「小売販売額・鉱工業生産・家計支出の回復」(BBCの記事より):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/579.html











(Japan's retail sales rise for first time since quake: BBC NEWS BUSINESS)

http://www.bbc.co.uk/news/business-14320868





2011年7月28日最終更新03:36GMT





日本の小売販売額が、震災以来はじめて上昇する







地震津波の影響で日本の消費者は消費を控えた





日本の小売販売額が、3月に地震津波がこの国を襲って以来、はじめて上昇した。



最新の政府統計によれば、小売販売額は前年同月より1.1%上昇した。これは、日本経済の回復が始まったことを示している。



今回の上昇の前は、地震津波による荒廃の結果、消費者の足が商店から遠のく状態が続いたために、販売額は3カ月連続で下落していた。



前月比では、小売販売額は2.9%上昇した。



アナリストの話では、日本では物事が通常に戻り始めていることを、この数値は示している。



「震災や津波の発生前にまで、事態は持ち直すと予想していい」と、シンガポール銀行のリチャード・ジェラム氏は語る。





自信を増す





3月11日の地震津波のために、日本の広い範囲が荒廃した。



日本の部品供給網は分断し、その結果、大工場の一部が生産停止や生産量の削減を行った。



そのため日本経済は大きな影響を受けたが、その一方で、回復のテンポの速さが士気を高めてきたと、アナリストたちは語る。



「人々の予想よりも早く、生産再開が実施されたと考えている」と、ジェラム氏は語った。



それに加え、東京・富士通総合研究所のマーチン・シュルツ氏は、日本の工場がフル生産近くまで回復したことが、消費者の足が商店に戻ることに大きく寄与したと指摘した。



「生産が上向き、それが消費者心理に波及していると、私たちは見ている」と、同氏は語った。



同氏の説明では、日本の工業生産が通常の水準に回復するにつれて、人々は雇用について安心感を深め、その結果、消費意欲が増大した。



「震災の後で低迷していた消費者レベルが、持ち直しつつある。人々は不安を乗り越えつつある」と、同氏は付け加えた。





将来の不安





生産が回復し、最近の小売販売額も上昇したが、特に国内のエネルギー問題のために、地震津波の長期的な影響についての不安はまだ残っていると、アナリストたちは語った。







地震津波は日本のインフラに幅広く損害を与えた





地震津波の影響で数カ所の原発が運転を停止し、そのため、日本は電力不足に直面している。



原発の再開を望まないのなら、日本はエネルギー需要を満たすための長期的な計画を考え出す必要があると、アナリストたちは語る。



「日本のエネルギーの状況について将来像を描くことが、最重要課題の一つだ」と、シュルツ氏は語った。



「彼ら(政府)は、目先の問題を片づけることにばかり、焦点を当て続けている」と、同氏は付け加えた。



復興を特定の目的とした予算編成が遅れていることも、不安の大きな原因であると、アナリストたちは付け加えている。



「今のところ、復興予算の編成について、政治的な合意ができていない」と、シュルツ氏は語った。



政府は、復興のための特別予算を組むよりも、剰余資金を基金として使ってきたと、同氏は付け加えた。



先日成立した第二次補正予算では不十分だ。「あれではまるで本予算のバージョン1.2だ」と、同氏は語った。



シンガポール銀行のジェラム氏は、「政治の機能不全が障害となり、長期的な計画を作る環境が整っていない」と語った。



「3.11以降、彼ら全員が協力するように見えた期間はあったが、それは長続きしなかった」と、同氏は語った。













(Japan's industrial output and household spending rise: BBC NEWS ASIA BUSINESS)

http://www.bbc.co.uk/news/14336966





2011年7月29日最終更新02:15GMT





日本の鉱工業生産と家計支出が上昇する







日本メーカーは地震津波によって削減された能力で生産を行っている





日本経済は、地震津波の影響から回復を続けていることを、最新の政府統計は示した。



6月の鉱工業生産は、部品供給網の不安が和らいだことにより、前月比3.9%上昇した。一方、家計支出は0.8%上昇した。



アナリストたちの話では、このことは、経済が予想以上の早さで回復しつつあることを示している。



この統計は、3月11日の地震以来はじめて小売販売額が上昇したと、日本政府が報告した翌日に発表された。



「生産が震災前の水準に戻るには、来年の中頃まで待たなければならないと、私は考えていた」と、ドイツ証券安達誠司氏は語った。



「しかし、現状から見れば、製造業の活動は、来年の1-3月にはかつての水準まで回復するかもしれない」と、同氏は付け加えた。





強気な予測





地震津波による荒廃のために、日本の製造業は大きな打撃を受けた。



部品供給網が分断したために、大手メーカーの一部が生産を削減・停止した。



それでも、インフラが修復されると、メーカーはだんだんと楽観的になってきた。



経済産業省が実施した調査によれば、製造工業生産は7月に2.2%、8月に2%の上昇が予想されている。



「製造業の7,8月の強気な予測は、生産の回復が軌道に乗っていることを示唆している」と、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鹿野達史氏は語った。





難題を克服する





メーカーは、特に電力不足といった様々な難題に直面しているにもかかわらず、部品調達網と工業生産の回復は成された。



二重の自然災害が福島原発に損害を与え、国内の他の原発の多くも運転停止に追い込まれ、そのため、日本は電力不足に直面している。



特に、電力需要がピークに達する夏期の数ヶ月間は、電力不足が生産に打撃を与えるという懸念はあった。



それでも、アナリストたちの話では、メーカーは稼働日の変更を実施することにより、この不足を克服することができた。



「電力需要がピークを迎える時間帯の操業を避けるよう、企業が努力したおかげで、電力の問題は当初考えていたより小さな影響で済んでいる」と、鹿野氏は語った。





通貨が悩みの種





メーカーはこれらの難題を克服して、生産を再び軌道に乗せることができたが、他の要因が依然として脅威となっている。



そのうち最大のものが、上昇を続ける日本円だ。



日本円は、伝統的な資金の避難先とされているが、米国・欧州の債務問題が進行する結果、米ドルに対して上昇を続けている。



日本の製造業にとって、円高は吉兆ではない。それは、彼らの製品が外国の買い手にとって割高となるからだけではない。彼らが外国で稼いだお金を回収するとき、企業の利益を損ねることにもなるからだ。



円高が長く続けば、企業の収益が損なわれ、ひいては設備投資が減少し、長期的な生産の阻害要因になり得る」と、鹿野氏は語った。











(投稿者より)



BBCサイトに掲載された記事です。誤訳があるかもしれません。ご容赦下さい。



日本経済の回復については、1週間ほど前に、3カ月ぶりに貿易黒字を達成したことを伝えた、やはりBBCの記事を投稿させていただいています。





(日本は輸出回復により、予期せぬ貿易黒字を公表する(BBC):阿修羅♪掲示板)

http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/494.html





家計支出については、日本の新聞各紙は、「前年同月比4.2%減少」を強調していますが、BBCは「前月比0.8%増加」に着目し、日本経済回復の表れの一つと捉えているようです。



「日本経済は、少なくとも来年には持ち直す」ということは当初から言われてきましが、こういった動きは予想以上の早い展開かもしれません。日本の製造業の底力ということだと思います。



震災の影響からの日本経済の回復は軌道に乗ったようですが、米国情勢は微妙なようです。米国債のデフォルトは2日とも15日とも言われています。週が明ければ、何が起こるかはわかりません。