地震で中止の日米軍事訓練、中露による演習と同時実施の当初予定 心配する理由はあるのか?(Sputnik日本):阿修羅♪

地震で中止の日米軍事訓練、中露による演習と同時実施の当初予定 心配する理由はあるのか?(Sputnik日本):阿修羅♪

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https://jp.sputniknews.com/opinion/201809095319617/





地震で中止の日米軍事訓練、中露による演習と同時実施の当初予定 心配する理由はあるのか?







© REUTERS / Toru Hanai





オピニオン





2018年09月09日 21:57(アップデート 2018年09月09日 22:04)






リュドミラ サーキャン





日本の自衛隊陸上部隊と米海兵隊の部隊による「ノーザンヴァイパー」と名づけられた2回目の共同訓練が、9月10日から29日まで北海道で実施される予定になっていたが、陸上自衛隊は6日、北海道で発生した地震の影響により、同訓練を中止すると発表した。今回の共同訓練は、ロシアが同国の極東地方で中国と共同で実施する演習と同時に行われることになっていた。これらの出来事が時期的に一致していたのは偶然なのだろうか?そして、北東アジアにおける情勢を背景に、この2つの訓練・演習はどのように互いに関連しているのだろうか?





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陸上自衛隊によるニュースリリースでは、日米共同訓練の目的について、「陸上自衛隊及び米海兵隊の部隊が、それぞれの指揮系統に従い、日米共同による諸職種協同作戦を実施する場合における相互連携要領を実行動により訓練し、相互運用性の向上を図る」と記載されている。







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今回は、昨年の訓練とは異なり、米軍の垂直離着陸輸送機「オスプレイ」が複数使用され、訓練が本格的に拡大される予定だった。これらのオスプレイは、北海道での演習・訓練に初めて動員されることになっていた。これに際し、日本の防衛省は、オスプレイを北海道に配備することは予定していないと保証しているものの、訓練に関連して北海道で飛行する回数は増加する可能性があると説明している。これに関連して北海道新聞は、ヘリコプターと飛行機それぞれの機能が両立されたオスプレイの操縦における困難さが度々、事故につながってきたと指摘。地元の行政府と住民による理解を事前に取りつけることが不可欠だったと伝えている。



日米共同訓練とほぼ同じ時期(9月11~15日)、中国軍が参加する戦略演習「ヴォストーク2018」がザバイカルで始まる。中国国防省は、「演習の目的は、露中両国の戦略的軍事協力の強化、安全保障上の様々な脅威に対する共同対応の分野における潜在力の強化、及び地域における平和、安定、及び安全の維持である」と発表している。露中両政府が2国間演習を実施するのは今回が初めてではない。ロシアと中国の艦艇は2016年、南シナ海の海域で共同行動の訓練を実施し、2017年には、バルト海でも同様の訓練を行っている。昨年12月には、ミサイル防衛(MD)に関するコンピューターシミュレーションによる共同演習も行われた。しかし、今回のようなロシア領内での大規模戦略演習に中国人民解放軍が参加するのは初めてとなる。







© AP Photo / Eugene Hoshiko

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軍事専門家のアレクサンドル・ミハイロフ氏は、露中両政府による軍事的接近を急がせている重要な要因となっているのは、両国とも米国との関係が悪化していることだとして、次のように述べている。「米国防総省は同国の国防戦略で、米国にとっての脅威の源としてロシアと中国を名指ししている。そのため、ロシアと中国による軍事的接近は完全に論理的なことだ。中国側の関係者が4年前にオブザーバーとして類似の演習に派遣され、今回は中国軍が演習に実際に参加するということは、ロシアとの軍事協力の必要性を中国政府が理解していることを示している」。



一方、公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務める小泉悠氏は、情報サイト「フォーサイト」で以下のように書いている。「北方領土を巡る日本との紛争の可能性は、依然として主要なシナリオの1つに留まる可能性が高い。『ヴォストーク2018』の開始に先立ち、ロシアは択捉島に戦闘機を配備しており、従来から駐留している陸軍部隊や海軍の地対艦ミサイル部隊(2016年には最新鋭の3K55バスチオンが択捉島に、3K60バルが国後島に配備された)とともに、北方領土の防衛訓練が従来以上の規模で実施されることになろう」。



ロシアの歴史家で東洋学者のアナトーリー・コーシキン氏は、今回の演習について、両国軍による通常の軍事訓練であるとして安心するよう求め、次のように述べている。「朝鮮民主主義人民共和国との対話に傾きつつあるトランプ大統領は、韓国との合同軍事演習を中止した一方で、いつでも演習を再開できるとしている。













だが、もしトランプ大統領が在韓米軍の削減、あるいは韓国からの完全な米軍撤退に踏み切れば、北東アジアにおける米国の影響力は弱くなるだろう。日本と米国の意図が、大規模共同訓練の実施によって抑止力を保つことにあるのは、これが理由だ。







© 写真 : U.S. Army Corps of Engineers Europe District

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この地域に領土的・政治的・経済的に含まれているロシアは、世界のこの部分における情勢の発展を無関心に眺めることはできない。同時に、ロシア指導部が軍事・軍事技術の関係において着手していることが、国防力を確保する上で最小限レベルの範囲を外れることはない。ロシア政府は、局地的な軍拡競争には参加しないし、米国と日本によるグループに対する優位を得ようと志向することはない。



中国に関して言えば、中国はこの地域における自国の国防力に大きな注意を払っている。そして、このことは、日本と米国を脅かす何らかの軍事的計画によってではなく、北東アジアにおける軍事・政治的情勢の急激な変化に向けて態勢を整えておく必要性によって説明される。この変化には、米政府の予測不可能な政策の結果によるものが含まれる」。



予定されていた日米両国による訓練も、中国軍が参加するロシアの演習も、ウラジオストクでの東方経済フォーラム(9月11~13日)と時間的に一致しているということを指摘しておこう。10日には、ロシアと日本の首脳らによる会談が予定されている。





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