トランプ米政権、WHO脱退を国連に正式通告 コロナ禍のなか (BBC NEWS JAPAN)

トランプ米政権、WHO脱退を国連に正式通告 コロナ禍のなか (BBC NEWS JAPAN)









https://www.bbc.com/japanese/53330702





トランプ米政権、WHO脱退を国連に正式通告 コロナ禍のなか





2020年07月8日







Reuters

トランプ大統領はWHOについて中国寄りだと批判してきた






世界保健機関(WHO)から脱退する意向を表明していたアメリカのドナルド・トランプ大統領が、脱退に向けた手続きを正式に進めた。



トランプ氏は国連と米議会に脱退の意向を通告した。手続きには最短でも1年はかかるとみられる。



トランプ氏は5月下旬に脱退方針を表明。WHOについて、新型コロナウイルスパンデミック(世界的流行)発生時に中国の影響下にあったと非難していた。





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アメリカはWHOの資金の最大拠出国で、昨年は予算の約15%に相当する4億ドル(約430億円)超を出した。



欧州連合EU)の国々などが再考を求めているが、トランプ氏はWHOを脱退し、拠出金を別分野に振り向けると述べた。



国連事務総長報道官のステファン・ドゥジャリック氏は、米政府から2021年7月6日をもってWHOを脱退すると通告があったことを認めた。



野党・民主党上院議員で、外交委員会の筆頭委員を務めるロバート・メネンデス氏は、「議会はパンデミックのただ中、米大統領が正式に米政府をWHOから離脱させたとの通告を受けた」、「米国民は病み、孤立してしまう」とツイートした。





バイデン氏は再加盟を主張



CBSニュースは政府高官の話として、米政府はWHOに改革の要望を詳しく伝えたが、WHOはこれを拒んだと報じた。



この高官は、「強く求められている改革に取り組まなかったため、関係を絶つことになった」と述べたという。



11月の大統領選挙でトランプ氏と対決する民主党候補のジョー・バイデン前副大統領は、「私は大統領になった初日にWHOに再加盟し、世界の舞台におけるリーダーシップを回復する」とツイートした。



米議会の1948年の決議では、アメリカは脱退が可能だが、1年前の通告が必要で、未払いの拠出金は支払う必要があるとされている。



トランプ氏がこれを守るかは不明だが、国連のドゥジャリック報道官は守るべきだと強調した。



アメリカの脱退は、WHOの財政基盤と、多くの疾病対策や医療プログラムの継続を脅かす。





トランプ氏とWHO



トランプ氏は4月、WHOが30日以内に「大幅な改善」に取り組まない限り、資金拠出を止めると表明。



5月下旬になり、「WHOとの関係を打ち切り、拠出金を(他の国際保健団体などに)振り向けることにした」と述べた。



トランプ氏はこのとき、「世界は中国政府の不正によって苦しんでいる」とし、中国が「地球規模のパンデミックを引き起こした」と付け加えた。



また、中国がWHOに圧力をかけ、新型ウイルスに関して「各国に誤った情報を信じ込ませている」と、証拠を示さずに述べた。



そして、「中国はWHOを完全に掌握している」とした。



ドイツやイギリスなど他の国々は、WHOから脱退する考えはないとしている。



WHOは国連の保健衛生機関として1948年に設立され、スイス・ジュネーヴに本部を置く。194カ国が加盟し、加盟国の拠出金を資金として、各種ワクチン接種や疾病に対する緊急対応などに取り組んでいる。





(英語記事 Trump moves to pull US out of WHO amid pandemic





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