日本へのF35売却で「一石三鳥」の米国 同盟国の武装、中露牽制、日本の国産戦闘機抑止(チャイナネット)

日本へのF35売却で「一石三鳥」の米国 同盟国の武装、中露牽制、日本の国産戦闘機抑止(チャイナネット)









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日本へのF35売却で「一石三鳥」の米国 同盟国の武装、中露牽制、日本の国産戦闘機抑止





タグ:ステルス 戦闘機 F35 自衛隊





発信時間:2020-07-18 09:29:27 | チャイナネット |






米国が日本に最新鋭ステルス戦闘機F35を105機売却することを承認したことを受け、日本はF35の最大の海外クライアントとなる見通しだ。環球時報の記者の取材に応じた中国の専門家によると、これで日本のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)である「いずも型」護衛艦が戦闘力を有する軽空母に改修され、中国海軍をけん制する米国の有力な駒となるだけでなく、F35で武装した自衛隊を中国・ロシア抑止の第一線に立たせ、日本が国産ステルス機を配備する可能性をなくすという「一石三鳥」の狙いが米国にはあるという。



■日本がF35の海外最大のクライアントに



アメリカ軍事専門サイト「ディフェンスニュース」は10日、「米国、230億ドルで日本へのF35売却承認」と題する報道で、「米国が承認したのは、通常離着陸型の63機のF35Aと短距離離陸垂直着陸(STOVL)機の42機のF35B、実際には日本が2018年に発表した調達計画が実ったということだ。日本は今後、F35戦闘機を計147機を保有し、米国に次いで2番目のF35の保有国となり、そして最大の海外クライアントとなる」と伝えた。



軍事専門家の張学峰氏は「(今回の承認は」意外でもなんでもない。安倍晋三首相は2018年12月、既に購入を決めている42機の第5代F35Aと合わせてさらにF35を105機追加購入することを決めた」と説明。



米CNNは10日、日本は2031年をめどにF2戦闘機の後継となる国産ステルス戦闘機F3の生産開始を目指すとしていると報じた。張氏は「米国は日本に大量のF35を売却することで、日本が独自開発する次世代戦闘機の配備の可能性を減らすねらいがある」と指摘する。すでに明らかになっている情報によると、F3はF22と同クラスのステルス重型戦闘機で、日本がこの戦闘機の生産に成功すれば、自衛隊の配備レベルが高まるだけでなく、航空工業のレベルを大きく向上させ、米国への依存を軽減することができる。F35の大量調達に相当な経費がかかることは疑う余地はなく、もともと難航していたF3の先行きがこれでさらに不透明になった。さらに言えば、米国にとって日本へのF35追加売却は米国の軍事企業を潤すことができる。トランプ米大統領が日本に圧力をかけた狙いはそこにもある。





■いずも型が正真正銘の空母に



注目すべきは、日本の105機のF35調達リストには、通常離着陸型のF35Aの他に短距離離陸垂直着陸(STOVL)機のF35Bも42機含まれていることだ。F35B導入によって2隻あるヘリ搭載護衛艦「いずも」が正真正銘の空母になる可能性がある。「いずも」は満載排水量2万6000トン、全長248メートル、全通甲板を備えている。その排水量は実際には一部の国の軽空母を上回るものだ。「いずも」は改修後には約14機のF35Bが搭載可能になる。調達予定のF35B 42機は同クラスの軽空母3隻分が十分に武装できる数だ。「いずも」と「かが」にそれぞれ一つのF35B中隊を配備し、もう一つの中隊を予備に残しておくというのがおそらく日本の考えだろう。



日本がさらにF35Bの作戦効果を上げたいなら、「いずも」にスキージャンプ甲板を追加装備すれば、F35Bの離陸重量を上げ、実弾や燃料の搭載量を増やし、滑走距離を縮めることができるが、そうなると改修工程がさらに増える。ジャパンタイムズ電子版によると、日本海自衛隊の伊藤俊幸元海将は「日本には4隻の空母が必要。2隻だけだと離着陸訓練くらいしか満足にできない」と話している。



張氏によると、F35Bは離着陸性能を除く航続距離、機動性、最大離陸重量などいずれの性能においてもF35戦闘機の中では「最下位」に位置するが、他国の第3世代艦載戦闘機と制空権を争奪する場合には依然として多くの利点がある。F35Bのステルス性によって第3世代レーダーの探知距離はかなり短くなり、搭載レーダーによって遠距離の探知ができる。また低被探知性によって、敵は逆探知が難しいため回避などの対抗措置を取れない。こうした利点からF35Bはまだ重視されている。さらにF35Bを装備すれば、「いずも」や「かが」の配備の柔軟性が増し、複数の方向から敵に脅威を与えることができる。





■F35で中国とロシアをけん制か?



ある軍事専門家は「環球時報」の取材に応じ、「日本の自衛隊が中国とロシアをけん制するのにF35が役立つというのが米国の日本へのF35売却の最も重要な動機」とし、「それは80年代に米国が当時最新鋭のF15を日本に輸出して旧ソ連に対抗したのと似ている。この点において日米の方向性は一致している。ロシアは現在、第5世代ステルス戦闘機の配備で後れをとっている。その状況を変えるのにはかなり時間を要するだろう。航空自衛隊がF35を導入すれば少なくともロシア軍に対して心理的な優位性を確保できる。F35が空自の攻撃力を高めるのは間違いない。F35は総合打撃戦闘機と呼ばれてきた。対地攻撃の向上を狙って開発され、搭載可能な弾薬の種類はF22より多く、航続距離も長い。空自はこれまで米国の制約から対地、対海攻撃において頼りになる手段を欠いていた。F35配備後さらにスタンドオフミサイルを導入すれば、空自の攻撃能力は最大限に高められるだろう」と紹介する。



ただ、「空自の攻撃面の装備体系レベルの欠如からF35の運用は特に遠距離攻撃面で制約されるだろう」とも指摘する。さらにいえば、「日本の戦略は奥行きが浅い。それに対し、ロシアが保有する巡航ミサイル弾道ミサイル極超音速ミサイルは機先を制している。F35基地を麻痺させ、F35を地上で破壊するほうが空中で撃墜するより容易い」。海自のF35Bが直面する状況について「F35Bにステルス性があっても、『いずも』や『かが』にはステルス性がない」と言及した。





「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年7月18日