日本の敗戦75年 歴史は風化させてはならぬ/【観察眼】忘れられない歴史 平和のための記念(中国国際放送局)

日本の敗戦75年 歴史は風化させてはならぬ/【観察眼】忘れられない歴史 平和のための記念(中国国際放送局









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日本の敗戦75年 歴史は風化させてはならぬ





2020-08-14 22:20 CRI





2020年8月15日は、日本の無条件降伏から75周年になります。アジアの人々にとって、「8・15」は永遠に忘れられない歴史の記憶です。日本がしかけた侵略戦争アジア諸国の人々に多大な苦難をもたらし、中国という一国にだけでも死傷者3500万人、経済損失6000億ドルの被害を与えました。



しかし、「戦後75年」の到来に伴い、かつての侵略戦争を経験した世代は日本でわずかな人数となり、侵略の歴史に関する社会的な「共通の記憶」が色あせ、日本社会では戦争への反省が風化されつつあります。



毎年の8月6日と9日に、広島と長崎では原爆を記念する式典が行われます。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、出席者は極わずかな人に限られていました。安倍晋三首相は慣例に従って、両方の式典に出席し談話を発表したものの、日本が被爆された原因とその歴史的背景について一言も言及していませんでした。



また、日本の多くの自治体では、今年は4年に一度の中学校の歴史教科書を選定する節目な年です。右派団体「日本会議」は恒例として、育鵬社出版の歴史教科書を採用するよう政治ルートを通じて各地の教育委員会に圧力をかけています。



日本文部科学省の統計では、2020年度、育鵬社の歴史教科書が全国で採用された割合が6.4%に達しました。アジア諸国への侵略責任を曖昧にしているこの右翼の歴史教科書が青少年の歴史認識に悪影響を与えるに違いありません。そのため、このほど、名古屋、横浜、京都府大阪府など多くの都市で、育鵬社の歴史教科書をボイコットする市民の抗議活動が行われました。



また、ここ数年の慣例では、安倍首相は8月15日に靖国神社玉串料を奉納しています。これについて、日本の「村山談話を継承し発展させる会」の藤田高景理事長は、「参拝にしても奉納にしても、A級戦犯を祭ることになり、侵略戦争を美化する『靖国史観』への支持となり、戦後日本の平和秩序をひどく破壊する」という見方を示しています。



近年、日本の海上自衛隊が絶えず装備を強化し、2019年版「防衛白書」は日本周辺の安全保障環境の緊迫化を煽り立て、自衛隊に宇宙、サイバーセキュリティ、電磁波などの分野における軍事技術能力の強化を求めています。そして今年5月、日本初の宇宙作戦隊が府中基地(東京)を拠点に発足しました。



安倍首相が今もなお、平和憲法の改正という「悲願達成」に精を出し、「戦後レジームからの脱却」を図ろうとしています。これについて、琉球大学高嶋伸欣名誉教授は「近年、排他主義や、経済と軍事上の大国化の風潮が日本で台頭しつつあり、アジア隣国の日本への警戒心が長く続くだろう」と懸念を示しました。(Lin、Yan)











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【観察眼】忘れられない歴史 平和のための記念





2020-08-15 12:27 CRI





8月15日――日本では「終戦の日」と言われるが、国際社会では、第二次世界大戦玉音放送により日本の降伏が伝えられた日として見られている。戦争から75年の時が経った。この日に行われる戦没者追悼式で、日本の歴代首相が慣例として発表する談話において戦争についてどう語るのか、「アジア諸国の人々に対して多大な損害と苦痛を与えた」という日本の加害責任について言及するのか。これはアジア諸国の神経に触ることだ。



このほど、安倍晋三首相が広島平和記念式典(6日)と長崎平和祈念式典(9日)で、酷似する挨拶を行ったことにより、日本国内の被爆者団体などから失望の声が上がり、インターネット上でも「コピぺ」といった批判を招いた。「朝日新聞」が同じ表現の文字数を数えたところ、1140字前後の二つの挨拶の約9割が一致したと報じた。さらに、両式典の挨拶の言葉は過去にも前年と似ていると指摘された。



頭のいい人たちが政治をやっていると思われるが、実はもっと必要なのは「頭」ではなく、「ハート」のほうかもしれない。人の心や痛みが分かる感受性が必要だろう。戦争を記念するのは、戦争を避けるためだ。平和祈念も決して形式で済まされるショーにしてはいけない。



ところで、「『あの戦争』の話題ときたら、どうも中国人がデリケート過ぎる」と文句を言う日本人もいる。歴史は過去、現在、未来を繋ぐもので、歴史を反省することは、決して過去に拘るということではなく、正しい「今」を選択し、素晴らしい未来を切り開くためのカギである。



国交正常化以来、中日両国は経済、文化、科学技術、教育、環境保護など、諸分野にわたって素晴らしい友好協力の成果を収めてきた。しかし、戦争や歴史問題に話題が及ぶと、どうも「心の壁」があるようで、特に近年、経済の実力の変化により、両国民間には様々な考え方や温度差が出てきた。



いかに戦争の傷跡を乗り越え、心の和解を実現させ、平和と友好を長く続けていくのかは、中日両国にとって大きな課題である。「難しい、難しい」と言うのは簡単だが、勇気を持って問題を直視し、地道に努力していくことが一番の良策だろう。幸いなことに、中日は数千年にわたる文化の絆に恵まれ、人への気配りや心遣い、優しい性格と豊かな感受性を持っている両国民が多い。だからこそ、世界を混乱させたコロナ禍の中、「山川異域・風月同天(山川域を異にすれども、風月天を同じうす)」の逸話が国境を越えた感涙を誘った。



第二次世界大戦終結から75年後の今日、またも「歴史を鑑みとし、未来に向かう」を語りたい。これは中日両国の人々に友好と希望をもたらす知見であり、常に我々の自信、勇気と良識を問う激励でもあるのだ。(CRI日本語部論説員)