TPP 未来のパートナー いまだ合意から遠く(ロシアの声):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/635.html



(2014.5.17 23:40 IRIB日本語サイトより、関連記事を追加)





(ロシアの声)

http://japanese.ruvr.ru/2014_05_15/272407380/





5月 15 , 15:42





TPP 未来のパートナー いまだ合意から遠く







© Photo: ru.wikipedia.org/Ngô Trung/cc-by-sa 3.0





今週12日から、ベトナムホーチミンでTPP(環太平洋経済連携協定)主席交渉官会合が行われている。



TPP創設のアイデアは、当初米国の参加なしで、2005年、シンガポールブルネイニュージーランドそしてチリの代表によって提唱された。米国が「この新しい統合手段は中国の台頭により揺らいでいる自分達のアジア太平洋地域での地位強化につながる」と見て、交渉に加わったのは、その4年後の事だった。



今日TPPの創設は、アジア太平洋地域における米国の経済外交において中心的位置を占めているが、この方向で米国政府はいまだ、大きな成功を収められないでいる。つい先日行われたオバマ大統領の、日本・韓国・フィリピン・マレーシア歴訪も、状況を打開できなかった。中国との意見対立が深まる中、米国の支援に期待をかけている日本政府でさえ、協定のほぼ各項目ごとに自分達の条件を提起している。これは多くの点で、日本がTPP創設プロジェクトに参加する事で、経済状況が悪化するのではないかと心配する世論と関係している。



NHK世論調査によれば、日本がTPPに参加する事を支持すると答えた人は、現在三分の一に満たない。特に積極的に、日本市場の開放に反対しているのは、農業生産者だ。現在、日本の農業部門の売上高は7兆1千万円と評価されているが、TPPが動き始めると、およそ3兆円も縮小する可能性がある。輸入品より高価な日本の農産物は、市場から追い出され、必然的に国内生産の落ち込みにつながるというのだ。



ホーチミンで続いている交渉での米国の交渉相手は、自国の生産者の利益を猛烈に擁護している。しかし米国主導での、地域統合プロジェクトをアジア諸国は、全く満足していないようだ。



ロシア科学アカデミー極東研究所日本調査センターのワレーリイ・キスタノフ・センター長は、そう捉えている―



「TPPの目的は、自由活動、まず何よりも米国企業の活動にとって都合の良いフィールドを創り出す事にある。関税障壁をゼロまで下げ、資本や労働力の移動にとって、より好ましい条件を作ろうと計画されている。この戦略の重要な要素は、TPPに中国を入れないという事だ。実際当初から米国政府は、中国を経済的に抑え込むメカニズム作りを期待していた。」



中国の力の増大を、アジア太平洋地域の多くの国々は、脅威と感じているが、新しいTPPという機構の中での米国の優位性についても、大いに懸念している。第一に、TPPの潜在的参加国はすでに、将来米国の商品やサービスが流れ込んでくることで、自分達の経済が被る損失を計算している。第二に、米国との同盟に対する一方的な期待は、地域の多くの国々にとってすでに重要な対外貿易パートナーとなった中国との関係に損失を与える。おまけに中国は、積極的に、自分達独自の統合プロジェクトを発展させている。例えば、3月に行われた自由貿易協定(FTA)交渉で、中国と韓国は、関税をなくす貿易品目の割合を90%とする事で合意に達した。





イーゴリ デニソフ, TPP, 経済











(2014.5.17 23:40 追加)





(IRIBラジオ日本語)

http://japanese.irib.ir/news/commentaries/item/45272-tpp%E4%BC%9A%E8%AD%B0%E3%82%92%E5%89%8D%E3%81%AB%E3%81%97%E3%81%9F%E5%AE%89%E5%80%8D%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%81%AE%E8%A1%A8%E6%98%8E





2014/05/17(土曜) 22:26





TPP会議を前にした安倍首相の表明










ホセイニー解説員





TPP環太平洋パートナーシップ協定の加盟交渉国12カ国が、ベトナムで開催していた首席交渉官会合を終えました。世界経済の40%を占めているオーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、アメリカ、ベトナムがこの交渉に参加しています。



安倍総理大臣は、17日土曜、演説の中で、TPP加盟交渉を早く結論に至らせるための自らの取り決めを強調しました。安倍首相は、TPP加盟交渉で日本の国益を守ることを強調し、政府のメンバーに対して、次期協議でTPPが結論に至るよう全力を尽くすよう要請しました。



ベトナムのTPP首席交渉官会合の終わりに、交渉国はさらに、TPP署名をめぐる対立について懸念を表しましたが、今回の会合の実施は、シンガポールで19日月曜に行われる閣僚会合に注目すると、重要性を帯びています。なぜならこの会合は、交渉国の見解を近づける上で効果的なものだからです。



現在、TPPは最終的な合意に至るために多くの問題に直面しています。知的財産権や農業関税などの問題をめぐる対立はこれまで、加盟国間の協議に影を落としてきました。アメリカのオバマ大統領の先月のアジア歴訪の中でもTPPの署名には至りませんでした。アメリカはこれ以前、TPPは2013年までに決着を付けると約束していました。



オバマ大統領は、TPP加盟に向け、マレーシアなど一部の国に圧力をかけることを否定していましたが、マレーシア政府の野党などは、アメリカの大統領はマレーシア訪問で、同国の政府にTPP加盟に向けて圧力をかけた、と述べています。さらにアメリカはこれに関して非政府組織による秘密協議を推進し、抗議を引き起こしたといわれています。



環太平洋諸国の法規の調整と統一された経済地域の創設に向けて提示されたTPPは、評論家によれば、この協定に加盟する弱小国への損害、アメリカの利益になると見ています。最近の協議は、加盟国間の商品や工業・農業製品に関する関税の削減、あるいは撤廃を目的に行われています。



TPPが署名されれば、世界最大の自由貿易協定になるでしょう。なぜなら、加盟交渉国12カ国の総人口は6億5000万人に達し、これらの国は世界のGDPのおよそ3分の1を占めるからです。



過去の会議で、TPP署名の最大の障害は、とくに日本の農産品の関税の撤廃問題への日本の反対でした。安倍首相は、アメリカとの見解の相違にもかかわらず、この協定の署名を目指す理由については語りませんでしたが、政治評論家は、中国との経済関係の拡大に向けたロシアの最近の強調と、中国をヨーロッパに結び付ける新たな経済シルクロードの創設に向けた中国政府の努力は、この協定の加盟を急ぐアメリカと日本にとっても好都合なものとなっています。



中国はEUとの経済協力を強調することで、ヨーロッパ最大の経済大国、世界4番目の経済大国であるドイツを新たなシルクロードにひきつけようとしています。こうした協力の多くが中国とロシアの利益に、アメリカの損失になるでしょう。



このことから、TPPをめぐる日本とアメリカの見解の相違にもかかわらず、中国との対抗を外交政策の軸に据える安倍首相は現状において、もともと中国をけん制するために計画されたTPPの署名を強調しているのです。