アメリカの「最大の脅威」は中国 米FBI長官が説明 (BBC NEWS JAPAN)

アメリカの「最大の脅威」は中国 米FBI長官が説明 (BBC NEWS JAPAN)









https://www.bbc.com/japanese/53331372





アメリカの「最大の脅威」は中国 米FBI長官が説明





2020年07月8日







Reuters

FBIのレイ長官は中国政府がアメリカ国内で広範な活動をしていると語った(写真は2月の議会証言時のもの)






連邦捜査局(FBI)トップは7日、中国政府によるスパイ活動と盗用行為が、アメリカにとっての「最大の長期的脅威」になっていると述べた。



FBIのクリストファー・レイ長官はこの日、ワシントンのシンクタンク「ハドソン研究所」のイベントで約1時間講演。中国はアメリカ側の混乱を引き起こそうと、多面的な活動をしてきたと述べた。



レイ氏によると、中国政府は国外在住の中国人に対し帰国を強要し、アメリカのコロナウイルス研究を妨害しようとしたという。





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「危険度は過去最高レベルだ」とレイ氏は述べた。



また、「中国はどんな方法を使っても世界唯一の超大国になろうと、国家的な取り組みを進めている」と付け加えた。





キツネ狩り」作戦



レイ長官は講演で、中国による妨害行為や広範な経済スパイ活動、データおよび資産の窃取、違法な政治活動などを列挙。中国が賄賂や脅迫によって、アメリカの政策に影響を及ぼそうとしていると述べた。



また、「FBIは今や10時間ごとに、中国が絡む新たな対スパイ活動を開始している」とし、「全国で目下進行中の5000件近い対スパイ活動のうち、半数近くは中国の関係だ」と話した。



レイ氏によると、中国の習近平国家主席はかつて、「キツネ狩り」と呼ばれた活動を指揮したという。この活動は、国外在住で中国政府にとって脅威となる中国人を対象にしているとされる。



「政敵、反体制派、中国の広範な人権侵害を公表しようとする政権批判者などだ」、「中国政府はそれらの人々を帰国させたいと思っており、実現に向けた中国の戦略は驚くべきものだ」。



さらに、「キツネ狩りの対象者の居場所を突き止められない場合は、中国政府はアメリカに住む家族のもとにスパイを送った。どんなメッセージを送ったのか? 対象者には2つの選択肢があることだ。速やかに中国に戻るか、自殺するか」と述べた。





米国在住の中国人に呼びかけ



レイ長官はこの日、異例の呼びかけもした。中国生まれのアメリカ在住者に対し、中国政府当局者が帰国を求めてきたらFBIに連絡するよう訴えたのだ。



中国政府はこれまで、帰国を求める活動について、反汚職が目的の正当なものだとしている。



レイ氏はまた、米司法省と国務省のトップも今週、中国の脅威について説明する予定だと明らかにした。



米中関係はこのところ緊張が高まっている。



ドナルド・トランプ大統領は、新型コロナウイルスの世界的流行について、中国のせいだと繰り返し非難している。一方、マイク・ポンペオ国務長官は今週、短編動画投稿アプリTikTokなど中国のアプリをアメリカで禁止する方針を明らかにしている。



ポンペオ氏は中国のアプリについて、「中国共産党による監視国家の手足として機能している」と述べた。



ワシントンで取材するBBCニュース中国語のザオイン・フェン記者は、レイ氏の講演内容について、「アメリカが中国を攻撃的な敵国としてだけでなく、世界のリーダーをめぐる野心的な競争相手としてみていることを示している」と分析した。





(英語記事 FBI director: China is 'greatest threat' to US





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