エリザベス英女王、無私の思いやりに感謝 クリスマスのあいさつ (BBC NEWS JAPAN)

エリザベス英女王、無私の思いやりに感謝 クリスマスのあいさつ (BBC NEWS JAPAN)









https://www.bbc.com/japanese/55450668





エリザベス英女王、無私の思いやりに感謝 クリスマスのあいさつ





2020年12月26日







【全訳】エリザベス英女王、クリスマスのあいさつ 「あなたはひとりではありません」





イギリスのエリザベス女王(94)は25日午後にテレビ放送された毎年恒例のクリスマスのあいさつで、パンデミックのため大変だった1年を振り返りながら、無私の思いやりで他人を助けた人たちをたたえた。





事前に録画されたスピーチで女王は、若者や最前線で働く医療従事者、そして「すばらしい現代科学の偉業」が、人々の生活に希望の光をもたらしてくれると感謝を表明した。



また、ウェストミンスター寺院にある第1次世界大戦の戦没者慰霊碑「無名戦士の墓」や、キリスト教の「善きサマリア人」の寓話(ぐうわ)に触れながら、自分より他人を優先する精神をたたえた。



さらに、大切な人の死を悲しみながらクリスマスを迎えている人や、感染予防のため家族や友人と集まれずひとりで過ごしている人を思いやり、「あなたはひとりではありません」と語りかけた。



その上で、「これ以上ないほど暗い夜のさなかにも、新しい夜明けには希望があります」と述べた。





コロナウイルス」の言葉はなかったが



スピーチの後には、医療従事者がキリストの誕生を祝うクリスマス・キャロル「諸人こぞりて」を歌う様子が紹介された。



BBCのニコラス・ウィッチェル王室担当編集委員は、女王は「パンデミック」や「コロナウイルス」、「COVID-19」といった単語を使わなかったものの、スピーチ全体がこれをテーマにしていたと分析。



また、女王はクリスマスに悲しみを抱えている人たちに対し「ハグや手をぎゅっと握り締めてほしいだろう」と思いを寄せ、「あなたたちのことを考えて祈っています」と述べるなど、公の場ではなかなか口にしない感情的な表現が特徴的だったと説明した。







PA Media

エリザベス女王は11月、ウェストミンスター寺院にある第1次世界大戦の戦没者慰霊碑「無名戦士の墓」での追悼式に独りで参加した






英王室は通常、イングランド東部ノーフォークの領地サンドリンガムに集まりクリスマスを過ごすのが伝統となっているが、今年は各地でそれぞれ過ごした。



エリザベス女王と夫フィリップ殿下(99)は今年3月以来、パンデミック対策のためロンドン郊外のウィンザー城で生活している。



2人がサンドリガムでクリスマスを過ごさないのは1980年代半ば以降で初めてではないかと言われている。



エリザベス女王は今年、教会のクリスマス礼拝には参加せず、プライベートで礼拝を行った。教会に集まる人たちとの接触を避けたためだという。



クリスマス当日、イギリス王室はウィンザーの聖ジョージ聖堂での聖歌隊の合唱をツイートした。











ケンブリッジ公ウィリアム王子の家族はサンドリンガムに滞在している。ウィリアム王子とキャサリン妃は、「きょうという日を独りで過ごしている人、愛する人を失った悲しみに暮れている人、命を顧みずに最前線で私たちの命を守ろうと心血を注いでくれている人たちのために祈ります」とツイートし、クリスマスの間も働いている人たちの写真を投稿した。











チャールズ皇太子とカミラ夫人もツイッターにクリスマスのあいさつを投稿した。夫妻はイングランド西部グロスタシャーで過ごしている。











イギリス王室では今年、チャールズ皇太子が4月に新型コロナウイルスに感染。その後も味覚や嗅覚が完全には戻っていないと話していた。



また11月には、ウィリアム王子も同じころにウイルス検査で陽性と判定されていたことが、BBCの王室筋への取材で明らかになった。







エリザベス女王がテレビ演説で国民に語りかけるのは今年3度目と、異例の多さとなった。





4月にはパンデミックの第1波で全国的なロックダウンに苦しむ国民に「私たちはまた会えます」と語りかけ、5月には欧州終戦75周年に際して「決して諦めないで。決して絶望しないで」と呼びかけた





(英語記事 'You are not alone' says Queen in Christmas speech