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信仰の自由に関する国際報告書(2019年版)-日本に関する部分(在日米国大使館)

信仰の自由に関する国際報告書(2019年版)-日本に関する部分(在日米国大使館)









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信仰の自由に関する国際報告書(2019年版)-日本に関する部分





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*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。





米国国務省民主主義・人権・労働局





2020年6月10日発表






エグゼクティブ・サマリー



日本国憲法は、信仰(信教)の自由を規定し、宗教団体がいかなる政治上の権力であろうともこれを行使すること、あるいは国からの特権を受けることを禁止している。日本は依然として厳格な難民審査体制をとっており、この政策は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)および非政府組織(NGO)によって非難された。政府は国連の難民の地位に関する条約および議定書に基づき、宗教を理由に迫害のおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有した少なくとも2人の申請者を、2018年(入手可能な最新の統計)に難民として認定した。これは2017年に公表された難民認定数と同じであった。キリスト教や仏教の代表者たちは引き続き、10月の新天皇即位の関連行事には宗教的要素が含まれるとして、政府の公費支出を問題視した。政府は、公費支出は憲法の定める政教分離に違反しないと述べた。法務省は、同省の人権機関が2018年(入手可能な最新の統計)に受理した信仰の自由の侵害の可能性がある案件についての相談は164件であったと報告した。2017年は214件であった。同省は、信仰の自由が侵害された可能性が高い案件が8件あったと確認した。2017年は14件であった。



ウイグル族の代表者は、中国大使館職員が政府職員、企業、民間人、ウイグル族イスラム教徒に対して、新疆の状況について公の場で発言しないよう、嫌がらせや脅迫を行ったと述べた。報道によると、日本の官民の施設は引き続き、イスラム教徒のためのハラル食品の入手と礼拝室利用の機会を拡大した。



米国大使館は、信仰の自由と多様性の受容を促すため、政府、宗教団体、少数派宗教団体の指導者およびその支持者に関与した。





第1節 宗教統計



米国政府は、日本の総人口を1億2590万人と推計している(2019年中ごろの推計)。文化庁の報告によると、各宗教団体の信者数は、2018年12月31日時点で合計1億8100万人であった。この数字は日本の総人口よりも大幅に多く、日本国民の多くが複数の宗教を信仰していることを反映している。例えば、仏教徒神道など他の宗教の宗教的儀式や行事に参加するのは一般的なことであり、逆もまた同様である。文化庁によると、信者の定義および信者数の算出方法は宗教団体ごとに異なる。宗教的帰属で見ると、神道の信者数が8700万人(48.1%)、仏教が8400万人(46.5%)、キリスト教が190万人(1.1%)、その他の宗教団体の信者780万人(4.3%)が含まれる。「その他」の宗教および未登録の宗教団体には、イスラム教、バハーイー教ヒンズー教、およびユダヤ教が含まれる。先住民のアイヌは、主に精霊信仰を実践し、大多数が本州北部および北海道に居住し、東京には少数が居住する。



外国人労働者と緊密に接触するNGOによると、ほとんどの移住者や外国人労働者は、仏教または神道以外の宗教を実践している。ある学者の推計によると、日本にいる日本人以外のイスラム教徒の数は10万人、日本人イスラム教徒は1万人である。ロヒンギャ族の代表者によると、イスラム教徒ロヒンギャ族の人口は約300人で、ほとんどが東京都の北に位置する群馬県に住んでいる。日本ウイグル協会は、日本にいるおよそ3000人のウイグル族イスラム教徒のほとんどが、東京あるいは東京近郊の千葉、埼玉、神奈川県に居住していると述べた。日本ユダヤ教団によると、日本ユダヤ教団に加入しているユダヤ教徒世帯数は100~110世帯だが、ユダヤ教徒の総数は不明である。





第2節 政府による信仰の自由の尊重の現状



法的枠組み



日本国憲法は、信教の自由を保障し、国は宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならないと義務付けている。憲法は、宗教団体がいかなる政治上の権力を行使することも、国からの特権を受けることも禁止している。また国民は、憲法が保障する国民の権利を濫用してはならず、これらの国民の権利を公共の福祉のために利用する責任を負うと定めている。



政府は、宗教団体の登録または認証申請を義務付けてはいないが、法人格の認証を受けた宗教団体は、団体の運営維持費の一部に利用される寄付金および喜捨金にかかる所得税を納める必要がない。政府は、法人格を申請する宗教団体に対し、当該団体が物理的な礼拝施設を備えており、教義を広め、宗教的儀式行事を行い、信者を教化育成することが主たる目的であると証明することを義務付けている。申請者は、宗教団体としての3年間の活動記録、信者と宗教教師の一覧表、宗教団体の規則、財産管理についての意思決定方法に関する情報、過去3年間の収支計算書、財産目録を、書面により提出しなければならない。法により、法人格を申請する宗教団体の所轄庁はそれぞれが所在する都道府県の知事であり、宗教団体は都道府県庁に対して登録を行わなければならない、と規定されている。例外として、複数の都道府県に事務所を持つ団体は文部科学大臣に対して登録を行う。申請者が法人格の認証を受ける宗教団体としての法的定義を満たしていると文部科学大臣あるいは都道府県知事が確認した後、申請者はその目的、主要人員、財務状況に関する管理規則を作成することが法で義務付けられている。文部科学大臣または知事が法人格の申請を認可し登録すると、申請者は宗教法人となる。



法により、認証された宗教法人には資産、収入、支出を政府に開示することが義務付けられている。法はまた、営利活動に関する規定に違反している疑いがある場合に調査を行う権限を政府に与えている。宗教法人がこうした規定に違反した場合、当局は、当該法人の営利活動を最長1年間停止する権限を持つ。



法により、刑事収容施設において被収容者が1人あるいは集団で行う礼拝および宗教的儀式は、禁止されてはならないと規定されている。



法により、国および地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育やその他宗教的活動をしてはならないと規定されている。私立学校は特定の宗教を教えることが許されている。また、宗教に関する寛容の態度、宗教に関する一般的な教養および宗教の社会生活における地位は、教育上尊重されなければならないと定められている。公立および私立学校は、文部科学省の基準に沿って教育課程を編成しなければならない。こうした基準は、中学生および高校生に対して一般的な宗教教育を行う場合、学校は慎重に配慮すべきと定める法に基づいている。



労働組合法は、何人も宗教によって労働組合員の資格を奪われないと定めている。



日本は、市民的および政治的権利に関する国際規約の締約国である。





政府による実践



日本法輪大法学会会長によると、神韻芸術団(法輪功の公演企業)は公演場所の貸借で妨害を受けた。同会長は会場から差別があったと報告し、その理由として会場の所有者や運営業者に対する在京中国大使館による脅迫をあげ、神韻芸術団への公演場所の貸し渋りが増えていると述べた。同会長は、法輪功に関連する脅迫目的のために中国大使館が公職者に接触していると言われた、と述べた。他方、日本政府は、法輪功学習者と自認する中国人に、日本国内にとどまることを認める地位を引き続き付与すると同時に、法輪功信奉者が多数を占める海外の芸術家が公演のために入国することを許可した。



日本ウイグル協会によると、政府は日本に住むウイグル族の保護に対して一定の意欲を見せ、この件に関して中国政府職員と限定的ではあるものの直接、外交を行った。



政府は、過去1年に行われた新天皇即位に関する3つの宗教的儀式に公費を支出した。キリスト教や仏教の代表者を含む批評家は、天皇即位儀式は神道に関連しているとの懸念を示し、憲法政教分離を定めており、「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」と規定していると述べた。政府は、即位儀式には宗教的な側面があったとの認識を示しながらも、憲法は即位儀式の執行を認めており、公費の支出は1990年に執り行われた先の即位式を踏襲したものだと述べた。東京高等裁判所は2月、公費支出に異議を申し立てる訴えを却下したが、2019年末時点では同様の訴えの審理が続いていた。



法務省人権擁護局は、引き続き外国語人権相談ダイヤルを、英語、中国語、韓国語、タガログ語ポルトガル語ベトナム語の6カ国の外国語で運用した。5月、法務省は、同省の人権機関が2018年(入手可能な最新の統計)に受理した信仰の自由の侵害の可能性がある案件についての相談が164件であったと報告した。2017年は214件であった。人権侵害が疑われる2万12件中、8件(2017年は14件)は信仰の自由が侵害された可能性が高いと確認した。同省は、8件全てについて、当事者間の仲裁を行う、人権侵害者に素行を改めるよう要求する、あるいは人権侵害の申立人が法的助言を得られるよう所管当局へ紹介するなど、潜在的被害者に対する支援を行なった。しかし、同省によるこれらの措置には法的拘束力はなかった。同省は、プライバシーに対する懸念を挙げ、これらの案件の詳細提供を控えた。



文化庁によると、2018年末時点で、国および都道府県は18万665団体を、法人格を持つ宗教団体として認証した。その数の多さには、宗教団体の地方組織が個別に登録していることが反映されていた。数多くの宗教と団体で構成される宗教間NGO日本宗教連盟によると、政府は、要件を満たした宗教団体に対して法人格を認定した。



法務省によると、刑事収容施設は2018年、被収容者に対し、民間ボランティアの教誨師による礼拝や教誨などの宗教的儀式活動を実施し、その回数は集団に対して9058回、個人に対して6310回であった。これは入手可能な最新の数字であった。教誨師を育成する公益財団法人・全国教誨師連盟によると、受刑者が面会可能な神道、仏教、キリスト教、その他の宗教のボランティア教誨師は1月時点で推計1840人であった。



日本は依然として厳格な難民審査体制をとっており、UNHCRとNGOから非難された。法務省の報道発表によると、同省は、国連の難民の地位に関する条約および議定書に基づき、宗教を理由に迫害のおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有した少なくとも2人の申請者を、2018年(入手可能な最新の統計)難民として認定した。1つ目の事案では、被害者を本国に送還した場合、その者が武装宗教集団によって迫害を受ける可能性があると信じるに足る懸念があった。2番目の事案では、法務省によると、申請者は日本にいる間に改宗したことから、自国政府から迫害にあう十分な恐れがあった。法務省は、当該申請者の国では、改宗した者は逮捕、拘留、拷問を受けていること、同申請者が改宗前の宗教を公然と批判していること、かつ同申請者が改宗したことでその子どもの棄教にも至ったと自国政府が確信していることから、同申請者は帰国すれば迫害を受ける可能性が高いと判断した。また2017年には、宗教的な理由から少なくとも2人が難民として認定された。



政府は、ビルマでの民族的・宗教的迫害を根拠に入国した約300人のイスラム教徒ロヒンギャ族のほとんどに、人道的な理由による特別在留許可、または一時的な滞在ビザを引き続き発給した。これらイスラム教徒の大半は日本に5年超居住しており、中には15年超居住している者もいた。ロヒンギャ族の代表によると、日本に滞在する約300人のイスラム教徒ロヒンギャ族のうち、政府は、最近では2015年に18人に対して難民認定を行なった。同代表はまた、別の約18人の不法滞在状態のロヒンギャ族は、いずれの公式な再定住プログラムにも参加しておらず、就労を禁じられていると述べた。日本で生まれた彼らの子どもたちは依然として無国籍であった。日本に滞在する残りのイスラム教徒ロヒンギャ族は、人道的な理由で法的に日本での滞在が許可されており就労が認められたが、地方入国管理局でその地位を定期的に更新する必要があった。ビルマ出身のイスラム教徒ロヒンギャ族で国外退去させられた者は過去1年いなかった。



政府は、たいていの場合は留学を当初の目的として来日した、ほとんどの中国出身のウイグル族イスラム教徒に、在留資格あるいは帰化による市民権を引き続き付与し、その数は2019年末時点で、約3000人に上った。日本ウイグル協会によると、政府が国外退去させたウイグル族イスラム教徒はいなかったが、中国での民族的あるいは宗教的迫害を理由に2017年に難民申請した10人に対しては1人も難民申請を認めなかった。同協会によれば、政府は2019年末時点で、この10人に対する難民認定の付与の可否をまだ判断していなかった。



政府はイスラム教徒訪日客の宗教的ニーズに対応するための行動計画を策定し、観光業界がイスラム文化や習慣を深く理解し、最良事例や実用的助言を共有できるように手引書を公表した。





第3節 社会による信仰の自由の尊重の現状



ウイグル族の代表者は、在京中国大使館が、政府職員、企業、民間人、ウイグル族イスラム教徒に対して、新疆の状況を公に論評させないように、嫌がらせや脅迫を行ったと報告した。日本ウイグル協会によると、一般国民の大多数はウイグル族や中国の人権侵害を受けるその他の人たちに対して同情的な姿勢を示した。



報道によると、官民双方の取り組みの下、娯楽施設、空港、駅、高速道路の休憩所など公共の場所における礼拝室利用とハラル食品の入手機会が引き続き全国で拡大した。この拡大は、増加するイスラム教徒の訪日旅行者への対応および2020年東京オリンピックパラリンピックで予想されるイスラム教徒訪問客への備えを主目的として行われた。





第4節 米国政府の政策および関与



米国大使館は、外務省との会合において、信仰の自由を引き続き促進していく重要性を再確認した。



日本宗教連盟を始め、宗教団体指導者やイスラム教徒のロヒンギャ族ウイグル族ユダヤ教および法輪功などその他少数派宗教団体の指導者、また外国人労働者との対話や会合にて、大使館職員は米国が信仰の自由の尊重を優先事項としている点を強調し、このような団体が直面する問題について議論した。大使館はまた、「国際信教の自由法」の制定21周年を発表するなど、信仰の自由の重要性を強調するためにソーシャルメディアのプラットフォームを活用した。





By U.S. Mission Japan | 2020年7月8日 | トピックス: ニュース, 主要報告書, 日米関係