日本:フクシマの水は放射能が強すぎて放出できないと、環境活動家たちは述べる (DW English)

日本:フクシマの水は放射能が強すぎて放出できないと、環境活動家たちは述べる (DW English)









(Japan: Environmentalists say Fukushima water too radioactive to release: DW English)

https://www.dw.com/en/japan-environmentalists-say-fukushima-water-too-radioactive-to-release/a-51331676





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日本:フクシマの水は放射能が強すぎて放出できないと、環境活動家たちは述べる





福島の放射能災害で放射線に晒された水を太平洋に捨てても今や安全だと、日本の当局者たちは主張している。環境活動家たちは水が汚染し過ぎていると述べる。ジュリアン・ライオールが報告する。











損壊した福島原発に貯蔵される汚染水を海洋に放出しても安全だと主張する日本政府の声明について、環境諸団体は懐疑的だ。



月曜日、経済産業省の当局者たちが政府委員会で発表を行い、2011年3月の原発事故のために生じた放射性核種を吸収した水の放出に関連した健康リスクは「小さい」だろうと述べた。



聴聞の際、1年間に亘る水の放出によりもたらされる被曝の総量はごく僅かでヒトが毎年自然に被曝する程度だと、当局者たちは述べた。



当局者たちは、東北日本の敷地内で鋼鉄製タンクに貯蔵される汚染水は100万トンを上回るが、貯蔵設備の能力が既に限界に近いと述べた。





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福島原発を運営する東京電力(TEPCO)は、2011年の地震津波の結果として約120トンの地下水がメルトダウンを起こした原子炉3基の地下に漏入しているため、2022年夏に貯蔵タンクが能力の限界に達すると推算する。







高レベル放射能汚染水に浸水している損傷した福島の原子炉制御棒





汚染の問題





水はそのまま海洋に放出することが最善の処分方法だと、東電と政府は長年考えてきた。彼らは今年までは、汚染水はいわゆる先進の水処理システムにより、実質的に全ての放射性核種が「検出不能」のレベルに減少するところまで浄化されたと主張していた。



しかし、漏洩した東電文書から、多様な量の放射性核種62種—ストロンチウムヨウ素セシウム・コバルトを含む—が水から除去されていないことが示された。



また、独立諸団体が敷地内に貯蔵されている水を検査できるようにするのを拒否したため、同社は批判を受けた。





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それでも環境活動家たちは、環境に水を放出する準備が進んでいるのを恐れている。



「処理済みの水の処分方法について最初の報告が委員会に提出された1年前の当時でさえ、海洋への放出が最善の選択肢とされていたことは明らかだったように思える」と、東京に本部を置く原子力監視団体セーフキャスト・ジャパンのアズビー・ブラウン研究主任は語った。蒸発させることや水を埋めることが他の選択肢に含まれている。



「こうしたことから彼らは既に結論に至っており、選択肢について今行われているこれらの議論は全てただの芝居だと私は理解している。」





貯蔵能力増強の呼び掛け





セーフキャスト・グリーンピース・他の環境諸団体は、敷地内にタンクを増設するよう会社に呼び掛けた。更に、敷地境界内の場所が一杯の時には、汚染が強すぎるとの理由から最早使用不可能になった隣接農地に貯蔵設備を増設するよう主張している。



東電の当局者たちは、タンクを既存の敷地内から出したくないとの理由からその選択肢を除外したと、ブラウン氏は語った。



政府と東電は水を太平洋に捨てると自分たちの評判が大きく損なわれるので、最終的にはそのような結論は出さないと、もっと楽観的に考える人々もいる。



「実際、彼らは事あるごとにこの選択肢に戻るようだが、それをどう進めるかを一旦考え始めると、実質的に不可能だと直ぐに分かる」と、原子力資料情報室の伴英幸共同代表は語った。





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「彼らが処理済みだと言う水の中にどの程度の放射性核種が存在するのか、私たちには分からないが、トリチウムの濃度が1リットル当たり約100万ベクレルであることまでは推測できる」と、彼は語った。



「政府は放出前の水の濃度について、1リットル当たり60,000ベクレルの目標を設定した。しかし、1,500ベクレルまで濃度を下げたいと東電は言っている。」



「そうするためには長い時間が掛かり、そして、その基準を満たすことを確認するために放出される水のタンクは全て検査を受ける必要がある」と、伴氏は語った。「水の貯蔵をそのまま更に30年続けることにした方が増しだと、私たちは考える。」





悪い選択肢の中で最善?





全ての利用可能な選択肢を検討した上で政府が水の処分方法を最終的に決めると、東電は述べた。



しかし、同社のある当局者は判断を下すための時間はなくなりつつあるとDWに語った。





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「私たちが現在敷地内に増強中の能力は3年後に使い果たされ、タンクを造る場所は他にどこにもない」と、彼は語った。「政策と行動指針にを決めて貰うよう、私たちは政府に対し3年間の窓を開けている。」







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発表 2019年11月20日

記者 ジュリアン・ライオール(東京)

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