人工呼吸器の生産競争、これは不可能な任務か？ (RFI)
(La course aux respirateurs artificiels, une mission impossible?: RFI)
http://www.rfi.fr/fr/podcasts/20200331-course-respirateurs-artificiels-mission-impossible
今日の経済
人工呼吸器の生産競争、これは不可能な任務か？
発表 2020年3月31日10:54・更新 2020年3月31日13:00
ベルギー・ブリュッセルのサンジャン病院で、看護師が人工呼吸器を押す、2020年3月20日。REUTERS / Yves Herman
記者 ドミニク・バヤール
マスクの生産競争に続き、今や人工呼吸器の生産競争に世界中の政府が頭を抱えている。この不足を補うために全ての善意が活用され、自動車業界では特別な取り組みが為されている。
なぜなら、Covid-19の患者に呼吸困難が突然起こった場合、この機器に頼れるかが生死の問題になるからだ。現在のところ、この装置により人工的な援助を提供される数週間だけが回復のチャンスだ。ウイルスの極めて急速な蔓延により、殆どの病院では既に人工呼吸器が不足している。この不足への対応として医師が患者のトリアージを行うのを避けるために、フランスでは人工呼吸器の総数を3倍にしたいと考えている。コロナウイルスの大規模発生地の1つである仏グラン・テストでは、地域の病院が約束されたこの貴重な装置をまだ受け取っていない。全世界で必要な人工呼吸器は数十万台に上る。欧州諸国にとっての朗報は、それがまだ自国の近くで大量生産される機器であることだ。
しかし、需要は既存の生産能力を大きく上回る。
工場を週7日・1日24時間稼働させてもだ。フランスの供給業者はエア・リキード社だけ。欧州を代表する生産国はドイツ・スウェーデン・スイスだ。世界のトップ企業の1つ・独ドレーゲル社は現在生産を4倍に増やし、殺到する注文に対処するために500人を採用した。同社は自国内に10,000台の人工呼吸器を届け、更に、外国政府からの10,000台の注文を捌くことが出来るだろう。しかし、同社の社長は他の注文には応じられないことを認める。需要が桁外れに大きいのだ―特に、米国で。米国には人工呼吸器業界が存在するが、ここでも即時の需要を満たすだけの規模がない。ニューヨーク市だけでも30,000台の人工呼吸器を購入したいと考えている。米国全土では80,000台が直ちに必要なようだ。
この不足を和らげるために、あらゆる業種のメーカーが創意工夫を競う
イタリアでは、3D繊維の専門企業がデカトロン社の販売するダイビング用マスクに取り付けるバルブを製造している。このバルブは応急の人工呼吸器に加工される。掃除機で有名な英ダイソン社は10日間で独自の人工呼吸器を開発しており、これを15,000台生産することを考えている。イギリスでは航空機業界や自動車業界もこの挑戦を受けて立ち、少なくとも更に10,000台の装置が工場から出せそうだ。自動車業界からの転換は米国が最も進んでいる。テスラ・フォード・ゼネラルモーターズは、米国の医療機器メーカーと提携して大規模に生産している。
従来のメーカーは、この総動員体制の有効性について懐疑的だ
先ず、彼らは自社工場のための中間製品の不足を恐れているからだ。人々に意欲があっても、特に業界を構築するには時間が掛かる。ゼネラルモーターズが材料を受け取るのは4月の終わりで、その時ニューヨークでは既にコロナウイルスのピークが過ぎているだろう。問題を認めず、そのために多くの時間を失った後で、ドナルド・トランプ氏は先週金曜日、企業にこの戦いへの参加を強制するために「国防生産法」を発動した。現在、米国政府はゼネラルモーターズに対してお金の問題をめぐり言い逃れをしている。政府は、このメーカーが戦争への取り組みで利益を上げたがっていると疑う。米国政府は実際には完全に民間の利益のために動いている。政府は、パンデミックに備えるための人工呼吸器の在庫を作るために20年を費やした。安価な装置を得るために署名された契約は全て頓挫し、ある供給業者は最も高価な装置を出荷する恩恵を得て、別の供給業者は低コストの業界が成立するのを殆ど望まない競合他社に買収された。
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中国の景況感が既に強いプラスに転じたようで、皆が驚いている
諸業界の注文帳に着想を与える購買担当者指数が今月上向きに戻った。2月の指数は35で史上最低だったが、今月は52だ。50を超えると景気の拡大を意味する。恐らく、このような成果は一時的なものだ。中国の諸当局は、自国経済がまだ安定していないと考えている。
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