トランプ氏、欧州からの渡航を30日間停止 新型ウイルス対策/米株式市場が急落 新型ウイルス「パンデミック」宣言受け (BBC NEWS JAPAN)

トランプ氏、欧州からの渡航を30日間停止 新型ウイルス対策/米株式市場が急落 新型ウイルス「パンデミック」宣言受け (BBC NEWS JAPAN)









https://www.bbc.com/japanese/51846913





トランプ氏、欧州からの渡航を30日間停止 新型ウイルス対策





2020年03月12日







トランプ氏、イギリス除く欧州からの渡航一時停止を宣言





アメリカのドナルド・トランプ大統領は、11日のテレビ演説で、新型コロナウイルスの感染拡大への対策として、ヨーロッパからの同国への渡航を30日間停止すると発表した。イギリスなどは除外される。



トランプ大統領は、新たな渡航制限は「強力だが必要な」ものだと説明。これまでに460人の感染が確認されているイギリスは対象ではないとした。



また、「この国に新たな感染者が上陸しないようにするため、我々はアメリカへのヨーロッパからのすべての渡航を今後30日間停止する」と述べた。



そして、「この新たな制限は、13日午前0時から施行される」とした。



演説後、米政府は制限の対象について、ヨーロッパ内での移動の自由に関する「シェンゲン協定」の加盟国26カ国からの渡航に限定されると発表した。



また、トランプ氏は演説で、ヨーロッパからの貨物も制限の対象になると述べたが、のちにツイッターで「貿易は影響を受けない」、「制限は人だけで貨物は対象ではない」と投稿した。



アメリカ国内では新型ウイルスで1135人が感染し、38人が死亡している。





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新型ウイルスのアウトブレイク(大流行)による経済への影響に対処するため、トランプ氏は給与税の減税措置を議会に提案している。



トランプ氏は、「直ちに米国人の給与税を減税するよう、議会に求めている」と述べた。







感染症パンデミックとエピデミック、エンデミック……違いは?





米国内の状況は





当局が、米国の一般市民への感染リスクは低いとしている一方で、国内で今月初旬に新たな症例が数多く確認されたことで、懸念が深まった。



封じ込め対策は本格的に始まっている。同国でのアウトブレイクの1つが発生したとみられるニューヨーク州ニューロシェルでは、学校の消毒作業や、隔離措置を受けている人々への食料の配達作業にあたるため州兵が派遣されている。



ワシントン州のジェイ・インスリー知事は、州内の複数の郡で、大規模な集会を禁止している。米国での死者38人のうち24人は同州で確認されており、米国内のアウトブレイクの中心となっている。



プロバスケットボール協会(NBA)は11日、翌日以降の今シーズンを中断する異例の措置を発表した。この前には、ユタ・ジャズの選手が新型ウイルスの検査で陽性が確認されていた。











(英語記事 Trump halts travel from Europe to US





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https://www.bbc.com/japanese/51847468





米株式市場が急落 新型ウイルス「パンデミック」宣言受け





2020年03月12日







Getty Images





米株式市場は11日、急落した。新型コロナウイルスの大流行を世界保健機関(WHO)がパンデミック(世界的流行)と宣言したのを受け、値下がりが加速した。



ダウ工業株平均は1500ドル近く安くなり、下げ幅は5.8%だった。S&P総合500種は4.9%、ハイテク株中心のナスダック総合指数は4.7%下げた。



ダウ平均の下落率は最近の最高値と比べると20%を超えた。これは景気後退の基準とされることが多い。



新型ウイルスの感染拡大は世界経済に影響を及ぼし続け、市場の下落を招いている。

英は大型景気刺激策



このウイルスによる病気への懸念から、製造業では生産が中断され、閉鎖やキャンセルが相次ぎ、働き手を自宅にとどまらせている。



リシ・スーナク英財務相は11日、300億ポンド(約4兆円)規模の景気刺激策を発表した。英中央銀行イングランド銀行政策金利の引き下げを緊急決定した。





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一方、アメリカではドナルド・トランプ大統領の減税案が支持を広げられず、政府と議会が緊急経済対策で合意できていない。



ティーヴン・ムニューシン米財務長官は11日、政府が納税期限を延長や、自宅待機を命じられた従業員の傷病手当の補てん、航空会社など影響を受けた業種への借入保証をする意向だと述べた。



ムニューシン氏は、「我々は健康問題だけでなく経済問題にも集中している」と述べた。





欧州は景気後退の予測も





ニューヨーク連邦準備銀行も、銀行への短期資金の貸付を拡充することで、金融市場に資金を供給すると発表した。こうした動きは今週2度目となる。



中央銀行に当たる米連邦準備理事会(FRB)は先週、金融危機以降で初めて政策金利を引き下げた。



これは、新型ウイルスの感染拡大により、今年の世界的な経済成長への期待が急速に弱まったことを受けての措置だった。



英金融情報会社HISマークイットは11日、世界の経済成長率について、前月予測の2.5%から1.7%に下がる見通しだと述べた。



また、新型ウイルスの流行により、すでに低成長になっている欧州は景気後退に入り、アメリカの成長率も1.8%に縮まるとみられると予測。「COVID-19(新型ウイルスの感染症)の世界的流行が、2020年初期の世界経済が直面している唯一最大のリスクだ」とした。



11日には、 ロンドン証券取引所株価指数FTSE100が1.4%下落。その他の欧州指標は小幅の減少だった。こうした減少は、数週間続く市場の混乱を受けたもの。



ダウ平均の20%の下落は下げ相場を招き、2009年から続いていた上げ相場が終わった。最大の下げ幅となったのは、米航空機大手ボーイングの18%だった。



ムーディーズ・アナリティックスのシニアエコノミスト、カトリナ・エル氏は、「ウイルスそのものでなく、それに関する恐れやパニックと、関連して変化した経済行動がマイナス転換のきっかけとなり、世界経済をより暗い道へと追いやっている」と話した。





(英語記事 Stock markets plunge as virus becomes a pandemic





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