コロナウイルス:再生可能エネルギーに歴史的な好機か? (RFI)

コロナウイルス再生可能エネルギーに歴史的な好機か? (RFI)









(Coronavirus: occasion historique pour les énergies renouvelables?: RFI)

http://www.rfi.fr/fr/podcasts/20200501-coronavirus-occasion-historique-les-%C3%A9nergies-renouvelables





今日の経済





コロナウイルス再生可能エネルギーに歴史的な好機か?





発表 2020年5月1日10:58・更新 2020年5月1日10:59







フランスの風力発電所(説明写真)。 AFP /Georges Gobet





記者 アーブラ・ジュナイディ






「歴史的ショック」。国際エネルギー機関(IEA)は木曜日、地球の大部分がコロナウイルスの蔓延を防ぐために自宅待機に入ってからの石油・ガス・電気の需要の崩壊をこう表現した。また、この歴史的ショックは再生可能エネルギーを促進する歴史的な好機に変わるかも知れないと、同機関は述べる。ただ、そうなるよう当事者たちを促す必要はある。





歴史的な数字が出た。国際エネルギー機関によると、世界のエネルギー需要は今年6%減少するかも知れない。交通や工場が国によって停止したり減速したりしているため、石油と石炭が落ち込んでいる。これには大気へのCO2排出量を8%削減する効果がある。2008年の金融危機後と比べて6倍の落ち込みだ。危機が人に与える損害を考えると必ずしも喜ばしいことではないが、地球は息づいている。石油会社は息絶え絶えで、価格崩壊がその財務健全性に悪い影響を及ぼしている。





これを背景に、彼らが再生可能エネルギーへの投資戦略を見直すか否かが問題に上がるかも知れない



世間はそう思ったかも知れないが、その方向には進んでいないようだ。英蘭系企業シェル社は危機にも係わらず、ごく最近になって初めて二酸化炭素排出量削減のための具体的な目標を設定した。同社の直前にBP社が行ったようにだ。仏トタル社については、今年は15~20億ドルの再生可能エネルギーへの投資を危機により見直すことはないと、同社社長が言い切っている。それでも、現在の嵐の中で同社はそれらを「安定化要因」と見なしている。これは石油投資のコストやリスクが高まったことへの皮肉だ。政治的圧力はいまなお強い。トタル社は今月末の株主総会で、これら気候変動への取り組みについての決議を株主たちから求められるだろう。





国に対しても同じ質問が出来る。彼らにグリーンエネルギーの支援を続けるつもりはあるのか?



答えにくい質問だ。2008年の金融危機を思い出すならば、あの時は回復に伴い石油と石炭の使用量が爆発的に増加し、そのために汚染物質が大量に排出された。今日、同じように大量の石油が同じように安く供給されているので、安易な道に陥らずに済むのは難しいだろう。中国では工場が再開しつつあるが、その多くは石炭で稼働している……国際エネルギー機関は、エネルギー移行の加速と経済の活性化を両立するために、国家の経済刺激策にクリーンエネルギーへの大規模な投資を加味するよう求めている。





全ては、再生可能エネルギー業界が危機を免れないことを示している



先月、専門コンサルタントのリスタッド社は、この業種ではウイルスの影響が長期に亘って感じられるだろうとの予測を公表した。これは特にブラジル・メキシコ・南アフリカなど、野心的な太陽光パネル事業を進める国々で当てはまる。問題は、自国通貨が経済の減速によりドルに対して下落し、このためにこれらの事業経費が値上がりすることだ。フランスでは先月、政府が業界を安心させたいと考え彼らに財政的モラトリアムを認めた。ブリュッセルでは欧州グリーンディールの事業責任者が危機を余所に、経済の活性化を目的とした資金がエコロジーとデジタルへの移行を促進すると請け合った。現在の危機の中ではいかなる国も自国の意思のままに行動することは出来ないだろうし、また、それを望まないだろう。





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