「蔡英文氏、台湾総統に再選」(BBC NEWS JAPAN・フォーカス台湾・人民網日本語版)

蔡英文氏、台湾総統に再選」(BBC NEWS JAPAN・フォーカス台湾・人民網日本語版)













(BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/51087200





台湾総統選、蔡英文氏が圧勝で再選 中国は見誤った?





2020年01月13日







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11日の台湾総統選挙で再選を果たした与党・民主進歩党民進党)の蔡英文氏は、中国に脅しをやめるよう求めた






台湾で11日、総統選挙の投開票が行われ、現職の与党・民主進歩党民進党)の蔡英文氏(63)が再選を果たした。中国との関係が最大の焦点となる中、約820万票(得票率57%)を獲得して圧勝した。



中国との関係強化が台湾に経済的利益をもたらすと主張する、対抗馬の最大野党・国民党の韓国瑜氏(62)の得票数は約550万票(得票率39%)だった。



中国に強硬な姿勢をとっている蔡総統は勝利演説で、台湾を力ずくで奪還するといった脅しを放棄するよう中国側に求めた。



蔡総統は記者会見で、「台湾は世界に対して、我々が自分たちの自由民主主義的な生き方をどれほど大切にし、自分たちの国をどれほど大切にしているかを示している」と述べた。



「平和とは、武力行使を辞さないとする台湾への脅しを中国が放棄しなければならないことを意味する。(中略)私はまた、中国当局が、民主主義的な台湾も、我々の民主主義に基づいて選出された政府も、脅迫や威嚇行為を認めないということを理解してくれると願っている」



中国政府は1949年の分断以来、台湾での主権を主張。台湾は最終的に中国と統一されなければならず、必要であれば武力行使を辞さないとしている。







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中国との関係強化を主張してきた国民党の韓国瑜氏






「強固な民主制度」の証明





敗北を認めた韓氏は、地元高雄市で支持者らを前に、「蔡総統に電話で祝福を伝えた」と述べた。



アメリカ政府は、台湾の「強固な民主制度」の証明だとして、蔡総統の勝利を歓迎した。



国務省は、「蔡総統のリーダーシップの下、台湾が今後も、民主主義や繁栄、そして人々のためのより良い道筋を目指して努力する国々にとっての、輝かしい手本としての役割を果たしていくことを願っている」としている。







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韓国瑜氏の支持者は選挙結果に打ちひしがれた






前回から130万票増





台湾の有権者は、香港の民主化デモへの中国政府の対応を注視していた。



そのため、投票に先立ち行われた世論調査では、台湾の未来は2300万人の台湾人によって決められるべきだと主張する蔡総統が最も高い支持率を得ていた。そして今回、前回の2016年総統選を約130万上回る票数を獲得した。



総統選と同時に投開票された立法委員選挙では、蔡総統率いる民進党過半数を維持した。







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蔡英文氏の支持者は投票結果に歓喜した






一国二制度」を拒否





中国は、諸外国が台湾を独立主権国家とみなし、外交関係を持つことを認めていないが、多くの国は、貿易において台湾とあいまいな関係を維持している。



蔡総統は、「既存のメカニズムを維持」し、事実上の独立状態を危険にさらしたくない考えだ。



中国政府は台湾に対し、香港と同様に「一国二制度」の下で、台湾を治めるよう提案しているが、蔡総統はこれを拒否している。



蔡総統はBBCに対し、台湾は香港の情勢から「教訓を得る」べきだと述べた。「もし我々が(台湾の独立性の維持を)主張しなければ、今我々が手にしているものすべてを失うことになるだろう」。














<解説>中国は見誤った?――ジョン・サドワース、BBC北京特派員





2期目を目指していた台湾の蔡総統が約800万票を獲得した。これは、並外れた得票数だ。



過去最多の得票数は蔡総統の圧勝をもたらし、中国政府に対する大きな拒絶を示した。



今回の総統選挙の争点に台中関係が浮上したことで、低下していた蔡総統の運気を取り戻すことにつながった。



そして、蔡総統の勝利には、明白な政治的皮肉が含まれている。



中国政府の、大中華圏という厳格で権威主義的な展望は、その構想の可否を占う機会となった総統選で拒絶された。



中国共産党が台湾に対する圧力を増大せず、香港における危機的状況への対応をよりひかえめにしていれば、中国政府を阻止しようとする蔡総統の当選の可能性はずっと低かったかもしれない。



投票結果を受け、勝利は中国の習近平国家主席のおかげかと、私は蔡総統に尋ねた。



彼女は微笑んだ。





(英語記事 Taiwan's Tsai wins second presidential term





関連トピックス 政治 台湾 アジア











(フォーカス台湾)

http://japan.cna.com.tw/news/apol/202001120008.aspx





蔡総統再選に国際社会から祝福続々 中国は「一つの中国」堅持強調/台湾





【政治】 2020/01/12 18:02







再選を決めて喜ぶ蔡英文総統(右)





台北中央社)11日投開票された総統選で蔡英文総統が再選を果たしたのを受け、中華民国(台湾)と外交関係を結ぶ国や日米など友好国から、蔡総統の再選を祝福するメッセージが寄せられている。外交部(外務省)は報道資料やツイッターで、各国に感謝を示した。一方、中国当局は「一つの中国」原則を堅持し、「台湾独立」に反対する姿勢を改めて表明した。



12日午後4時までに声明文や談話、祝電、ツイッターなどで祝賀メッセージを寄せたのは、米国や日本、ドイツ、カナダ、欧州連合EU)のほか、中華民国と国交を有するパラオ、ハイチ、パラグアイグアテマラホンジュラスセントビンセント・グレナディーン、セントクリストファー・ネービス、エスワティニなど。欧州議会やフランス国民議会、フィンランドの各親台派グループのメンバーも声明やツイッターを通じて蔡総統に祝福を伝えた。



米国からはポンペオ国務長官が声明で蔡総統に祝福を送り、「台湾は再び堅固な民主主義制度の強さを示した」と評価した。日本は茂木敏充外相や対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所の泉裕泰代表(大使に相当)がそれぞれ祝意を示した。外交部は米国、日本それぞれに対し、報道資料で感謝を表明。日本政府に対しては「民主主義で自由な社会の肯定と支持に感謝する」とし、固い友好関係を基礎に各分野での交流や協力を引き続き深化させていくと意欲をみせた。





▽中国、「一つの中国」原則堅持を強調





中国で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官は11日深夜、報道資料を通じ、北京政府が「平和的統一」や「一国二制度」といった対台湾の基本方針と「一つの中国」原則を堅持し、「台湾独立」に反対する立場を改めて強調した。中国外交部は12日、台湾の選挙に関し、メディアの質問に対する耿爽報道官の回答を公式サイトに掲載。「一つの中国原則を堅持し、『台湾独立』、『二つの中国』、『一中一台』に反対する中国政府の立場は変わらない」とし、「国際社会が一つの中国原則を引き続き堅持することを望み、かつ信じている」と各国に呼び掛けた。





-参考-



外交部、中国と国交のある国が台湾地区とのいかなる公的往来にも反対人民網日本語版)[2020.1.13]











人民網日本語版)

http://j.people.com.cn/n3/2020/0113/c94474-9648314.html





両岸統一の大勢は一度の選挙で変わらず





人民網日本語版 2020年01月13日14:59





台湾地区の指導者と民意代表の両選挙の結果が11日夜、明らかになった。民進党の候補者である蔡英文氏が台湾地区の指導者に再選された。今回の選挙結果をどう受け止めるべきか。



過去数カ月間を振り返ると、民進党蔡英文氏は執政資源を頼りに、あらゆる手段を尽して勝利を追求してきた。政策的な票の買収、党・政・軍・特・憲などの機関を利用した対立候補への攻撃、サイバー軍を育成して対立候補のイメージを汚し、濡れ衣を着せる等々だ。この側面から言って、これは卑劣な選挙であり、何の公正性もない。一方、「ブルー陣営」は内輪もめばかりで外には弱いという悪弊から脱却できなかった。選挙開始当初から「ブルー陣営」は内争が絶えず、外には後ろ盾がなく、多くの支持者を落胆させた。



米国や西側の反中勢力が選挙に公然と介入したことも見てとれる。特に米国は「台湾を直接支援して対処能力を強化する」ため、台湾地区関連の一連の法案を打ち出し、民進党が大陸と対抗することを黙認した。また、民進党は不当な選挙利益を得るために、香港の条例改正騒動において波風を巻き起こし、鹿を指して馬となし、是非を転倒させ、島内で恐怖を引き起こした。



今回の選挙結果に対して、両岸関係の発展に関心を持っている人々には疑念の声が少なくなく、両岸関係の平和的発展と平和的統一が遠のくことを憂慮してもいる。こうした疑念と憂慮は、どちらも理解できる。



だが、両岸関係発展の基本構造が一度の選挙で変わることはない。大陸には完全に「台湾独立」分離活動を抑え込む能力があり、台湾海峡情勢の全体的安定を保ち、両岸関係の平和的発展を先導し、推進し、国家の統一を着実に推進する自信がある。



同時に我々は、今回の選挙結果が両岸関係の発展過程における台湾地区の一部民衆の複雑な心理を一定程度反映していることにも目を向けるべきだ。まず、歴史的経験や社会発展の変遷が異なる台湾民衆は、思想・感情、価値基準、思考方式などが多くの大陸同胞とは少なからず異なり、国家や民族の重大な利益に関わる一部の問題においても見解が異なる。



次に、「台湾独立」分離勢力の「脱中国化」が深刻なアイデンティティーの危機をもたらしている。特に教科書の入念な歪曲が、台湾地区の青少年の国家・民族・文化アイデンティティーの混乱を直接的に招き、多くの若者のが台湾は台湾、中国は中国で、両岸は無関係と認識するにいたっている。



第3に、大陸の台頭、台湾地区の衰退、両岸の総合的実力の盛衰に、台湾地区の一部民衆は無力感、焦慮、危機感を抱いている。この事が民進党につけ込む隙を与えた。



この側面から言って、大陸同胞は「両岸は家族」との理念を堅持し、「精衛、海を填む」根気をもって台湾同胞との心の溝を埋め、苗に降り注ぐ春雨の善意をもって台湾同胞のわだかまりを取り除くべきだ。



我々は「九二共識(92年コンセンサス)」の堅持と「台湾独立」への反対という共通の政治的基礎を堅持して、台湾同胞と共に両岸関係の平和的発展を促進し、祖国の平和的統一を推進することを望んでいる。(編集NA)





人民網日本語版」2020年1月13日