極東にとっての「死者の手」(Suptnik日本):阿修羅♪

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極東にとっての「死者の手」







© Flickr/ U.S. Missile Defense Agency





オピニオン





2017年02月07日 09:01


アンドレイ イルヤシェンコ





1月中旬モスクワで開催された北東アジアの安全保障を話し合う第6回露中対話で、両国代表は米国THAADの極東配備に対抗する合同措置について審議した。これが起きた背景には、韓国が昨夏取った、自国領土へのTHAAD配備という決定、そして、同様のシステムを米国で購入しようという日本の意図がある。





日本の稲田防衛相はTHAADの視察に1月12日、グアムを訪れたが、その日は、まさにその同日、ロシアと中国の外交官らがMDシステムへの対抗措置を話し合っていた。このことから稲田防衛相の「THAAD導入の具体的な計画はないが、一つの選択肢として何が可能か検討したい」という声明を露中がまともに取り合っていないことは明らかだ。



韓国については、THAADが本当に北朝鮮ミサイルを標的にしたものなのかという疑惑は十分すぎるほどある。韓国の中央日報が7月、韓国軍高官筋を引用して報じたところ、THAADが北朝鮮の戦略ミサイルや長距離砲の射程圏内に入るためには、非武装地帯から非常に離れた距離に配備される必要があるため、THAADにソウルを守る能力はない模様だ。これを受けてロシア、そして何より中国は、韓国のTHAADは第一に、米国に向けられた中国の大陸間弾道ミサイルのためのものだと仮定する根拠を得た。



THAADの矛先は露中に向けられているという他の論拠には、韓国に配備されるTHAADは米国の指揮下に残ることがある。つまり、THAADは朝鮮半島と直結していない紛争のシナリオにおいて使われるかもしれないのだ。



MDシステム分野におけるロシアと中国の協力に関する声明は、何よりも韓国と日本への政治的信号だ。同時に中国は急速に韓国への経済的圧力を強めた。韓国にとって中国は、主要貿易パートナーだからだ。両国間の航空チャーター便が禁止され、ロッテなどの韓国企業は前例のない検査を受けた。さらに文化交流に制限が掛けられ、韓国製品に非関税障壁が導入された。



ところで、ロシアと海外のメディアは昨年12月、核エネルギーを動力源とした、水深1キロを90ノットで動く、ロシアの無敵の魚雷「Status-6」の新たな実験を報道した。潜水艦からの「Status」の射程距離は1万キロ、弾頭のサイズは6.5メートル。弾頭部分には最高で100メガトンの威力の熱核弾頭を搭載することができる。



この巨大魚雷製造が初めて世に知られたのは1年前、軍事問題に関する政府会議において、テレビのカメラに新兵器の説明が映ったときだ。ロシア大統領府は機密情報の「露見」を「偶然」だと呼んだが、この魚雷が2019年には配備される可能性があることは知られている。



ロシア政府系の「ロシア新聞」は、「STATUS-6」が米国による世界的なミサイル防衛システムの展開に対する、ロシアの新たな非対称的な対応であり、海岸に広範な放射能汚染のゾーンを作ることで、許容できないほどの損害を敵に保障することなどを目的としていると指摘した。



ソ連ではすでに「終末兵器」である自動核報復システム「ペリメーター」が開発され、軍備に置かれていたことは指摘する必要がある。西側のコードネームでは「Dead Hand(死者の手)」と呼ばれるこのシステムの意義は、敵の核攻撃の過程で国の政治、軍指導部が殲滅された場合でさえ、システムが核による報復攻撃を与えるということにあった。



これらは全て超ベストセラーの終末的な筋書きに似ているが、当時のトランプ次期大統領が12月に書いた「世界の核に関する良識が戻るまで、米国は核能力を大きく強化・拡大する必要がある」というツイートは憂慮の念を抱かせる。具体的に誰と米国は軍拡競争で競うつもりなのかは、トランプ大統領は伝えていない。















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