インフレに関係なく、金は1オンス1,800ドルの大台を超えた (RFI)

インフレに関係なく、金は1オンス1,800ドルの大台を超えた (RFI)









(L'or a franchi le cap des 1800 dollars l'once, sans inflation: RFI)

https://www.rfi.fr/fr/podcasts/20200709-lor-a-franchi-le-cap-1-800-dollars-lonce-inflation





コモディティ・コラム





インフレに関係なく、金は1オンス1,800ドルの大台を超えた





発表 2020年7月9日00:02







1オンス当たりの金価格が、水曜日の立会時間中に象徴的な水準の1800ドルを超えた。PAUL J. RICHARDS / AFP





記者 クレール・ファージュ






1オンス当たりの金価格が、水曜日の立会時間中に象徴的な水準の1800ドルを超えた。9年振りの高値となったこの貴金属は、不確実性の高いこの時期においてかつてない程に売れている。





水曜日の立会時間中に1,800ドル18セント。金は2011年の最高値に向けて再び上昇を始めた。これに先立つ6月上旬、米国の雇用統計が投資家たちに喜ばしい驚きを与えたものの、世界の衛生と経済の面に不安が戻ったために、この貴金属は値を下げていた。米国におけるその感染症の症例は300万例を超えた。





衛生と経済に心配な状況



米国の中央銀行FED連邦準備制度は、Covid-19が消費と雇用に与える影響に不安を抱いており、金融市場に改めて介入するだろう。大西洋の反対側では欧州委員会が、ユーロ圏では2020年に予想を上回る強い景気後退が発生し、2021年の景気回復は予想よりも弱くなるだろうと表明している。





ETFファンド…とトルコ中央銀行…が過去最大の購入



金はこれまでになく安全な資産だ。6月だけでも、ETF投資ファンドは60億ドル近くを費やして104トンの地金を買い増したことを、ワールド・ゴールド・カウンシル社は公表した。今年の初めからのこれら専門ファンドの在庫補充量は、金融危機の最中の2009年とほぼ同量だった。中央銀行に関しては、トルコが5月だけでこの貴金属の地金28トンを購入して経済的困難から身を守っていると、コントワール・ナショナル・ドゥ・ロール社が指摘する。トルコは662トンを金庫に納め、世界の金保有国のトップ10に入っている。この貴金属はトルコ・リラ建ての価格を3年間で3倍に上げたので、これは見事な企てだ!





金は最早インフレに結び付かない



しかし、この金の上昇がインフレに結び付いたものとは最早言い切れない。この貴金属の価格を高値へと押し上げているのは、ゼロからますます下へと放れる実質金利だ。金属の専門家ディディエ・ジュリエンヌ氏は、インフレそれ自体は資本市場に限定されるもので、実体経済労働市場には殆ど存在せず、金利の低下を相殺するものでも最早なくなったことを強調する。しかし、Covid-19によって持続的に苦しめられた経済は更なる金利の低下へと向かっている。彼によれば、論理的には、この金融スパイラルは金価格を短期間に1オンス2,000ドルという前例のない高値へと突き動かすだろう。





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