イギリス政府、香港との犯罪人引き渡しを停止 国安法受け (BBC NEWS JAPAN)/英国は香港地区への植民統治的影響力の保持という幻想を棄てるべき(人民網日本語版)/英国が香港との犯罪人引き渡し条約停止 多くの国の人々が批判(中国国際放送局)

イギリス政府、香港との犯罪人引き渡しを停止 国安法受け (BBC NEWS JAPAN)/英国は香港地区への植民統治的影響力の保持という幻想を棄てるべき(人民網日本語版)/英国が香港との犯罪人引き渡し条約停止 多くの国の人々が批判(中国国際放送局











(BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/53481978





イギリス政府、香港との犯罪人引き渡しを停止 国安法受け





2020年7月21日







HoC

ラーブ外相






イギリス政府は20日、香港との犯罪人引き渡し条約を「即日かつ恒久的に」停止する方針を明らかにした。



ドミニク・ラーブ外相は議会で、イギリスは中国と「前向きな関係を作りたい」と説明。しかし、中国政府は香港国家安全維持法(国安法)を「押し付け」たことで、国際的な約束に「深刻な違反をした」と述べた。



最大野党・労働党も、「正しい方向への一歩」だとこの方針に賛成している。一方で、個人への経済制裁など、もっと厳しい措置が必要だとの声もあがっている。



犯罪人引き渡し条約では、香港にいる人物がイギリスで起きた犯罪の容疑者となった場合、その人物にイギリスで法の裁きを受けさせるために、イギリス政府が香港自治政府に身柄の引き渡しを求めることができる。香港からイギリスへの引き渡し要請も可能となる。



イギリスと香港は30年以上この条約を維持してきたものの、国安法の施行により、香港に引き渡した容疑者が中国に連れて行かれる可能性があると懸念している。



ラーブ外相はさらに、イギリスから銃火器や発炎筒、拘束具などが香港に渡らないよう、中国に対して1989年から定めている武器輸出禁止の範囲を香港まで拡大すると発表した。



これに対し中国は、イギリスが「残酷な干渉」を行っていると非難。中国は国際法を守っていると強調した。



その上で、イギリスが犯罪人引き渡し条約を停止した場合には「断固とした対応」を取ると述べた。





イギリス市民権への道は2021年から



中国政府は6月30日に国安法を制定した。



国安法では、国家からの離脱、転覆行為、テロリズム、香港に介入する外国勢力との結託といった犯罪を犯した場合、最低3年、最高で無期の刑が科される。



また、容疑者を中国へ移動させ、裁判を受けさせることが可能になった。



民主派の活動家らは、この法律が香港で認められている高度な自治や市民の自由、権利を侵害しているとしている。



香港は1997年にイギリスから中国に返還されたが、その際に香港の憲法ともいえる「香港特別行政区基本法」と「一国二制度」という独自のシステムが取り入れられた。返還から50年は、中国のその他の地域では認められていない集会の自由や表現の自由、独立した司法、一部の民主的権利などが保護される。



ラーブ外相は議会で、「新しい国安法がどのように施行されるのか、不明確な部分が非常に多く残っている」と述べた。



「しかしこれだけは言える。イギリスは監視している。世界も監視している」



さらに、香港のイギリス海外市民(BNO)パスポート保持者300万人にイギリス市民権獲得の道を開く計画を、2021年初めにも始めると明らかにした。



ただし、それ以前に届け出られたビザ(査証)申請はすべて、入国管理局の管轄になると念を押した。











香港、5G、ウイグル……高まる英中間の緊張



イギリスと中国の関係はこのところ、政治と経済の両面で緊張が高まっている。



ラーブ外相は議会での説明の中で、イギリス政府が中国・華為技術(ファーウェイ)の第5世代移動通信システム(5G)向け設備の購入を禁止した件にも触れた。



「我々には常に、繊細な注意が求められるインフラ設備を含む、重要な利益を守る必要がある。国家安全保障や国内の安全を脅かす投資は受け入れられない」



ファーウェイの5G技術をめぐっては、すでにアメリカが国家安全保障面での脅威になるとして制裁を加えており、イギリスにも圧力がかかっていた。



ラーブ氏はさらに、中国西部の新疆ウイグル自治区イスラム教徒のウイグル族への不妊手術の強制や他の迫害行為が行われているという報告を受け、同自治区で「おぞましく、甚だしい」人権侵害が起きていると批判した。



中国の劉暁明駐英大使は19日朝、BBC番組「アンドリュー・マー・ショー」に出演し、新疆ウイグル自治区ウイグル人が目隠しをされて列車に乗せられている様子に見えるドローン映像を見せられて、「何の映像か分からない」と述べた。



劉大使はさらに、中国政府がウイグル人女性の不妊手術や妊娠中絶を強制しているという現地報道を否定した。



イギリスはこの件について、国連や同盟国と協力し、適切な対応を取るとしている。











(英語記事 UK suspends extradition treaty with Hong Kong











人民網日本語版)

http://j.people.com.cn/n3/2020/0722/c94474-9713402.html





英国は香港地区への植民統治的影響力の保持という幻想を棄てるべき





人民網日本語版 2020年07月22日10:06











英国政府が香港地区との犯罪人引き渡し条約を停止したうえ、香港地区を武器禁輸の対象にすると発表したことについて、外交部(外務省)の汪文斌報道官は21日の定例記者会見で「中国側は英側に対して、中英関係がさらに損なわれることのないよう、香港地区に対する植民統治的影響力の保持という幻想を棄て、直ちに過ちを正し、香港地区の事と中国の内政へのいかなる方法による干渉も止めるよう促す」と述べた。



汪報道官は「香港地区に関する英側の誤った発言と措置は国際法と国際関係の基本準則への重大な違反、中国への粗暴な内政干渉であり、中国側はこれに断固反対するともに、さらなる対応を取る権利を留保する」とした。



「香港地区の事は中国の内政であり、むやみに干渉する権利はどの外国にもない。中国政府の国家の主権・安全・発展上の利益を守る決意は確固不動たるものであり、『一国二制度』の方針を全面的かつ正確に貫徹する決意は確固不動たるものであり、香港地区の事へのいかなる外部勢力による干渉にも反対する決意は確固不動たるものだ。干渉や圧力の企ては決して思い通りにはならない」と述べた。



「中英関係を『黄金時代』と形容するのは、依然正確か」との質問には「国と国との関係は相互尊重、平等な扱い、互恵を基礎に築かれるべきだ。とりわけ互いの核心的利益と重大な懸念を尊重し合うと同時に、内政不干渉という国際関係の基本準則を順守することだ。中英関係の発展において重要なのは言葉ではなく行動だ」と述べた。(編集NA)





人民網日本語版」2020年7月22日











中国国際放送局

http://japanese.cri.cn/20200722/f3a5680f-5f7e-ce36-2b50-d8904b7cee01.html





英国が香港との犯罪人引き渡し条約停止 多くの国の人々が批判





2020-07-22 13:04 CRI





英国のラーブ外相は20日の議会下院で、「香港との犯罪人引き渡し条約を即時かつ無期限に停止し、併せて香港への武器販売も禁止する」と発表しました。これを受けて、多くの国の人々から、「英国は粗暴に中国の内政に干渉し、香港国家安全維持法の施行を妨げ、香港の繁栄と安定を破壊しようとしている。英国の行為は国際法と国際関係の基本ルールに背くものだ」との声が出ています。



フィリピン紙「ザ・フィリピン・スター」のコラムニストは、「英国は『中英共同声明』の約束に背いた。こうした中国の内政に公然と干渉する行為は、その虚偽性と新植民地主義の企てを暴露するものであり、両国の友好関係を損なった」との考えを示しました。



パキスタンイスラマバード国際問題理事会のサイード・チョードリー主任は、「英国は、香港がもはや英国の植民地ではないことを認識すべきだ。英国による中国の内政への干渉は、国際法と国際関係の基本ルールに反している」と述べました。



インドネシアシンクタンク、アジア・イノベーション研究センターのバンバン・スルヨノ(Bambang Suryono)会長は、「英国による一連の行為は、米国に追随する外交の結果だ。英国は、対中国政策で立場を失った。中国の内政に粗暴に干渉した英国は非難されるべきだ」としました。



エジプト議会のサミール・ガタス議員、ケニアの国際問題専門家のCavens Adhir氏や、ウズベキスタンタシケント国立東洋学大学のアンリー・シャポフ副教授らも英国の行為を批判しています。(殷、柳川)