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日本の福島原発の状況−2011年6月1日現在の状況の要点(フランス放射線防護・原子力安全研究所):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/472.html











(Situation de la centrale nucléaire de Fukushima Daiichi au Japon - Point de situation du 1er juin 2011 : IRSN)

http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Pages/20110601_seisme-japon-point-situation-01-juin.aspx





この広報は、福島第一原発の状況について、公表された情報に基づいて作成された。





I.原子炉の状況





状況の安定化





福島第一原発の原子炉[1]1.2.3号機は、燃料を納める圧力容器に直接真水を注入して、冷却する作業が続いている(毎時6〜15立方メートル)。原子炉1号機の格納容器では、水素が燃焼するあらゆる危険を防ぐために、窒素が注入されている。同じ作業が原子炉2.3号機の格納容器に対して検討されてきたが、東京電力は実施を見合わせた。このように、状況は安定しており、次の改善は、「循環回路」による、つまり、永続的な注水が不要な(東京電力の発表では、6月中旬に、原子炉2号機にこの措置をとる予定だ)、炉心冷却を可能にする熱交換装置に関するものとなる。





原子炉1.2.3号機の炉心破損の評価





原子炉(特に燃料)の状態を述べるために、東京電力は分析を行った。原子炉の状態が進展するのに応じて、これらの分析を対象とした発表がなされた。



事故発生当初から、IRSNは利用可能な情報によって、2011年3月11日に起きた地震に関わる津波の結果、3基の原子炉は冷却機能を失い、そのため燃料が部分的に溶融したとの結論を出していた。



原子炉1号機内部では、炉心冷却機能が失われた期間を考慮して、IRSNは、溶融は炉心全体に及ぶ可能性があったことや、炉心が溶けて形成された「コリウム[2]」の一部が圧力容器の底に落下したと考えていた。しかし、取り除くべき熱出力と、やはり利用可能な圧力測定の推移を考えると、圧力容器の底にある多量の落下物が圧力容器にもたらす脆弱性に注目したとき、圧力容器の底に穴が開いている可能性はほとんどないと、IRSNは考え直した。この点については、大量のコリウムが(圧力容器の底が壊れた後に)外壁に流れ込んだ場合、コリウム−コンクリート反応が始まる[3]ことを想定すべきだが、そのような事態は発生しなかったようだ。



原子炉2.3号機について、IRSNは、やはり利用可能な圧力測定(大気圧に近かった)の推移を考慮し、原子炉の圧力容器と格納容器に水漏れの可能性があると考えていた。その代わり、コリウム−コンクリート反応のシナリオがそれに続くような、圧力容器の底での重大な破裂があったと結論づけるような要素は何もなかった。



原子炉1号機の内部では、東京電力の運転作業員たちが原子炉建屋内に入り、圧力容器内の水位計を修理した結果、低い水位が続き、燃料が圧力容器の底におそらく落下したであろうことが判明した。温度(摂氏110度)計測の結果、注水によって燃料は再び冷えて固まり安定したと、東京電力は結論づけた。



こういったことから、東京電力は次のように考えている。

・原子炉1号機の炉心にあった燃料の大部分は溶融し、圧力容器の底に落ちた。

・現在は、注水によって炉心の冷却が確保されている。

・圧力容器内の水量が比較的少ないことから、圧力容器下部に1カ所または複数カ所の割れ目がある可能性がある[4]



原子炉2.3号機についても同様に、東京電力は、数値のシミュレーションに基づき、ある程度の燃料が圧力容器の底に落下していることと、圧力容器に穴が開いていることの可能性を検討している。



燃料・圧力容器・格納容器の状態を推測するための、こういった要素によって、状況に対する現在の評価が修正されるわけではない。実際には、注水により燃料の冷却が確保されている一方で、窒素による格納容器の不活性化により、その原子炉格納容器内の水素爆発の危険が回避されている(この不活性化維持作業は、1号機で実施中であり、2.3号機でも予定されている)。



いずれにせよ、言わなければならないのは、施設の制御を回復するために東京電力がとった行動によって、回復が進むにつれて、新たな要素がきっと発見されるだろう。しかし、大切なことは、そのような重要な要素を明らかにして現地での措置を決めることの先にある、事故を起こした施設に関わる危険に対してとられる、その措置の結果だ。いまの段階では、東京電力が提供した新たな要素を元に、それらの危険の評価について見直しは行わない。





II.使用済み燃料貯蔵プールの状況





現場にある6基の原子炉の使用済み燃料貯蔵プール、および、使用済み燃料共用プールは、既存の装置によるものと、蒸発を補うための外部からの水の供給によるもの(特に4号機のプールでは、通常は建設分野でコンクリートの注入に使われるアームで供給を受けている)の違いはあるが、現在正常に冷却が維持されている。この現在利用可能な諸要素により、保管された燃料には大きな被害はなかったという仮説が、自ずと確認されたことになる。



建屋上部に置かれた原子炉のプールの構造の状態に関する主要な疑問だが、大きな余震があった場合プールに何が起こるかは、現在評価不能だ。いずれにせよ、東京電力は施設の制御を回復する計画の枠組みの中で、数カ所のプールの強化工事を予定している。





III.放出物の現状





利用可能な要素から、大気中や海洋への放出の継続を排除することはできない。特に、発電所用地の堆積物により生じる数値よりも大きな線量が、たまに検出される状態は続いている。それでも、この放出物は、3月中旬に生じた放出物と比べものにならないくらい少量だ。特に、発電所外の土壌での汚染を固定すること(樹脂の噴霧)、地下に埋められた何本かのトレンチを水密化すること、建屋下部に大量に存在する水の回収・処理を準備することにより[5]、この放出物の拡散を抑えるべく、東京電力は作業を続けている。このため、5月12日、東京電力は、原子炉3号機につながるトレンチに割れ目が発見され、汚染水の放出を抑えるために、応急修理作業が必要だと発表した。



一般論だが、雨季の到来により水量が増える可能性があるだけに、1.2.3号機の原子炉建屋の底にある汚染水の排水は、いまだに大きな課題だ。





IV.施設の制御を回復する計画





4月17日、東京電力は、福島原発を危機から脱却させるための計画を示した。その計画は、短い期間に2つの大きな段階を想定している。



第1段階は3カ月つづく予定で、残留性の高い放射線物質の放出を削減し、原子炉とプールの冷却を信頼あるものとし、汚染水の貯蔵場所を確保することを目標としている。計画が進んでいる例として、5月31日より、原子炉2号機の燃料プールの水が循環回路によって冷却・濾過されるようになった(それまでは、冷水をただ供給することのみにより、冷却が確保されていた)。これにより、湿気がちだった2号機の湿度が下がり、その後の作業が楽な環境となるに違いない。東京電力は、今から7月初めまでに、類似の回路を1.3号機のプールに設置する予定だ。



3〜6カ月目に予定される第2段階は、放射性物質の放出を抑えるために建屋の安全を確保し、原子炉を冷却停止状態に持ち込み、発電所にある汚染水の量を減らすことを目標としている。その他に、4号機のプール(爆発によって損傷した)の下部の構造強化作業が予定されている。



この緊急行動計画は、現在の状況に沿ったものだが、発表された期日はおおよその見当としか見なすことができない。特に、建屋内のさまざまな作業によって、施設の実際の状況がよりよく把握されると、今後やるべき作業や、そのスケジュールがはっきりするだろう。



作業中の様々な危険について、東京電力は規則どおりに注意を与えているが、放射線事故では行っていない。



いずれにせよ、重要な課題の一つは、1〜4号機のプールに保管されている燃料を、できるだけ早く取り除くことだが、これには少なくとも2年必要だ。やるべき作業が大掛かりになることを考慮すれば、施設の完全な解体と用地の浄化には10〜20年かかるだろう。







[1]原子炉4号機は運転を停止しており、5.6号機は安全停止の状態にある。



[2]コリウムは、燃料と圧力容器内部の構造物の原料となっていた物質が溶けた、混合物から成る。



[3]コリウムとコンクリートが反応すると、ガスの発生とコンクリートの分解が生じ、熱のバランスが破れることを思い出したい。これがバランスする温度は、特に落下したコリウムの量によって決まるが、格納容器の底に穴が開いた場合、残存するコンクリート内か土壌内でバランスを取り戻したとき、コリウムが凝固する。また、格納容器の底で過熱した燃料と水が反応した場合、一定の状況下で「水蒸気爆発」も起こり得る(現状では、水蒸気爆発の可能性は極めて低い)。



[4]最近の要素を考慮し、東京電力は、4月17日に公開した、1号機の冷却を信頼あるものとするための、施設の制御を回復する計画の第1段階の工程表を見直した。実際には、この原子炉内の水位を検討した結果、当初予定されたような循環冷却機能が再び検討されることになった。また、圧力容器・格納容器の各内部の水位をより詳細に測定するために、新たな調査が始まった。



[5]アレヴァ社は、高濃度汚染水の処理施設(数万立方メートル)の設置を現在すすめており、6月10日頃に運転が始まる予定だ。この水は、除染された後、原子炉の冷却に再び利用されることになっている。











(投稿者より)



6月1日、フランスIRSNが公開した、福島原発の状況についての広報です。分かり難いな部分は適当に訳していますので、誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。



IRSNは事故発生当初からメルトダウンの可能性を検討していたということです。政府・東電がずっと否定していたので、発表を控えていたのかも知れません。しかし、3月15日、首都圏では「住居をできる限り密閉するように」との勧告を出していたことなどからも、検討の結果は勧告に生かされていたと思われます。



現在、政府は、メルトスルーの可能性を認める見解を発表しています。小出先生の見解も同様と記憶しています。ただ、この点について、IRSNは否定的なようです。どちらが本当かは、私にはわかりません。