『安倍首相の謝罪は東アジアの問題を解決しうるか?』(イランラジオ日本語):阿修羅♪

『安倍首相の謝罪は東アジアの問題を解決しうるか?』(イランラジオ日本語):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/15/asia17/msg/508.html











http://japanese.irib.ir/news/commentaries/item/54380-%E3%80%8C%E5%AE%89%E5%80%8D%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%81%AE%E8%AC%9D%E7%BD%AA%E3%81%AF%E6%9D%B1%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%82%92%E8%A7%A3%E6%B1%BA%E3%81%97%E3%81%86%E3%82%8B%E3%81%8B%EF%BC%9F%E3%80%8D





2015/05/03(日曜) 22:34





「安倍首相の謝罪は東アジアの問題を解決しうるか?」











イルナー通信の記事よりー



アジア諸国の政治家の多くは、日本の安倍首相がアメリカ議会の演説で、近隣諸国における第2次世界大戦中の旧日本軍の行動について謝罪することに期待を寄せていました。



この謝罪は、これらの政治家の見解では、地域的な対立を解決するための重要な歩みと見なされていましたが、安倍首相はこうした期待には注目しませんでした。






国際的な慣例では、国際的な問題の解決のための「謝罪の文化」が受け入れられていることに、全く疑いの余地はありませんが、第2次世界大戦をめぐる日本と近隣諸国の因縁の対立が、謝罪によって解決されるだろうというこの期待は、東アジア地域に対する面識のなさを物語っているように思われます。



安倍首相は先月26日、アメリカ訪問を開始しました。彼は、29日にはアメリカ議会で演説し、第2次世界大戦中に日本が否定的な役割を果たしたことには軽く触れ、遺憾の意を表しています。



アメリカ議会での安倍首相の演説は、一部の近隣諸国の反発に直面しました。韓国外務省は声明において、「アメリカ議会での安倍首相の演説で、歴史に対する正しい認識に基づいた誠実な謝罪が全く見られないことは、甚だ遺憾」と表明しました。この声明ではさらに、「安倍首相の演説は、歴史の正しい認識に基づき、近隣諸国と日本が和解、協力するための転換点となりえるものだったが、安倍首相はこの機会を活用しなかった」とされています。



韓国は、第2次世界大戦中の旧日本軍による従軍慰安婦問題を理由に、また中国は当時の日本による侵略行為を理由に、常に日本に対し謝罪を要求していました。中国と韓国の一部のメディアも、今回の安倍首相のアメリカ訪問について、「アメリカは、安倍首相に対し、議会で謝罪するよう求めるべきだ」と報じています。



アメリカは、第2次世界大戦で人類史上初の原子爆弾を使用した唯一の国です。この歴史的な経験の犠牲となった国の国民は、まさに日本人でした。もっとも、アメリカは決して、広島と長崎への原爆投下を理由とした謝罪を行っていませんが、日米関係は常に戦略的なものとなっています。



さらに、謝罪だけですべての問題が解決できたなら、これまでに東アジア地域内の対立は解消されていたはずです。日本の岸信介元総理は、1957年に第2次世界大戦中の日本の行動を理由に、当時はビルマと呼ばれていた現在のミャンマー国民に対し、謝罪しました。これまでに、日本の政府関係者は演説の中で、少なくとも51回にわたり近隣諸国に謝罪しており、それらの多くは中国と韓国に対するものでした。



1998年11月26日には、小渕首相がこの両国の政府関係者との会談について声明を発表し、「日本は、過去に中国国民に苦痛と損害を与えたことによる責任を感じており、このために中国側に対し、深い反省を示した。中国側は、日本が歴史から教訓を得て発展の為の道を歩むよう希望している。これに基づき、両国は友好関係の発展に向けて努力していく」とされています。



2010年12月7日、菅首相は、日本による韓国併合100周年に際し、「日本の帝国主義朝鮮半島の人々の意思に反して、朝鮮半島を植民地化した」と強調しました。また、「遺憾の意を表明し、日本の植民地主義体制のために生じた苦痛や被害についてお詫びする」としています。



日本の政府関係者は、この数十年間に何度も全てのアジア諸国、さらにはオーストラリアにも謝罪しました。しかも、欧米諸国はこうした慣例的な謝罪を歓迎しており、その理由はこのようなプロパガンダにより、アメリカによる日本への原爆投下を、日本の悪行を停止させるためのものとして正当化できるからです。



もっとも、謝罪は主な対立が解決した後の、1つの象徴的な行動であり、いずれの対立も謝罪によって解決されていません。東アジアの現実もこれと同様です。日本と韓国が、竹島の領有権を巡る日本の主張を検討するときには、確実に両国の対立はおのずと解決されると思われます。



さらに、日本と中国が尖閣諸島の領有権に関する主張を検討すれば、日本と中国の問題も解決されるでしょう。



さらに北方領土問題も存在します。この地域は、第2次世界大戦末期に旧ソ連軍に占領され、(ソ連崩壊後は)依然としてロシアに占領されています。これらの島々の領有権を巡る主張は非常に真剣であり、日本とロシアは第2次世界大戦の終戦以来、これまで平和条約を締結していません。ロシア政府が、旧ソ連軍の行動に関して何度も謝罪したとしても、北方領土問題が決着しないうちは、この謝罪は受け入れられないと思われます。



逆もまたしかりです。つまり、日本はロシアの石油と天然ガスを必要としているために、またロシアは日本の投資と技術を必要としていることから、これまでに何度も北方領土問題について協議し、これを解決する用意があると表明しています。この場合、この問題は解決されると思われます。