米株式市場「サーキットブレーカー」発動 株価暴落の原因は?(人民網日本語版)

米株式市場「サーキットブレーカー」発動 株価暴落の原因は?(人民網日本語版)









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米株式市場「サーキットブレーカー」発動 株価暴落の原因は?





人民網日本語版 2020年03月10日14:19





米国の株式市場は9日、開始直後に暴落し、S&P500の下げ幅が7%に達すると、値動きを制限するシステム「サーキットブレーカー」が発動され、取り引きは15分間停止した。



米株式市場で同システムが発動されたのはこれが2回目で、前回は1997年10月27日にダウ・ジョーンズ工業株価平均の下げ幅が7.18%に達した時で、これは1915年以来最大の下げ幅だった。



9日の取り引きが始まると、ダウ平均は3.37%、ナスダック総合指数は7.21%、S&P500は5.88%、それぞれ下落した。開始早々、下げ幅は急速に拡大し、ダウ平均株価は一時は8%近く下落して下げ幅は2千ドル(1ドルは約103.4円)を超え、2万4千ドルを割り込んだ。ナスダックは下げ幅が一時7%を超え、取り引き中に8千ポイントを割り込んだ。S&P500は2800ポイントを割り込み、下げ幅が7%に達してサーキットブレーカーが発動された。



取り引き再開後、3大株価指数の下げ幅は縮小した。本記事執筆時点で、ダウ平均は5.71%の下落で2万4千ドルを回復し、ナスダックは5.42%の下落で8千ポイントを回復し、S&P500は5.67%の下落となった。





米株価が暴落した原因は?





分析によると、投資家が新型コロナウイルスによる肺炎がグローバル供給チェーンを破壊し、経済が衰退するのではないかとの懸念を強めたため、米株式市場は先週ジェットコースターのように激しく変動した。週末にはサウジアラビアが「原油価格戦争」に再び踏み切り、これがグローバル金融市場の暴落の導火線になったという。米株価の暴落はこの先の更なる乱高下を示しているかもしれない。



海外メディアの報道によると、今月7日、サウジが欧州、東アジア、米国などの海外市場向け原油価格を大幅に引き下げ、下げ幅は過去20年で最大となり、海外石油精製企業によるサウジの原油購入を促そうとした。



三菱UFJフィナンシャル・グループエコノミストであるクリス・ラプキー氏は、「原油価格引き下げの計画でより多くの現金が人々の手の中に流れ込むことになり、消費支出を牽引して経済を振興させることが可能になるが、この動きは株式市場が投資家に与える打撃を解消していないようだ。ウォール街の苦境は経済に悪影響を与える可能性がある」との見方を示した。



現時点で、ダウ平均の今年の累計下げ幅は14%を超え、ナスダックも9%を超え、&P500は13%に迫る。10年物米国債の利回りは初めて0.5%を割り込んで0.456%となり、過去最低を更新した。30年物米国債利回りは1%を割って0.870%になった。





暴落したのは米株だけではない





サウジは原油の輸出価格引き下げと大幅増産計画を明らかにして「価格戦争」を引き起こし、これに新型肺炎による需要の低迷といった要因が合わさり、9日には国際原油価格が主要取引市場の開始からすぐに30%以上値下がりして30ドルを下回り、これにより、世界の主要なリスク資産が大幅に値上がりした。



「価格戦争」などの影響で、9日はアジア・太平洋の株式市場が軒並み暴落した。日系平均株価が5.07%低下し、韓国総合株価指数は4.19%低下し、香港ハンセン株価指数の下げ幅が4%を超えた。欧州市場にも影響が及び、現時点で英国FTSE100指数は6.31%低下、フランスCAC40指数は6.49%低下、ドイツ株価指数は6.59%低下している。



海通証券のチーフエコノミストである姜超氏は、「金融市場がこれほど混乱した根本的な原因は、やはりグローバル経済に成長のエネルギーが不足していること、政策の可能性が限定的であること、これまでの株式相場が高すぎたことなどにある。こうした背景の中、突発的な状況が起これば、グローバル金融市場にはたやすく大きな動揺が起こる」と指摘した。





サーキットブレーカーとは?





1987年10月19日、米ニューヨーク証券取引所で史上最大の暴落が起こり、ダウ平均はその日のうちに22.6%低下したが、サーキットブレーカーと値幅制限がなかったため、百万人を超える富豪が一夜にして資産を失って転落し、米金融界はこの日を「ブラックマンデー」と呼んだ。



1988年10月19日、米商品先物取引委員会(CFTC)と米証券取引委員会(SEC)はニューヨーク証券取引所シカゴ・マーカンタイル取引所におけるサーキットブレーカーのシステムを承認した。



サーキットブレーカーのシステムとは、相場が極端に下落すると取引を停止または閉鎖するというもので、発動の有無はダウ平均の前日終値に基づいて決定される。これまでにたびたび改定され、現在適用されている基準は、ダウ平均が米国東部標準時の9時30分から15時25日までの間に7%以上下落した場合は、レベル1として取引が15分間停止され、13%以上下落した場合は、レベル2として取引が15分間停止され、20%以上下落した場合は、レベル3としてその日の以降の取引がすべて停止されるというものだ。



米株式市場でこれまでに同システムが発動されたことは1回しかなく、1997年10月27日にダウ平均が7.18%低下した時で、この日の終値は7161.15ドルとなり、1915年以降で最大の下げ幅となった。(編集KS)





人民網日本語版」2020年3月10日