株式市場:ウォール街が米国経済と繋がりを断ったように見えるのはなぜか (RFI)

株式市場:ウォール街が米国経済と繋がりを断ったように見えるのはなぜか (RFI)









(Bourse: pourquoi Wall Street parait déconnectée de l'économie américaine: RFI)

http://www.rfi.fr/fr/podcasts/20200512-bourse-pourquoi-wall-street-parait-d%C3%A9connect%C3%A9e-l%C3%A9conomie-am%C3%A9ricaine





株式市場:ウォール街が米国経済と繋がりを断ったように見えるのはなぜか





発表 2020年5月12日10:17







ウォール街ニューヨーク証券取引所。SPENCER PLATT / GETTY IMAGES NORTH AMERICA / AFP





記者 ドミニク・バヤール





世界経済の悲観的な見通しにも係わらず、ニューヨーク証券取引所は過去10年間の活況を支えてきた幸福感を取り戻す準備が出来ているように見える。このウォール街実体経済との間のズレはどのように説明すれば良いのか?





先週ウォール街が見せた驚異的な反発は、確かにどこか非現実的だった。米国株式市場は3月の損失をほぼ一掃した。金曜日に発表された米国の失業率―数週間で2,000万件の新規申請があり、労働市場を建て直したここ数年の忍耐が無になった―は気にされなかった。パンデミックが始まった当初は、病気の進展のために株式市場が完全に停止し、ウイルスの進行を確認する情報が出される度に株価が急落した。パンデミックの力が弱まり始めている今、株式市場は本来の楽観的な見方を取り戻しているようだ。実際、この幸福感が非常に不安定であることを確認するには、これら米国株の諸指標を注意深く見る必要がある。自宅待機の期間とても役に立ったグーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン・マイクロソフトの各社は大きく株価を上げた。その反面、自宅待機のために干上がった一部の業種、たとえば石油業界は引き続き底値に向かっている。





インターネットの巨人たちの好調は偽りか?



一部の現実主義者たちは、これらの企業は上場一流企業500社の時価総額の20%を占め、そのため、これらの株価の僅かな変動が株式市場の動向に強く影響するとの説を唱える。反対に、先見の明のある人たちは、石油業界の規模は僅か3%でこれらは過去の経済に属しており、未来を予測するには株式市場における新興の強大企業の側を見なければならないと説明する。このような全ての分析がこの危機を利用して最善の運用を行うことを望む投資家の戦略を支える。このため、彼らは価格の低い間に購入するよう急き立てられる。現在フランスに滞在中のチェコの億万長者ダニエル・クレティンスキー氏は、日刊紙ル・モンドの株式の一部を売却し、その資金でメイシーズ百貨店の株式を購入した。彼は少なくとも総額の5%を所有している。今日、このような待ち伏せ中のハンターたちは、格好の獲物を仕留め損ねるのを恐れて急いでさえいるかのも知れない。斯くして、彼らは―恐らく余りにも早い―株価の押し上げに貢献する。





ショックや悪い出来事について他に懸念すべきことはあるか?



感染症の第2波が発生する可能性があると、全ての疫学者が指摘する。さらに、コロナウイルスが収束した時に経済回復がどのような形を取りどのように進むのか、まだ誰にも分からない。アナリストたちは、回復曲線がU字・V字・L字のいずれになるかを論じている。L字は、消費が回復しないか回復しても僅かに留まる最悪のシナリオだ。明日への恐怖と企業倒産の最も重大な結果となる失業がこの原因となる。企業の債務が記録的な水準であることを考えると、その多くは消滅するだろう。最悪の経済危機はいまなお私たちの前にある。トレーダーたちはこの見通しを知っているが、今のところFRBの強力な支援を得ているため、彼らがそれ以上にパニックになることはない。米国中央銀行は企業債務を購入するための大規模なプログラムを始めた。瀕死の企業の債務もこれに含まれる。このプログラムは今日始動する。これは市場を楽観に保つのに十分だが、新しい金融バブルを煽るのにも十分だ。





短信



欧州の経営者たちは欧州経済の活性化政策を要求している。本日開かれた共同の公開討論会で、イタリア・ドイツ・フランスの使用者団体の代表が、少なくとも5年間の長期に亘る、GDPの5%相当の大規模な活性化政策を求めた。彼らによれば、危機への対応は国家規模に止めずに、ブリュッセルが主導して欧州全体を対象に行うべきだ。





経済 米国 金融











(投稿者より)



"Les visionnaires expliquent au contraire que les pétroliers ne pèsent plus que 3%" 「反対に、先見の明のある人たちは、石油業界の規模は僅か3%で…と説明する。」白状しますと、これが何を言っているのかがよく分かりませんでした。"peser"ですから、本来は「重さがある」という意味です。



記事の公表から2週間が経ちましたが、株式市場はいまなお活況です。様子を見たいです。