bbc.com/japanese/55445244





日本が外国人の新規入国停止へ 新型ウイルス変異種の流入防止に 欧州各地で感染確認





2020年12月27日







Getty Images

スペインでは最大7人が新型コロナウイルスの変異種に感染していることが確認されたという。写真はCOVID-19(新型ウイルスの感染症)ワクチンと書かれた袋を運ぶサンタクロースの絵






新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、日本政府は26日28日から来年1月末まで全世界からの外国人の入国を禁止すると発表した。日本人や在留資格がある外国人は、帰国が許可される。





日本の外務省によると、これまで日本在住の日本人及び在留資格保持者を対象に、全ての国・地域への短期出張からの帰国・再入国時に、防疫措置を確約できる受入企業・団体がいることを条件に、14日間待機緩和を認めていたものの、これは28日から来年1月31日までの間、緩和措置を認めないことになった。



日本の厚生労働省は25日、イギリスから入国した5人が変異種に感染していることが確認されたと発表した。新型ウイルスワクチンの接種が始まっている欧州でも、複数の国で変異種への感染が確認されている。



日本での変異種感染は最初に、イギリスからの帰国者5人で確認された。26日には新たに、イギリス渡航歴のある男性と、男性の家族で渡航歴のない女性の感染が発表された。



イギリスで確認された新型ウイルスの変異種は、従来種よりも感染力が高いとされる。これまでに日本のほか、カナダ、スペイン、スウェーデン、スイスでイギリスからの入国者関連の感染が報告されている。



カナダ・オンタリオで感染が確認されたカップルは、海外渡航歴も感染者との濃厚接触もなかったようだという。トロント近郊に住むこの2人は現在、自己隔離中という。



デンマークやドイツ、イタリア、オランダ、オーストラリアでも変異種への感染が確認されている。



感染力の高い変異種の報告を受け、40カ国以上がイギリスからの全ての入国を禁止した。



イギリスは19日に変異種の拡大を受けて、国内の制限措置を強化した。



サウジアラビアオマーンクウェートはさらに厳格な措置を取り、1週間にわたって国境を閉鎖した。





<関連記事>







欧州の最新状況は



スペインの首都マドリードでは24日にイギリスから空路で入国した男性の親族3人が変異種に感染していることが確認された。同市保健当局のアントニオ・サパテロ氏が発表した。イギリスから到着した別の男性1人も感染していたが、いずれも重症ではなく、「警戒する必要はない」とした。



この他に3人が変異種に感染した疑いがあるものの、検査結果は29日か30日まで判明しないという。



スペインの発表の数時間前には、フランスの保健省が国内初の変異種への感染を確認したと発表した。感染したのは、19日にロンドンから到着した中部トゥールのフランス人。イギリスで生活していたこの男性に症状はなく、現在は自宅で自己隔離中だという。



フランスはイギリスで変異種が確認されたことを受けて国境を閉鎖したが、23日にはウイルス検査を受けて陰性証明を得ることを条件に、EU市民への禁止措置を解除した。



イギリス側ではトラック運転手数千人が英仏海峡の横断待ちを強いられ、車内でクリスマスを過ごすこととなった。



スイスでは3人の変異種への感染が確認された。このうち2人は現在スイスに滞在するイギリス人という。スイスは欧州で唯一、クリスマスと新年の休暇期間にスキー場の営業を続けており、過去数週間のイギリスからの観光客は数千人にのぼる。



スウェーデンの保健当局はイギリスから到着した男性1人が感染していたが、入国時から自己隔離されていると説明した。





EU各国でワクチン接種が開始



こうした中、複数の欧州連合EU)加盟国で新型ウイルスワクチン接種が始まっている。



ドイツでは米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンの接種が、ハルバーシュタットにある介護施設の高齢者を対象に開始された。



ハンガリーの国営通信社は、デル=ペスト・セントラル病院の医師が同国で初めてワクチンを接種したと報じた。



スロヴァキア当局もワクチン接種を開始したと発表した。



フランス、イタリア、スペインなどでは27日からワクチン接種が始まる。欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長はツイッターでワクチン展開を祝う動画を公開。「団結を示す感動的な瞬間」だとした。





<関連記事>





科学者たちは、新たな変異種がイギリス国外ですでに蔓延(まんえん)しているか、あるいはイギリス国外ですでに発生していた可能性があるとし、イギリスの監視・追跡システムが頑健だからこそイギリスで最初に確認されたのだと述べた。



変異種は従来種よりも感染力が強い様子だが、必ずしもこの変異種の危険度が高いというわけではないと専門家は説明している。

変異種について分かっていること



この変異種は9月にイングランドで発見された。ここ数週間、イングランド東部や南東部、ロンドンなどで急速に感染が広がっている原因とされている。



国家統計局(ONS)によると、現在、こうした地域で陽性が判明した人の3分の2がこの変異種にかかっていると推測される。



今回の変異種は、次の3点がみられることから注目を集めている。



  • 新型ウイルスの他の変異種と急速に入れ替わっている

  • 新型ウイルスの重要と思われる部分に影響を与える変異をしている

  • 変異の一部は新型ウイルスの感染力を強めることが研究で確認されている


BBCのジェイムズ・ギャラガー保健・科学担当編集委員は、これら全てが変異種が従来種より広がりやすいことを示していると指摘する。



専門家たちはここ数カ月で開発された主要なワクチンは、変異種にも効果があるはずだとしている。





(英語記事 Cases of new Covid variant appear worldwide