日本の総選挙:国家主義の激発(RFI):阿修羅♪

日本の総選挙:国家主義の激発(RFI):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/12/senkyo141/msg/278.html





(Législatives au Japon: le sursaut nationaliste : RFI)

http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20121215-japon-elections-legislatives-pld-shinzo-abe-senkaku-diaoyu-ganbarre-nippon





日本−記事発表:2012年12月15日土曜日−最終更新:2012年12月16日日曜日



日本の総選挙:国家主義の激発



記者 RFI





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大阪のデモで、がんばれ日本の活動家たちが掲げるプラカード:スーパーマン姿の自民党候補者:右は「安倍晋三氏は抜本的な政策で日本経済を再生させる」:左は「デフレを根絶しよう」

Christophe Paget/RFI






12月16日日曜日に実施された日本の総選挙では、自由民主党(LDP、保守)が過半数をかなり超える議席を獲得した。3年間野党だった同党は政権復帰を表明し、あわせて、「タカ」派の安倍晋三元首相も首相職に復帰する。日本の公共テレビ局・NHKによれば、投票所での出口調査に基づき、衆議院480議席の内、自民党が275〜310議席を獲得するとしている。





報告 RFI東京特約記者、フレデリック・シャルル



世論調査を信じるならば、日本国民−その80%が脱原発に賛成という考えだ−は、過半数を優に超える議席を、福島の事故以降止まっている原子炉を再び運転させることを決めている保守政党に、再び与えたいと考えているようだ。



日本国民は、中道左派民主党政権の継続を望んでいない。3年の間、政府債務を縮小し、経済を再び成長に乗せ、人口高齢化の資金を手当てするために約束した、改革を実行する能力に欠けていた。福島の事故への惨憺たる対応に対し、彼らは国民に謝ることもなかった。



保守・自民党は、砂漠を渡りきるまで3年しかかからないだろう。この政党は日本の政界を半世紀以上支配してきた。短命政権だった元首相・安倍晋三氏とともに同党は政権に復帰する。



安倍晋三氏は、中国の軍事力台頭に直面し、日本の自衛隊を米国の戦略にさらに組み込むために、軍事予算の増大や平和憲法の改訂をしたいと考えている。





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最近になってもなお、「古典的」との形容が可能だった日本の右派だが、その立ち位置はそこからますます国家主義的になった。とりわけ隣国である韓国・中国に対して向けられた、この国家主義は、日本の施政下にあり中国も領有権を主張する、尖閣諸島をめぐる危機のために、この数カ月激化している。





クリストフ・パジェの現地報告を聞く









(投稿者より)



RFIサイトに掲載された記事です。最初の記事の発表は開票前で、開票が進むにつれて更新が続き、どんどん記述も変わっているのですが、とりあえず16日22時(日本時間)の時点での記事を日本語に直したものを投稿します。誤訳があるかもしれません。ご容赦下さい。



海外では、尖閣問題などとの絡みで、自民党が勝利して日本に国家主義が浸透するだろう、という見方が主流でした。RFIも基調は変わらず、「軍拡」「外交」に重点的に伝えていたようですが、デモの参加者の声もきちんと伝え、原発政策が争点の1つであることも、時間を割いて伝えていたようです(語学に自信がないので、「ようです」としか言えないのですが。)



日本政界の新しい動きとして、嘉田知事の国政デビューをきちんと伝えたメディアもありました。



自民党勝利・安倍氏復帰は確定ですが、それにもかかわらず、午前中のBBCのレポートは「小政党が安倍政権のタカ派外交政策にどう対応するかが今後のカギ。原発政策・経済政策で日本が変わるかに注目」と伝えていました。今回は公平な視点から分析をしてくれました。



国民の8割が脱原発に賛成なのに、他の選択肢を知らなかったために、「民主党じゃダメだから自民党」という思考回路しか持ち得ませんでした。既得権益層の高笑いが聞こえてきます。ため息が出そうですが、これで終わりじゃない、ということだと思います。



この記事のタイトルは勇ましいですが、選挙を取材するために来日したRFIの記者は、右から左まで、白から赤から緑まで、いろいろな人に会って話を聞いたようです。記者が捉えたいまの日本、ということだと思いますので、下に写真を付しておきます。記事で提示された歴史観は私と異なりますが、今回、それについてのコメントは控えます。









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世論調査でトップの安倍晋三自民党総裁を支持する、右派団体「がんばれ日本」の大阪デモ。白い横断幕は、「尖閣を私たちの手で守ろう。国の問題を解決しよう」と読める。 Christophe Paget/RFI





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安倍晋三氏と自民党を支持する、右派団体「がんばれ日本」の大阪デモ。白い幟は、「尖閣を私たちの手で守ろう」と読める。 Christophe Paget/RFI





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がんばれ日本の活動家、キョウコ:「80年代まで、いわゆる『慰安婦』(第2次世界大戦の間、日本軍のために売春を強要された韓国人)のことを、韓国は言っていなかった」。 Christophe Paget/RFI





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大阪のデモで、がんばれ日本の活動家たちが掲げるプラカード:スーパーマン姿の自民党候補者:右は「安倍晋三氏は抜本的な政策で日本経済を再生させる」:左は「デフレを根絶しよう」 Christophe Paget/RFI





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Tシャツを着た、別の活動家。「竹島は日本のもの」−竹島諸島は韓国の施政下にあるが、日本も領有権を主張している。 Christophe Paget/RFI





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日本の国家主義の中心の一つ、東京・靖国神社。ここでは、この150年間に行われた戦争で亡くなった、日本の軍人たちの霊が祀られている。 Christophe Paget/RFI





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多くの人が修正主義歴史観と見なしている、神社の博物館・遊就館の玄関(1937年、中国の都市・南京で少なくとも200,000人が、日本軍によって虐殺された事件についての言及が一つもない)。 Christophe Paget/RFI





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博物館に展示された、この150年間に戦争で亡くなった日本の軍人たちから、3枚の写真。 Christophe Paget/RFI



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博物館の売店零戦の模型と制帽の間に、ビールジョッキが2個。初め1個目は零戦。2個目は30年代の帝国海軍軍艦。 Christophe Paget/RFI





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歴史学者の吉見義明教授の働きにより、日本は90年代初め、韓国人「従軍慰安婦」事件に対する責任を認めざるを得なくなった。吉見氏の手には、日本の学校で最もよく使われている歴史教科書がある。 Christophe Paget/RFI





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本の学校で最もよく使われている歴史教科書の下にある脚注。1番目の注釈に、第2次世界大戦の間、日本軍のために売春を強要された韓国人女性である、「慰安婦」についての記述があるが、詳しくはない。Christophe Paget/RFI





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安倍晋三自民党総裁に蔭で助言を与えていると見なされている岡崎久彦氏。岡崎氏は、韓国人従軍慰安婦の問題は作り話との立場をとる。 Christophe Paget/RFI





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「反国境集団」のリーダー、松本哉(はじめ)氏。松本氏は数週間前、台湾や韓国のアーティストと、東京で「反国境」サプライズイベントを実施した。 Christophe Paget/RFI





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原発陣営の活動家。幟には紫で「原発」と読める。女の子が「原発はもうたくさん」と言い、クマが「海を汚すな」と言っている。青と緑で「川崎の人々」。 Christophe Paget/RFI





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「福島の母親たち」団体のリーダー・サトウ氏。イラストの文字は、「守ろう」「子どもを守るために、全ての大人は乗り越えよう」 Christophe Paget/RFI





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原発ゼロ」のバッジを活動家が売っている。無報酬でバッジを頒布し、お金を集め、福島の住民、特に政治家や村長たちのために役立てる。 Christophe Paget/RFI





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原発デモの路上に置かれた、漫画家が描いたイラスト:「私たちは反省している」。 Christophe Paget/RFI





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原発デモの路上に置かれた、漫画家が描いたイラスト:「私たちはこの日を忘れない。」人物は民主党閣僚の枝野氏で、事故の1カ月後に福島に入り、「危険は1つもない」と繰り返した。 Christophe Paget/RFI





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横断幕の文字:「(電気料金)値上げにノー。再稼働にノー。原子力にノー。」 Christophe Paget/RFI





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別の反原発活動家は、火曜日恒例のデモで、自民党の窓の前にいる。自由民主党は50年間この国で権勢をふるい、この党の後押しにより全ての原発が建設された。 Christophe Paget/RFI