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米国の制裁 VS 国民主権(Sputnik日本):阿修羅♪

米国の制裁 VS 国民主権(Sputnik日本):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/313.html







https://jp.sputniknews.com/opinion/201810165464708/





米国の制裁 VS 国民主権







© Fotolia / Alexkich





オピニオン





2018年10月16日 23:04






アンドレイ イルヤシェンコ





米国による制裁がグローバル規模で無視され続けている。9月末に米国は、もし2011年から数えた場合、実に60回目となるロシアの個人、法人に対する制裁を発動した。ところが、これに違反した者はどの国であろうと罰すると米国が脅しをかけたにもかかわらず、その効き目も気が抜け始めた。今回、米国の圧力をものともしなかったのはインドだ。





スプートニク日本





インドのビピン・ラヴァト陸軍参謀本部長は10月7日、「ニューインディアン・エクスプレス」紙からの取材に、インド政府は、ロシアから地対空ミサイルシステムS-400「トリウムフ」を購入したことで米国が制裁を発動しうることは認識していると語っていた。にもかかわらずラヴァト参謀本部長は、「それでも我々は独自の政策を行っていく」と明言していた。10月5日、プーチン大統領のインド訪問で同国へのS-400の供給契約が締結された。5つの大隊に供給される最新ミサイルシステムは総額54億3千万ドル。この契約は、米国が「敵対者に対する制裁措置法(CAATSA)」の発動も辞さないと脅迫したにもかかわらず、締結された。







© Sputnik / Alexei Danichev

インド、ロシアからS-400システムを購入する件で、米国の制裁回避を望む






興味深いのは、米国は制裁体制が侵食されつつある恐れを感じ始めたということだ。9月初め、ポンペオ米国務長官はデリー訪問で記者団に対し、ロシア製武器の購入で米国はインドに制裁を発動する構えにないことを明らかにしていた。「我々は、インドのような米国の素晴らしい戦略的パートナーを罰することのないよう尽力している。」ポンペオ長官はこう強調していた。



ところが今回のインドの決定で、トランプ氏の提唱するインド太平洋戦略の枠内での印米協力は今後どう発展するのか、そもそも日米印豪の枢軸の将来性はどうなるのか、という問題はなかなかの興味を孕んできた。



制裁問題はNATO内部にも亀裂を走らせた。



昨年末、12月、アンカラでロシアとトルコは同様の合意を結んだ。これにはトルコにおいてS-400の生産を組織するためのロシアと軍事技術協力も含まれていた。







© Sputnik / United States Navy

米内務長官、対ロシア海上封鎖も検討 世界市場からのロシア資源追放が目的






トルコのヒュッリイェト紙の報道によれば、エルドアン大統領は再び「米国を当てにする」ことはトルコに果たして必要なのかと疑問を呈し、トルコはパートナーの如何に寄らず脅威からの自衛能力を持たねばならないと強調した。エルドアン大統領によれば、トルコは数年間にわたって米国に高射砲ミサイル複合体を売るよう要請してきたものの、結局は成果なしに終わっている。



米国はこれに神経質に反応。制裁は発動されなかったものの、米議会の決定で第5世代戦闘機F-35のトルコへの供給は一時停止されることになった。この一時停止は米議会両院の2019年度国防充当法案の合意によって行われることになる。米国の最強のNATOパートナーに対してのものとしては、かなり矛盾した決定だ。



一方で米国の制裁の脅威が無視されているのは武器の側面に限らない。武器ではロシアは米国の軍需産業と正面切った競争を展開している。「敵対者に対する制裁措置法(CAATSA)」に照らせば、ロシアからバルト海の海底を通って西ヨーロッパにガスを輸送する「ノルド・ストリーム2」プロジェクトも制裁の対象になる。問題は、インドのケースと同じく、ドイツのパートナーらが断念しようとしない場合、米国が自由な動作が利くフィールドをどう手元に残したかということだ。







© Sputnik / Sergey Guneev

ガスパイプライン「ノルドストリーム2」の敷設工事 ドイツで開始






9月18日、新たな制裁の大統領令に署名する2日前、トランプ氏は、米国はガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の建設プロジェクトに参加する企業に対しては、制裁を発動する構えにないことを明らかにしていた。一方でプロジェクトは、直接ではなかったとしても、米国の制裁の後に続く編集では、間接的に制裁に触れる恐れがある。だが、時間はすでに経っている。



「ノルド・ストリーム2」建設の速度は行程予定を堅持している。9月の初旬、フィンランドの海底でパイプの敷設工事が開始された。9月25日には「ノルド・ストリーム2」プロジェクトの運営会社「ノルド・ストリーム2AG」社は、ドイツでの敷設の準備作業を終了し、浅瀬の敷設工事に着手した。これにシンクロする形でドイツの陸上での敷設工事も進められている。9月28日、独「ガスケード・ガストランスポート」社は「オイガル(Eugal)」地区での建設許可を取得。同社は「ザクセン州の土地管理機関およびケムニッツの司法機関はガスけケード・ガストランスポートGmbHのプロジェクト執行者に建設計画承認の決定を渡した」と明らかにしている。



「ノルド・ストリーム2」プロジェクトの進展に米国は神経をとがらせている。ホワイトハウスは相変わらず、ロシアが欧州へのガス輸出のためにバルト海を横断して建設するパイプラインは将来、クレムリンのエネルギーによる兵器となり「害をもたらす」というプロパガンダを集中的に行っている。国連総会で演説したトランプ大統領は、「ドイツは即刻、別のエネルギーの可能性に目を向けるべきだ。さもなくばロシアに依存することになる」と指摘し、この発言でドイツからの代表団の失笑を買った。







© AP Photo / Zha Chunming

露中の武器供給 決済はドル建て拒否へ






ドイツがトランプ氏のこの命令を聞き入れるはずもない。なぜならロシア産天然ガスはトランプ氏が大々的に宣伝する米国の液化天然ガスLNG)より30%も安価だからだ。この差はドイツ経済にとってはあまりに大きい。



欧州が米国の制裁へ向けるこうした姿勢は、ロシアとの関係性の中でだけ示されるものではない。9月25日、国連のフィールドで実施された露英独仏中国、EUおよびイランの閣僚級会談の結果、EUは米国の制裁を迂回してイランと決済を行うための金融メカニズムの創設が宣言された。これは一種の反米SWIFTといえる。



ロシアでは、近未来も米国の対露制裁は維持されるだろうとの評価が根を下ろしている。一方で制裁の経済的な意味ははっきりと薄まりつつある。共同戦線もなく、これからも張られることはない。それがロシアに対してだろうが、イラン、北朝鮮に対してであろうが、変わりない。米国の制裁に従うかどうかは、その国の外交政策がどの程度、米国に依拠しているか、独立したものかを如実に物語っている。





タグ 軍事, 日米関係, 制裁, 米国, ロシア